Re:Re:★かけがえのない命、みんな同じ命/亥の子祝い [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月02日 21時06分)
みかんさん
【その2】
祝儀をくれなかったり、少なかったりすると、最後のところは、
貧乏せえ 貧乏せえ/○○のうち 貧乏せえ
になるというから、こりゃあたっぷり祝儀をはずまないとひどいこと
になりかねない。子どもたちは夜更けまでこうして各戸をまわり、最後
は当番の家に集まって「亥の子餅」とさまざまなごちそうをたべ、その
晩はだいたいの者がそこに合宿して一夜を明かす。事実は、朝までわい
わい騒いで眠らない場合が多いそうですが。
これって、関東地方や中部地方で陰暦10月10日の夜におこなわれてき
た「十日夜(とうかんや)」の刈り上げの行事と同じ趣旨のものでしょ
うかね。この日は、田の神が稲づくりを終えて山に帰る日とされ、関東
地方では、石でなく、わら鉄砲と呼ぶ藁を束ねた太い棒状のものを地面
にトントンとたたいて各戸をまわります、“トーカンヤ、トーカン
ヤ…”と囃しながら。からみ大根につけてお餅を食べるのが慣わし。当
屋にみんなで泊るのも西日本の習俗と同じですね。
|
|
|
Re:Re:★かけがえのない命、みんな同じ命/亥の子祝い [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月02日 21時05分)
みかんさん
【その1】
主題の「命」から離れ、「食物連鎖」から離れ、さらに「イノシシ」
からもますます離れてしまいますが…。
九州・熊本にお住まいのみかんさんなら、「亥の子祝い」という西日
本の農村部にひろくおこなわれてきた習俗をご存知でしょうか。陰暦の
10月の亥の日におこなわれる刈り上げ祝いの行事で、あらゆる病気を追
い払い、家内安全、そして、イノシシの多産にあやかって子孫繁栄を祝
うもの。夕闇が迫るころ、子どもたちが家々の庭を石で搗いてまわり、
都度、門口でお金やお菓子などの祝儀をもらい受けるといいます。石は
4~5キロもある円形の重いもので、上には御幣が結びつけられ、石の
まわりには縄が巻かれます。そこから何本もの縄が出ていて、それを子
どもたちが一本ずつ持って四方八方に張り、リーダーの掛け声に合わせ
て上げたり降ろしたりするらしい。“よいとまけ”の要領かな?(こ
れ、いいですねぇ。楽しそうじゃないですか。海のむこうの行事ハロー
ウィンを真似てワンパターンでやるよりは、今年はこのゆかしい伝統の
スタイルで家々をまわるというのはどうですか。土の庭がないとダメで
しょうけれど)わたしは、山口や北九州で幼児期~青春期をすごした愚
妻から、このときに歌われる「亥の子唄」という子どもの歌を聞きまし
た。
亥の子亥の子/えびす大黒さんという人は/一に俵をふんまえて/
二にニッコリ笑って/三に酒つくって/四つ世の中よいように/
五ついつものごとしに/六つ無病息災に/七つ何事ないように/
八つ屋敷を広めて/九つここに蔵をたて/十でとっくり納めた/
繁盛せえ 繁盛せえ/○○のうち 繁盛せえ
【つづく】
|
|
|
Re:Re:★小さくても、弱くても、かけがえのない命、みんな同じ命(09月06日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月02日 00時00分)
みかんさん
古来、日本人には親しかったはずのイノシシ。その肉は「ぼたん」と
呼ばれて珍重されたし、イノシシの子を「ウリボウ」と呼んで親しんだ
り、姓名にも知名にもなっているのに、それがどうも、物語としてはど
うやら伝わっていないことがわかりました。いや、ご存知という方がお
いででしたら、ぜひお教えくださいませんか。
萬葉集にこんなのがあります。ちょっとオトナの時間です。
妹をこそ 相見て来しが 眉引きの
横山辺(よこやまへ)ろの 猪(しし)なす思へり ―3531
あの娘に逢いにきただけなのに、(眉引きの)横山辺りの猪のように思
いおる、ちくしょうめ! といったところでしょうか。夜這いに来た男
を害獣のイノシシのように嫌って追い払ったのは、娘自身か、それとも
その親か。あわれな男よのう、おぬしは。また、こんなのもあります。
心合へば 相寝るものを 小山田の
鹿猪田(ししだ)守(も)るごと 母し守らすも ―3000
(娘と)心さえ合えば(合意のうえなら)共に寝てもいいはずなのに、
小山田をよく荒らしにくるイノシシを見張るようにして、おっかさんが
きつい目をして番をしているからなあ、というわけ。まあ、見込みなし
だよ、おまえさん、あきらめるんだな。
|
|
|
Re:Re:★小さくても、弱くても、かけがえのない命、みんな同じ命(09月06日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月01日 23時12分)
みかんさん
>イノシシが出てくる話は『十二支の話』しか、思い浮かびません。そ
れも、主体なキャラではなく、登場人物の1人(一匹)という存在です
が。ブタも日本の話(民話)には出てきませんよね~!?
