★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子 |
06月10日 (金) |
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小夜/イーダちゃんのゆう子ちゃんは、もう「さよなら、あんころもち、またきなこ」なんて云いませんね。
がの/『ふたりのイーダ』ですね。2歳11か月のゆう子ちゃんは、おしゃまで、元気いっぱいで、勝ち気でしたが、ここでは中学生ですからね、気にいらないからといって「イーっだ!」なんて云いませんよ。
小夜/小学4年生だった直樹くんは大学生。ゆう子ちゃんにはとってもやさしいお兄ちゃまでしたけれど、今回の『屋根裏部屋の秘密』では、以前にも増して思慮深い、たよりになるお兄ちゃまになっています。夜中、黒姫までおんぼろ車を走らせてすぐにとんできてくれましたね。
がの/そうそう、おはなしのおもな舞台は、「花姫山」の山荘となっていますけれど、これは明らかに黒姫山のことです。「山桑」という地名が出てきたり、滝(ないの滝)や湖(野尻湖)のことも書かれています。黒姫山の南面といいますから、きっとラボランドくろひめに近いところかも知れませんよ。
小夜/わー、黒姫ですね。去年の夏の終わりころ、おかあさんといっしょにファミリーキャンプに参加しました。高原の風を受けてのハイキング、野尻湖では遊覧船に乗りましたし、木の下でみんなでつくって食べたバーベキュー、どれもみんな楽しかったです。
がの/『ふたりのイーダ』では、ヒロシマに落とされた原爆のことが背景になっていました。今回読んだ『屋根裏部屋の秘密』では、おとうさんの生まれる少し前にあった戦争のことを背景に作者は語っています。とっても、とってもおそろしいおはなしでしたね。
小夜/こわかったですよ。こんなにこわい思いをしたのは初めてです。夜、床について目をつむるでしょ、すると悪魔のような顔が次つぎに浮かんできて小夜を脅かすので、ずうっとうなされているほどでした。
がの/でも、「歴史」についてちゃんと知りたい、と云ったのは小夜ちゃん自身でしたからね。
小夜/だって、歴史認識がちがう、と云って、中国のひと、韓国・北朝鮮のひと、ほかのアジアの国のひとたちが口をそろえて日本のことを怒っているじゃないですか。
がの/中国のいろいろなところで反日デモと日本製品の不買運動がおき、ひどい破壊行為がなされました。
小夜/日本のひととは歴史認識がちがうので仲よくできない、というのですけれど、小夜にはその「歴史」というのが何のことなのか、ぜんぜんわかりませんでしたので。
がの/そうなのよね、日本の人びとにとっての戦争の歴史とは、ヒロシマとナガサキの原子爆弾のことか、沖縄戦のこと、東京大空襲のこと、あるいは特攻隊のことなど、ある程度限られていて、もっともっとあったはずの、戦争が刻んだむごい事実、個々の不幸な事実については封印されてきたというに近いですから。
小夜/小夜たちは、いまこうして、ゆたかなモノに囲まれた、平和な時代に生きていますが、まだそんなに昔でないとき、そう、まだ60年、70年しかたっていないとき、世界に何があったのか、わたしたちの先祖たちが戦争のなかでどんなことをしてきたのか、このご本でその一端を見ることになりました。
がの/そうです、ナチズムによってユダヤの民を大量殺戮したアウシェビッツのことはよく世界に知られていますけれど、この日本にも同じような殺人工場があったのです、日本のアウシェビッツが厳然としてあったのです。この作品は、平和の時代をのうのうと享受しているわたしたちに、その傷口を見せてくれているのです。
小夜/赤沼英一という老人が病気で亡くなります。エリコさんのじじちゃまです。エリコさんにとっては、とってもやさしい、すてきな、理想的な方でした。このエリコさんが、ゆう子ちゃんと直樹くんのはとこにあたる子で、ゆう子ちゃんと同じ中学生でした。仲のよい同士でした。
がの/エリコさんは、おとうさんもおかあさんもなく、生まれたときから体質が弱く、いつもゼンソクに悩まされていました。
小夜/病気がちの孫むすめのために、お金持ちのじじちゃまは黒姫山のふもとに瀟洒な別荘を建ててやり、エリコさんは夏に冬にその山荘にやって来て健康を養っていました。
