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035
風のかよい路、〔がの〕さんの庭にて。
どうぞお気軽に。互いの率直な感性をそのままに交換いたしましょう。


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がのさんの掲示板 [全2358件] 601件~610件 表示 << 前の10件 | 次の10件 >>
Re:★愚かしくも美しい永遠の父親像―、子に与えつづけた老人の悲しい死(03月11日) [ 関連の日記 ]
Play with meさん (2007年05月17日 00時03分)

お久しぶりです。
大役を終え、蔵の解体に心身ともにくたびれて、ぽっかりと空虚な気持
ちをもてあましておりました。
「ゴリオ爺さん」のまだ上しか読んでいませんが、はじめはなんと読み
にくい物語だろう・・・と思いながら遅々としていましたが、だんだん
引き込まれています。
「悲しき父性愛」に似た愛情を自分の中にも見つけておろかな親を思い
知っています。
最近、息子が「パラサイトを止めようと思う」と1人暮らしをはじめま
した。それは自立で喜ばしいことなのですが、母親としての気持ちが納
得しません。
ゴリオさんの娘達と反対に親の思いを断ち切ってさらりとでていったこ
とへ寂しさもひとしおです。
ゴリオさんのようにまでは子ども達に尽くせないでしょうが・・・
ゴリオさんが「自分は三人分生きている」と言う気持ちはわかります。
子ども達の成長を通して私も三人分生きている思いでしたから。
ゴリオさんのようにならないように子どもに教えられたような気もしま
す。下をよんで上流社会に憧れた青年達の変化も楽しみにします。

がのさんの書き込みもじっくり読ませていただきました。
本当に私も両親の苦労も知らず、お嬢様方と同じ生きかたをして、蝶の
様に飛び回っていたことを思い返します。
そして両親にすまない思いをしています。
ゴリオさんの娘達とあまり違わないのでは??と反省です。
この物語を読む機会を頂いたことに感謝です。
Re:Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ]
がのさん (2007年05月13日 22時26分)

ばーばーじゅこんさん

【その2】
 いろいろなことが思い出されますが、田名部昭氏とその後お逢いする
なかで聞いて驚いたことの一つをご紹介しますが、作家・曽野綾子さん
の旅行のスタイルについてです。曽野さんがギリシアやトルコへ行くと
きはだいたい彼がいっしょのようですけれど、それにかぎらず、曽野さ
んの海外への取材旅行には、いつのときも何人かの出版社の随員がいま
す。そういう人は気を利かせたつもりですぐに彼女の荷物をもってあげ
ようとするのですが、彼女は、自分の荷物はぜったいにひとに持たせな
いそうですね。自分のことは自分でする、自分で持てないような荷物は
持たない、自分は女だから、とぃった甘えはいっさいない、あの人らし
いストイックさ。そこは徹底しているそうです。旅じょうず、というよ
りは、旅とはそういうものだ、とテンから考えておいでのようだ、と。
わたしたちはとかく業者のサービスや男子、高学年の子にと、依存しが
ちですが、学びたいところ。
 でも、旅の途中はともかく、このごろは空港から自宅へは宅急便を使
うことが多いようですね。彼女はこのごろはどうしているのかなあ、
と、曽野さんご自身が聞いたら「バカね」と一笑に伏されそうな、そん
な余計なことを思ったりします。
Re:Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ]
がのさん (2007年05月13日 22時21分)

ばーばーじゅこんさん

【その1】
> ケイコさんからメッセージを頂きました。ギリシアは本当に大変な
旅でしたが、今になってみると大変だっただけに、本当に参加して忘れ
られない思い出の残った旅です。田名部先生のご講義時間は日中遺跡を
歩き回っていた疲れとワインの酔いとで半分夢見心地で伺っていたよう
な気がしております。スニヨン岬で健気に咲いていた野生のシクラメン
の写真もあったはずです。
     ----------------------------
 ばーばーじゅこんさんからそのときの写真をいただいた後、自分の撮
ったものを見直してみたいと思っていました。ところが、よほど押入れ
の奥に突っ込んでしまったのか、出てきません。バタバタした日々のな
かで、情けなや、そのことも忘れていました。
 その当時は、わたしにかぎらず、みなさんもよく勉強しましたね。研
修の旅では、ギリシアの甘いワインに酔っているヒマもありませんでし
た。たぶん、ギリシア神話とギリシアの英雄伝説に関する本や資料を、
わたしの場合で200冊は読んでいたと思います。読めばいい、というもの
ではないかも知れませんが、みんな若かったのでしょう(写真で見るばー
ばーじゅこんさんの若々しいこと! わたしのなんとスマートなこと!
 メタボとはおよそ関係ない姿!)、テーマの深さ、テーマの壮大さを前
にして、異常にエネルギーを燃やしたことが思い出されます。で、研修
の旅のころはアタマのなかには混沌としたイメージが重なり、ごった煮
状態でした。が、こうしてまた読み直してみると、なんだか不思議なく
らいスーーッと一つひとつの物語のテーマがクリアに見えてきます。凡
愚なわたしなどには、そこまでに、空白をはさんで20年の時間がかかる
ということですね。
 タベルナといわれても食事はそこで食べる(居酒屋兼食堂)ギリシアの
旅。数かずの遺跡めぐり。オデオンをおでんやと聞き違える人はまさか
いませんでしたが、それは奏楽堂のことでしたね。円形劇場はテアトロ
ン。パンパンと手をたたくと、初冬の乾燥した空気のなか、よくひびき
ました。広場はアゴラ。体育練習場はパライストラ。馬蹄形をした競技
場はスタディオン、市場のことはストア(回廊のこともストアと言ったよ
うな…)。これなどはいまもわたしたちの生活のなかでふだん使われてい
ますね。
【つづく】
Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ] ・
ばーばーじゅこんさん (2007年05月12日 23時33分)