----------------------------
どうしてなんでしょうねえ、その後わたしもいくつかの昔話の本を探
ってみました。大和の伝説にもない、それなら古くから狩猟が盛んにお
こなわれていた奥羽地方の民話ではどうかと見当をつけて、「羽前の昔
話」(稲田浩二監修、武田忠編、日本放送出版協会刊)をつぶさにあた
ってみました。雀、猿、兎、田螺(つぶ)、いたち、鼠、蛙(びっ
き)、狼、狐、犬、蜂、牛、猫、蟹、(かまいたち)、…などなど、さ
まざまな動物、それに鳥類と魚類が登場しますが、イノシシも豚もひと
つも語られていません。ほんと、どういてなんでしょうかねえ。
「猪」の字の入った姓の知人をみかんさんも何人かお持ちではありま
せんか。猪瀬さん、猪岡さん、猪野さん、猪俣さん、猪熊(葉子)さん
(児童文学者)、…ずうっと、ずうーっとたどっていけば、この人たち
のご先祖はどこかで猪との関係にぶつかるのかも知れませんが、それぞ
れ、荒っぽい「猪突猛進」にも「イノシシ武者」にも「手負いのイノシ
シ」にも似つかない、静かな、思慮の深い、抑制の利いたすばらしい人
たち。土地の名前にも「猪」の字を見ることがよくあります。
「豕(イノコ)を抱いて臭きを知らず」という格言をご存知でした
か。イノシシまたはブタの古称がイノコ。どうもいやな臭いのする存在
ということになっていたようで、自分の欠点や醜さというものは、自分
ではなかなか気づかないものだ、こころせよ、ということでしょうか。
耳が痛いですね。
ついでながら、京都御所のとなりにある護王神社の神使がイノシシで
あることを紹介しましたが、そのほかのさまざまな動物が神社の縁起に
もとづいて神使とされていることに気づきました。たとえば、鹿を神使
としているのは春日大社、鹿島神宮、厳島神社、兎は住吉神社、鳩は八
幡宮、蛇は弁財天、意外だったのは鰻を神使にしている三嶋大社、など
など。
|
|
|
Re:★小さくても、弱くても、かけがえのない命、みんな同じ命(09月06日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
みかん(でこぽん)さん (2007年10月01日 19時02分)
「和気清麻呂の逸話」も、初めて知った、不勉強な私ですので、イノシ
シが出てくる話は『十二支の話』しか、思い浮かびません。それも、主
体なキャラではなく、登場人物の1人(一匹)という存在です
が・・・。
ブタも日本の話(民話)には出てきませんよね~!?
『ポルコさま、ちえばなし』(岩波おはなしの本)という、スペインの
話しに出会ったとき、
「ブタが主人公になる話しがあるんだ~!」
と、小さな驚きでした。
あと、宮崎アニメの『もののけ姫』の「おことぬし」が、思い出されま
すが、他にも、アジアに、ないでしょうか?