がの/で、そのすてきなじじちゃまですが、ある大きな製薬会社の重役をずうっとつとめてきた人でした。血液製剤を開発した功績によって名をあげ、会社に莫大な富をもたらし、自身も途方もない財をなした人でした。
小夜/そのじじちゃまが亡くなるとき、孫のエリコさんにナゾのようなことばを残します。山荘の屋根裏部屋においてあるダンボール箱ひとつの書類について、その処分をまかす、というのです。鍵がかかったまま、だれも開けたことのない屋根裏部屋。エリコさんはゆう子ちゃんに手つだってもらいながらやっとその屋根裏部屋を開け、ダンボール箱をみつけますが、それがとつぜん、魔法のように消えてしまいます。
がの/その不可解な喪失事件を解明すべく、ゆう子ちゃんが活躍、お兄ちゃまの直樹くんを呼びつけていっしょにナゾを追求していくのでしたね。
小夜/こわい、こわい秘密のベールがこの兄妹によって一枚ずつ剥ぎとられていきます。小夜はほんとうにドキドキしました。
がの/わたしたちのおじいちゃん、ひいおじいちゃんたちの世代の人たちが、先ごろの戦争のなかで何をしてきたか、その醜い断面が赤裸々にあばかれていくおはなしの流れは、まるで推理小説のようでしたね。
小夜/それは、信じていいことなのかどうか、小夜は混乱して、ほとんど宙空に浮いたような気分でした。
がの/旧満州のハルピン、そのピンファンというところに七三一部隊がおかれていました。これが細菌戦のための秘密研究所だったのですね。中国人や白系ロシア人の捕虜たちがここでむごたらしい人体実験に供されたというのです。
小夜/ひどいですよ、捕虜になったその人たちは、名もない「丸太」と呼ばれ、何人、何名と数えられることもなく、「何本」といって数えられたというのですから、もう…。戦争とはもともとそういう非人間的なものなのでしょうが。
がの/その「丸太」を生きたまま解剖する、細菌感染の被験体として使う、高圧電流にかけてその反応を観察する、洗濯機の脱水槽のような機械、大きな遠心分離機に生きながらかけて、ガラガラと高速回転させ血を集めて、その血を抜いて採取し調べる、というようなことも。ね、悪魔も鬼も思いつかないような残虐なことを日本の兵隊さんがやっていたことを記録した書類だったのね、それは。
小夜/どれほどの高熱に人間は耐えられるものかの熱湯実験、どこまでの空腹と飢渇に人間はたえられるものかの飢餓実験、どれほどの低温まで人間は耐えられるのかの凍傷実験なども、くり返し、くり返しおこなわれていたようですね。
がの/その部隊の軍医として中心になって生体実験をおこなってきた人物こそ、赤沼のじじちゃまだったことがわかります。復員してきて、戦場でやってきた非道なことにはきれいに口をぬぐい、その実験で得たさまざまなデータをもとにして、人間の生命保持に欠かすことのできない血液製剤をつくり、人類を救う貴重な発明者として名をなし出世をとげ、豪邸に住んで何不自由のないゆたかな生涯をおくり、その暗部だけを後世のものに押し付けて、さっさとあの世へ逝ってしまった老人。
キジムナーが出てきそうなガジュマル。群馬フラワーパークにて
小夜/秘密を守ろうとして、会社はその書類がほかのだれかの目にふれないうちに処分してしまおうとします。ずるいわ。それはできませんでしたけれど、さて、次の世代は、押し付けられたその重い責任をどう負っていけばよいのでしょうか。
がの/そこですね、アジアの人びととほんとうに仲よくやっていけるかどうかのカギは。日本人があまり触れたくない歴史的事実ですが、それはそれで終わったわけではなく、七三一部隊が残した細菌をめぐる生体実験のデータは、たとえばヴェトナム戦争のときにアメリカ軍が利用して、枯れ葉剤というおそろしい毒薬をつくりました。それによってヴェトナムに多くの奇形児が生まれたのは、世界が知る事実です。小夜ちゃんには、こうしたことはいまはむずかしくてよくわからないかも知れません。でも、これから小夜ちゃんたちがしっかり考えてくれなければならない問題です。
小夜/うーん、それはたいへんな宿題ですよ。
がの/そうですよ。そしていま『屋根裏部屋の秘密』を通じて小夜ちゃんが知ったのは、戦争のなかの、あるひとつの事実でしかありません。わたしたちはきちんと知らなければならないことをもっともっと抱えています。そして、逆に、捕虜になった多くの日本人も同様な死をとげているという歴史も忘れることはできません。