ケイコちゃんさんからメッセージを頂きました。がのさんのおかげで
す。お元気そうで、ケイコちゃんさんもラボを続けていらっしゃる
ので安心致しました。
 ギリシャは本当に大変な旅でしたが、今になってみると大変だっただ
けに、本当に参加して忘れられない思い出の残った旅です。
田名部先生のご講義時間は日中遺跡を歩き回っていた疲れとワインの酔
いとで半分夢見心地で伺っていたような気がしております。
スニヨン岬で健気に咲いていた野生のシクラメンの写真もあったはずで
す。

 13日 支部の一日広場で松本 輝夫氏がライブラリー講話をなさる
予定です。タイトルが何故か「ギリシャ神話ーSK21より」です。
Re:Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ]
がのさん (2007年05月11日 10時38分)

ケイコちゃんさん

【その2】
> 水に流すといえば、私も何かで読んだことがあります。昔から日本
人は美しい山々に囲まれ、そこから流れ出した川で人びとは水の恩恵を
受けて生活し、汚いものを流しても、そのころの水流はすべてを綺麗に
浄化する自然のちからを持っていたこと。また、美しい滝もたくさんあ
り、人びとは滝の水で自分を打たせ、精神と肉体を鍛え、己れの悪を祓
いだす『禊』としていたことなどなど、「水に流す」文化は奥深く日本
人に入り込んでいたのだというのです。
 政治家などが、悪いことをして「水に流す」風潮は本当に最低です
が。
 ギリシア神話の中の女のひとの生き方、いろいろと凄まじかったり、
哀しかったり、また、興味新たに心動かされました。しかし、どこの国
でも総じて女は強く、逞しく、優しく、美しいのでしょうか。
     ----------------------------
 はは~、なるほど、じょうずに水に流すのは、もともと日本人の伝統
的な文化なんですか。身と心の穢れを水や火で清めて、生涯、身ぎれい
でありたい、との尊い思いは、たしかに古来よりありましたね。それに
しては、このごろはどうも、ベネディクト女史が日本を評していう  
 「恥」の文化が底から損なわれ、幼稚で薄っぺらで直情的な、恥知ら
ずの文化が目立つように思いますね。わたしなんぞはなかなかそういう
時代にはついていけませんが。

 戦乱のなか、引き裂かれた人生に従って「耐える女」に徹したアンド
ロマケー。このアンドロマケーが日本の歴史のなかにもいたことを、NHK
の大河ドラマ「風林火山」で知るところとなりました。いえいえ、この
先の展開は知らないのですが、山本勘助が由布姫に説く生き方がそれで
はないかと。甲斐・武田との戦いに敗れた諏訪一族で唯一生き残った由
布姫(禰々の子、赤子の虎王丸もいますが)。根だやしにされることを避
け、生きて一族再興の大望を遂げるためには、ここは恨みを捨て孤独に
も耐えて心の昇華をはかり、自分を殺して武田晴信の側室にくだって、
男の子をなすこと、その子に次の世を託すという、ほんとうの強さ。え
え、ドラマはどうなっていくのかは知りませんが、そこまでは由布姫と
アンドロマケーの生きかたには近いものがあるように思うのですが。
Re:Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ]
がのさん (2007年05月11日 10時36分)