それとも、「おことぬし」みたいに、”土地神様”のような存在で、お
話には、あまり出てこないのでしょうか?
|
|
|
Re:Re:★フェルメール、いや、小野かおるさんのゲーテ「ライネケ狐」(09月26日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月01日 18時43分)
ばーばーじゅこんさん
【その2】
そうは言っても、若いころですと、気に入った絵が来ていると、何べ
んでも美術館に足を運んだものですが、このごろはそれができなくなり
ました、億劫さが先に立ってしまって。加齢とはそういうことでもある
のか、と寂しくなることがあります。
一昨日から一人息子の引越しにつきあわされて、なんだかぐったり疲
れました。力仕事をしたわけではないのに、梱包されたたくさんの荷物
を見ているだけで疲れます。何から何まできれいに機能的につくられた
ピカピカのマンション。不備だらけのきたない団地での生活に慣れたわ
たしには、やはり落ち着けず、居心地いいとはいえません。それでも、
この年齢になると、エレベーターがあるというのはいいな、と思った
り…。
|
|
|
Re:Re:★フェルメール、いや、小野かおるさんのゲーテ「ライネケ狐」(09月26日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年10月01日 18時40分)
ばーばーじゅこんさん
【その1】
> 映画は2004年に公開されていますので、ビデオでもでています。是
非ご覧になってください。お勧めです。
今日は孫の中学の文化祭に、雨の中、美術部の絵をみにいってまいりま
した。やはり 婆バカでしょうか?
----------------------------
そうでしたか、比較的最近のものなんですね。レンタルビデオという
のを自分で借りた経験はほとんどないのですが、こんど探してみようか
な。あの少女がどんな家族に囲まれ、どんなことをし、どんな成長を
し、どんな恋をし、どんな生き方をし、そして老いていくのか……。
きょう、改めてあの少女の絵をじっくり見てみました。そうしました
ら、わたしの周辺にあの子に似た人三、四人が想い浮かびました。これ
からは、迷惑かも知れませんが、ちょっと意識してその人たちの表情を
見ることになるのでしょうか。真珠の首飾りをプレゼントするような親
しい関係に、……なるはずがありませんね。
中学校、高校の文化祭の季節になりました。若い人たちの発想を愉し
むひとときですね。例年、わたしのところには四、五校からのご招待が
あり、だいたい行くようにしているのですが、わたしの場合、絵につい
ては妥協できないきびしい見方があり、お安いおべんちゃらを言わない
ものですから、どう評されるのか戦々競々といった空気が周囲にあり、
ちょっと怖がられているようです。もうご招待はないだろう、といつも
思うのですが、やはり招待状がシャクシ定規に送られてきます。奇をて
らってはいてもちっとも新鮮でない手前よがりの絵、「教室で教えらこ
まれた」つまらない絵、手垢を感じる絵をそんなときたくさん見てしま
うと、どうにも憂鬱になり、
そんなときにはその翌日、つとめて第一級の絵を見に出かけて自分を
負の呪縛から開放することになります。絵や音楽や演劇、こういうもの
は、自分の感性に正直に照らして「いいもの」「第一級のもの」でなけ
ればいけませんね。貧乏していても、人間、これくらいは贅沢をしてい
いと思うんです。どこかのだれかさんみたいに、三流四流の芝居を見
て、歌を聞いて、「最高!」といっているようでは、どうしようもあり
ません。
【つづく】
|
|
|
Re:★フェルメール、いや、小野かおるさんのゲーテ「ライネケ狐」(09月26日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
ばーばーじゅこんさん (2007年10月01日 00時08分)
映画は2004年に公開されていますので、ビデオでもでています。
是非ご覧になってください。お勧めです。
今日は孫の中学の文化祭に、雨の中 美術部の絵をみにいってまいり
ました。やはり 婆バカでしょうか?