小夜/はい、香月泰男さんの絵で、寒さと強制労働のなかシベリアで亡くなった人たちの亡霊を見ました。シラカバの木を焼いた燃えさしで描いたという暗い絵は、ショックでした。
がの/加害者であると同時に被害者でもあり、そこでは「何人」ではなく「何本」と数えられる存在として戦場に立った兵士たち。戦争には勝ちと負けがあるだけで、破壊に破壊を重ねて勝ち負けを争うもの。そこには人道的なルールなんてありません。日本は先の戦争を戦って負けました。負けて数えきれない悲劇を生みました。そのことからわたしたちはたくさんのことを学び、ぜったいにそんなつまらないことをくり返さない知恵を持たなければなりませんね。
小夜/ほかの人から受けたこころの傷や侮辱は50年や60年で消えるものではないと聞きます。
がの/そうそう。ですから、日本軍が外国で犯してきた非道なおこないについても、まずは、残さず知り反省する必要があります。いちばん人間が賢くなれるのは、そうした間違いを正確に認識することからですし、おとなりの国と本当に仲よしになるためにも、その認識を共有できるかどうかがポイントです。隠されていることをそのまま眠らせ、知らないままにしておいてはいけないと思います。自分の国の恥ずかしいマイナス面を知ろうとする人は、事実、そんなにはいないでしょう。残念ながら、それはだれにも、あまり愉快なことではありませんのでね。
小夜/愉快でないからといって目をふさぎ、うわべだけの空っぽの交流をいくらくり返しても、ほんとうに近づいたことにはならないのですね。さあ、どこから踏み出しましょうか…。
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Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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スミティさん (2005年06月16日 13時36分)
「屋根裏部屋の秘密」読みました。
挿絵は司修さん。のびやかでで繊細な絵ですね。
黒姫が浮かんできます。
小学校高学年からの子達にこの夏ぜひ読んでもらおうと。
東京大空襲を題材にした「ガラスのうさぎ」もかいました。英語版も。
被害者として、加害者として、両方の視点からの本に出合えました。
学生時代、石井部隊のことは結構調べたんですよ。これをどう次の世代
に伝えるか。知識としてではなく自分のこととして。松谷みよ子さん、
書く距離を測りながらかかれたんだろうなあ、と。
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Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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がのさん (2005年06月16日 21時54分)
スミティさん
>「屋根裏部屋の秘密」読みました。小学校高学年からの子達にこの夏
ぜひ読んでもらおうと。東京大空襲を題材にした「ガラスのうさぎ」も
かいました。被害者、加害者、両方の視点からの本に出合えました。松
谷みよ子さん、書く距離を測りながら書かれたんだろうなあ、と。
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ありがとうございます。ご紹介はしたものの、忙しい忙しいばかりで
日々跳びはねておられる皆さんのこと、なかなか読んでくださるような
方はいないだろうと、失礼ながら思っておりましたので、スミティさん
のような方がいて、感激です。ひとの思想にかかわるシビアな問題を追
うテーマでもあり、じっくり心を落ち着けてこの種の本を読み込むほど
のゆとりを皆さんに感じられませんでしたので。夏には「ガラスのうさ
ぎ」(高木敏子・作)も、とか。国際交流を主宰している組織としては、
こういうものを読むと読まないとでは地球の上での立ち方がぜんぜん違
ってくるはずで、きっと貴重な読書体験になることと期待しておりま
す。
たまたま、今朝の朝日新聞の「声」の欄に、金大中。前韓国大統領がNHK
教育テレビに出演、「歴史問題」についても発言し、その話にたいへん
感動したという東京・昭島市のご婦人の投書が載っていました。真っ正
面からこの歴史問題をとらえるべきだ、という趣旨のようでした。それ
にひきかえ、わが国の指導者は、「未来志向で」としか語れない貧し
さ。どんな「未来」を想定してそういうのか、わかりませんが、明るい
未来を確実に引き寄せるためには、歴史をきちんと理解することが第一
歩で、都合の悪い、愉快でない過去については棄ておいて葬り、まうい
いじゃないか、未来へ、というのは空っぽの詭弁、ウソっぱちでしかあ
りません。ほかの立場を思いやる想像力の欠如。この指導者にかぎら
ず、日本人のほとんどが想像力を喪い、自分のことしか見ようとせず、
おかねにものをいわせて前ばかり向いて突っ走ってきました。しかし、
もうそんな安っぽい風船玉はだれも信じていません。知盛じゃないです
が、見るべきほどのものは正面から見る、そこからしかスタートはな
い。そのことを語ってくれている一冊ではないでしょうか。まあ、もっ
と楽しい、そんなに堅苦しくない読み方もできる名作だと思いますが。
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Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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スミティさん (2005年06月16日 22時20分)
ありがとうございます。ご紹介はしたものの、忙しい忙しいばかりで
日々跳びはねておられる皆さんのこと、
★私は今跳びはねたくても跳びはねられない、本屋に行くのも面倒で行
っても欲しい本話、ということでもっぱらアマゾンです。
堅苦しくなく、きっと子供は、推理小説気分で、わくわくしながら読み
進んでくれるのでは。そこも松谷さんの配慮なんでしょうね。
「ガラスのうさぎ」は、今年初めてアニメになってこの夏から上映され
ます。国際交流に参加するに当たって子供たちに読んでおいて欲しい本
ってありますよね。出来るだけ紹介するようにしています。こういうの
物語を受け止められる子になってもらいたい、私にとってはそのための
ラボ活動かも。
話は変わりますが、光高校の事件が全国版で結構長く取り上げられてい
ます。以前うちのpにいた子がそのクラスにいたりと地元の情報も入って
きます。マスコミの取材のあり方、光高校のラベルの貼ってる自転車が
ある家を探して取材にやってくるそうです。マスコミの取材のあり方に
なんだか腹立たしい気が。これも、わが身に置き換えて考えられない、
そして問題にすべきことが考えられない想像力の欠如かしら。
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Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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がのさん (2005年06月17日 01時11分)
スミティさん〔1〕
>私は今跳びはねたくても跳びはねられない、本屋に行くのも面倒で行
っても欲しい本は無し、ということでもっぱらアマゾンです。
★…腰をいためておいでと知りました。どうなさいましたか。いろいろ
なことがかさなり、無理をなさったのでしょうか。夏活動の始まる前ま
でになんとか直るといいですね。どうぞお大事に。いまわたしのおこな
っているマイナス・イオン療法がそんな症状には効果的のようなのです
が、そちらにはそれをやっているところはないでしょうかね。
堅苦しくなく、きっと子供は、推理小説気分で、わくわくしながら読み
進んでくれるのでは。そこも松谷さんの配慮なんでしょうね。
★…そうですね、一度読みはじめたら、推理小説を読むような感覚で興
味を追ってスピーディに読めますからね。でも、「歴史問題」はすっ飛
ばして読んでほしくないですね、そんなにシビアに考えないでもいいで
すが。
「ガラスのうさぎ」こういうの物語を受け止められる子になってもらい
たい、私にとってはそのためのラボ活動かも。
★…まさに尊ばれていいテューターとしてのスタンスではないでしょう