|
|
|
Re:Re:Re:月下美人/十五夜狂言
|
|
|
がのさん (2007年09月30日 19時40分)
candyさん
>「二人大名」野村万作・高野和憲・野村萬斎、「縄綯」茂山正邦・茂山千
之丞・茂山あきら、「業平餅」茂山千五郎・茂山童司・増田浩紀・井口竜
也・茂山千作・丸山やすし・茂山茂
と言う、豪華キャストでした。大いに笑いましたよ! 茂山千作氏の傘
持ちは、絶妙でした。
----------------------------
そうですね、贅沢な出演者が揃いましたね。客席がスカスカだっ
た……、うすっぺらなケータイ文化の時代、まあ、そんなもんでしょ
う。興行責任のないわたしのようなものからすると、それでいいじゃな
いか、と思いますよ。その分、邪魔されることなく、だれに遠慮するこ
となく、腹から笑え、楽しめますので。
それぞれ、なつかしい演目です。とりわけ「縄綯(なわない)」で見
せた六代野村万蔵さん(故人)の太郎冠者の名演技が忘れられません。
主人がバクチに負けて、下男(太郎冠者)まで売り飛ばすことになる。
売り飛ばされた先で見せる下男のスネぶりが味の狂言。30年以上も前に
なりますでしょうか。
「二人大名」では山本東次郎さんの円熟した演技で思いっきり笑わせ
てもらいました。東次郎さんの太郎冠者(通りがかりの男)が二人の大
名をなぶり、イヌ、ニワトリ、起き上がり小法師のものまねをさせる痛
快さ、滑稽さ。
「業平餅」ですか~。無一文のまま茶屋で餅を食べようとする色事師
の在原業平の一行。客が和歌の名手であろうとなかろうと、茶屋の亭主
にはそんなこと関係ありません。餅づくしの歌をうたって餅のただ食い
をつぐなおうとしても、何のタシにもなりません。挙句には亭主の娘を
妻にすることで折り合いをつけますが、その娘、とんでもないオカチメ
ンコ。不器量と知った業平、その娘を傘持ちに押しつけようとしてすっ
たもんだ。この傘持ちを茂山千作さんがやったのですね。これで笑えな
かったら、……もう、生まれ変わったほうがいいかも知れませんね(失
礼!)。
|
|
|
Re:Re:★フェルメール、いや、小野かおるさんのゲーテ「ライネケ狐」(09月26日) [ 関連の日記 ]
|
|
|
がのさん (2007年09月30日 18時07分)
ばーばーじゅこんさん
>先日TVで改めて「真珠の耳飾りの少女」の映画をみて、改めて、フ
ェルメールの本をひっぱりだしていたところでした。
たまたま昨年 花の5月に オランダへ出かける機会があり、アムス
テルダム国立博物館で「牛乳を注ぐ女」をみ、ハーグのマウリッツハウ
ス美術館では「真珠の耳飾りの少女」や「デルフトの眺望」の前にたつ
ことも出来ました。
----------------------------
「真珠の耳飾り…」が映画になっているのですか、へぇ~。“真珠”よ
りは、斜めうしろに振り返るその率直な目の、深く澄んだ瞳と、髪を覆
う布の青のあざやかさが印象的な絵。あの少女がどんな物語をつむいで
いくのか、ワクワクさせるものがありますね。
オランダの風を感じながらあの少女を、また窓辺に立ち「牛乳を注」い
でいる女性をご覧になったのですね。とくに上品ということでもなく、
素朴で質実な生活感覚が描き出されています。いやいや、いい絵はぜひ
そんなふうにしてその地の光の下、その地の空気の中で見たいものです
ね。今回はアムステルダム国立美術館が改修工事に入るということもあ
って、その間に日本に初めてやってきたようです。そんなことがなけれ
ば東京で見ることはできない作品で、国立新美術館開館記念の特別企画
とのこと。フェルメールは、稀れなほど寡作な画家ですしね。ほかにも
たくさんのオランダ絵画が見られましたが、やはりフェルメールがいい
ですね。じつはこの「牛乳を注ぐ女」、その印象からしてもっと大きな
ものかと思っていましたが、事実は、意外に小さいんですね。一辺が60
~70センチくらいだったでしょうか。にもかかわらず、描かれた“女”
の存在感には圧倒的なものがある! 傑作とはそういうものなのかもし
れませんね。観ているこちらまでぽかぽか暖かくなってくるような、窓
から射すやさしい光。雇われて台所で働く、豊かさには縁のない使用人
でしょうか。その情感を押し殺した表情。腰にざっくりと巻きつけられ
た、雑な縫い取りのみられる青い布(スカート?)。どんな家庭生活を
もった女なんでしょうか。いろいろ考えさせられます。
|
|
|