か。心身逞しい子どもに育てるとはその謂いにほかなりませんよね。
光高校のラベルの貼ってる自転車がある家を探して取材にやってくるそ
うです。マスコミの取材のあり方になんだか腹立たしい気が。これも、
わが身に置き換えて考えられない、そして問題にすべきことが考えられ
ない想像力の欠如かしら。
★…は~、そんな事情になっているのですか。そうなんでしょうね、マ
スコミの手前勝手で他をかえりみない軽薄なおごりと、本をたんさん読
んだ経験のない、想像力を喪った、コンビニ文化、ケータイ文化に踊る
世代の行状に思われます。埃っぽくていやですね。まあ、困ったことな
がら、たとえば、インド・ガンジス川のほとりには日本の人たちとはぜ
んぜん違う死に方をし、それを幸福とする人がいる、あるいは、アフリ
カには飢えに苦しみつつ死んでいく子がたくさんいる、…そういう想像
力を働かせても食ってはいけない社会状況ではありますが。《つづく》
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Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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がのさん (2005年06月17日 01時18分)
スミティさん〔2〕
きょう(6月16日)は、午後、地域文化活動の一環としてずうーっとおこ
なっている≪ふれあい読書会≫がありました。中学生たちも加え、地域
の旧世代の人たちとともに1冊の本をめぐってそれぞれの世代の感性を
交流しあうもので、月1回ずつの機会となっています。いつもは海外の
文学作品を素材に味読し話し合ってきましたが、きょうはリー・バート
ンの名作絵本『ちいさいおうち』を素材にして、アメリカ人の精神の原
像と時代感覚に細かくふれました。ここで絵本を取り上げることはめっ
たにないのですが、今回、絵本とは何か、絵本をどう読むか、愛の体験
としての絵本の読み聞かせ、絵本のほんとうの豊かさ、いい絵本と
は…、といったあたりを2時間半にわたり、話してきました。
絵本のことについては、機会がありましたらまたここで書かせてもらい
ますが、次回の読書会では何を読もうか、ということになり、日本で
は、夏は国民がここぞって戦争のことに思いをいたす季節として定着し
ているし、読書会でもそれに沿ってその種のものを読もう、となりまし
たので、『屋根裏部屋の秘密』を提案、これを読みあうことになりまし
た。さて、どういうことになりますか。とりわけ中学生がこれをどう読
み解くのか、興味があり、楽しみにしてます。「ガラスのうさぎ」も参
考素材にしようかな…。
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Re:Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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Play with meさん (2005年06月19日 00時08分)
がのさん
絵本とは何か、絵本をどう読むか、愛の体験
としての絵本の読み聞かせ、絵本のほんとうの豊かさ、いい絵本と
は…、
★ これはぜひとも読ませてほしいです。
ページに入れていただけませんか?
ラボッ子のことだけ考えている幸せを早く取り戻したいと思いま
す。でもまだ1年半の人気にめまいがしどうです。
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Re:Re:Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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がのさん (2005年06月19日 23時32分)
Play with meさん
>絵本とは何か、絵本をどう読むか、愛の体験としての絵本の読み聞か
せ、絵本のほんとうの豊かさ、いい絵本とは…、これはぜひとも読ませ
てほしいです。ページに入れていただけませんか?
----------------------------
いやいや、どうも恐れ入ります。そんなふうにおっしゃられると、困り
ましたね。
絵本についておしゃべりをしたといっても、対象は日々の庶民生活をと
もにする地域の広い層の皆さん、気取りなく向き会える人たち、むしろ
読書経験など日常のなかではほとんどない方がた、わたしのいい加減な
ムダばなしさえありがたがったり珍しがったりして聞いてくださるよう
な方がたでして、いつもすぐれた物語に包まれているラボの皆さんの場
合とは大きく違いますのでねぇ。とりわけ、絵本に関してでしたら、わ
たしなどより2倍も3倍も皆さんのほうがお詳しいはず、なかには専門
家と呼びたいほどのひともおいでで、もう、皆さんにご披露するような
ことはないように思います。
それでも、まあ、せっかくの機会ですから、恥ずかしながら、ひとつだ
け。
このところ、「はなのすきなうし」あたりから始まって、宮澤賢治の童
話絵本を花や植物というところに視点をあてながらつれづれに書き、皆
さんにおつきあいいただきました。そんななかで、小夜ちゃんという5
歳のかわいい少女が登場し、いっしょにおはなしを味読してまいりまし
た。スペースの都合もあり、あまり展開できなかったうらみもあります
が、この子にがんばってもらいました。「5歳の子に、それはない
よ…」というお声を意外なほど多くいただきましたが、失礼を承知で、
そういう声には耳を貸さず…。もちろん、おっしゃられるとおりです。
しかし、ここまで、5歳の子のインテリジェンスと理解を超える作品
も、かまうことなくどんどん読ませてきました。ずいぶん乱暴な親でし
たね。でも、じつは、その周辺に「絵本とはなにか」のカギが転がって
いるような気がしています。
※ここは、すぐ容量オーヴァーになってしまいます。「トーク=2」のほ
うへ、つづく。
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Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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Play with meさん (2005年06月20日 21時36分)
Play with me
がのさんへ
ありがとうございます。
ラボテューターにはそれこそ児童文学のプロのような方もたくさん居ら
れます。でもPWMのようにGANOさんのページからいろいろ学んでいる
テューーターもたくさん居られるのではないでしょうか?
若いお母様方との会話にとても参考にさせていただくことがたたくさん
あります。また感性を磨くよいチャンスと楽しみに訪問しています。
なかなかついていけないんですけどね・・・・(*^_^*)
小夜ちゃんにも子供としてではなく、お話されている様子はラボの本質
ではないかとも思います。
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Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:★歴史の真実を知る勇気…『屋根裏部屋の秘密』松谷みよ子(06月10日)
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がのさん (2005年06月22日 10時47分)
Play with meさん
>若いお母様方との会話にとても参考にさせていただくことがたたくさ
んあります。また感性を磨くよいチャンスと楽しみに訪問しています。
★…そんなふうに云っていただくと、恥ずかしさに身がちぢみます(体重
は落ちないのに)。大学では堅い分野のことばかりに頭をつっこんできま
したので、比較的多くの本を読んできたとはいえ、絵本となると、とて
も皆さんには遠くおよびません。これからも皆さんから学ばせてもらう
のみです。絵本をめぐっての余談。絵本ブームといわれることがある
が、あやしいものだという話を読書会メンバーのひとりがなさいまし
た。若者の町原宿の「クレヨンハウス」で、絵本を買う大学生世代の女
の子の様子を見ていたというのです、どんな選び方をし、何を買ってい
くだろうかと。自分の着ている洋服の色に合わせて選んでいて、表紙の
色とサイズが問題で、その中身はどうでもいい様子だった、そして、タ
イトル文字が英字のものを選んで買っていったとか。それを小脇にかか
えるか、バッグからわざとはみ出させて人に見えるようにして持ち、渋
谷や新宿を歩きまわるというファッション! ちょっぴりインテリチッ
クに見せようというタバカリかも知れません。まあ、そういう女性、赤
羽末吉さんの絵本を持って町をうろつきまわることはないんだろうな、
とおかしくなりました。「トーク=2」で書かせてもらいましたように、
絵本は見てくれじゃない、そして、子どもがすぐにキャッキャと反応す
るようなのはあまり信用しないほうがいい、そんな軽薄な感性に媚びて
つくった絵本はろくなもんじゃない、ということでしょうね。
小夜ちゃんにも子供としてではなく、お話されている様子はラボの本質
ではないかとも思います。
★…あらゆることの基礎として、子どもには正しい、いい日本のことば
を伝えたいもの。なんといっても、ことばは文化の精粋ですから。それ
に、小夜の将来の夢はふたりの由美子先生(谷口、作間)のような翻訳家
になることだそうですよ。いまも出版のごとに本を贈ってくださるの
で、よくそれを読んでやっており、その呼吸のようなものもつかんで親
しんでいます。5歳の子どもの感性って、ほんとう、ピッカピカです
ね。
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