ケイコちゃんさん

【その1】
>ギリシアにご一緒したばーばじゅこんさんからメッセージを頂きまし
た。ギリシアの道ばたの石のすきまからシクラメンの花が咲いていたこ
とを教えてくださったことも想いだしながら、花々の写真に見入ってし
まいました。
     ----------------------------
 東京・世田谷にお住まいのKさん、いっしょに1988年のギリシア神話研
修の旅に行ったメンバーの一人ですが、彼女がこの4月末にラボ35周年
記念のつどいをおこないました。お祝いに行くことはできませんでした
が、お祝いの一文を寄せることになり、そのラボ・ライブラリーの旅に
ふれて書き、それを機に、ギリシア神話と英雄伝説のことを改めてあれ
これ考えました。いかにもそこに人性のすべて、その喜びも悲しみも、
嫉妬も怨恨も、悪も善も、すべてが描かれていることを知ることになり
ました。
 アテネ、エレウシスをはじめ、コリントス、ミケーネ、アルゴスな
ど、ペロポネソス半島各所の遺跡をめぐる強行日程の旅でしたが、ずい
ぶん多くを見聞し深夜に至るまで勉強しあいましたね。すばらしい経験
でした。その後、ドン・キホーテのスペインほか、何度かラボ・ライブ
ラリーの旅がおこなわれたようですが、あの研修の旅がハシリでした。
あの日々、ぶどう酒色のエーゲの海は見られませんでしたけれど、神々
や英雄たちが生きいきと活躍した海の深い青さはいまだに眼の底に残っ
ています。そして、早暁のクレタ島イラクリオンの港でケイコさんがホ
ロリと見せた涙も、忘れることができません。
【つづく】
Re:★水に流すこと、そしてまた、心の昇華と新しい蘇生と(03月30日) [ 関連の日記 ]
ケイコちゃんさん (2007年05月11日 00時42分)

 ギリシャにご一緒したばーばじゅこんさんからひろば@の私書箱へメッセー
ジを頂きました。がのさんからのご紹介だったそうで有り難うございました。
 そこで、近頃は、ひろばの方は開けもせず、書き込みもせず、訪問もせずの
状態だったのですが、お久しぶりに訪問致しました。

 相変わらず綺麗な花々にうっとりし、癒されます!
ギリシャの道ばたの石のすきまからシクラメンの花が咲いていたことを、教え
て下さった事も想いだしながら、どの写真にも見入ってしまいました。

 水に流すといえば、私も何かで、読んだことがあります。
昔から日本人は美しい山々に囲まれ、そこから流れ出した川で人々は水の恩恵
を受けて生活し、汚いものを流しても、そのころの水流はすべてを綺麗に浄化
する自然のちからを持っていたこと。又美しい滝もたくさんあり、人々は滝の
水で自分を打たせ、精神と肉体を鍛え、己の悪を祓いだす『禊』としていたこ
と--などなど---「水に流す」文化は奥深く日本人に入り込んでいたのだとい
うのです。
 政治家など、どんなに悪いことをしても、一寸だけ引きこもって、すぐ又
「禊が済んだ」とばかりにすぐ「水に流す」風潮は本当に最低です。

 ギリシャ神話の中の女のひとの生き方、いろいろと凄まじかったり、哀しか
ったり、又、興味新たに心動かされました。
 しかし、どこの国でも総じて女は強く、逞しく、優しく、美しいのでしょう
か。  ひとくくりに言ってしまうと何の深みも無くなってしまいますけど。
Re:Re:花がきれいですね。
dorothyさん (2007年05月05日 11時14分)

がのさん

トルストイの「復活」は読みましたが、渡辺淳一は
読んだことがありません。二人の清やかな雰囲気と
ライラックが印象深かったのを思い出しました。

レストラン「リラ」は薄暗く、シャンソンがかかって
いたようにおぼろげながら記憶しています。
松山にはリラはなかった、とも思いますが・・・。

シャンソンのリラの花を歌うものがあった、という
のも、おぼろげながらわかりますが、残念ながら
題名も曲風もわかりません。

お遍路さん、というのは、私の生活に比較的
普通に存在する旅人でした。普通は一番から
順におまいりしますが、あまりに深い業をもって
まわるお遍路さんは逆周りをします。
多くの遍路姿の旅人の背中を見送る中で、
遠くの向こうから、こちら向きに歩いてくる
お遍路さんを見かけるときには、思わず
合掌してお見送りをしました。
Re:花がきれいですね。
がのさん (2007年04月24日 21時06分)

dorothyさん

【その2】
> もう今では、私のことすら覚えていない、年老いた伯母との、楽し
かった数多くの想い出の一つが、この、道後温泉と「リラ」です。若々
しく元気で、どんなときでも頼れる存在だった母や伯母のことを思いま
す。
      ----------------------------
 大事になさっておいでの、dorothyさんの心をほかほかさせる記憶なん
ですね。
 わたしの道後温泉の記憶でもっともあざやかなのは、石手寺のあの長
い石窟(トンネル)でのこと。じんわりと湿った空気がよどむその暗がり
の片隅で、背をまるめてしゃがみこみ、一本のローソクを前にして嗚咽
している遍路すがたのご婦人のこと。こちらが声をかけて慰めてあげる
雰囲気にはなく、そっと見ぬふりをしてうしろを通りぬけるだけでした
が、愛していた子どもを病気か事故で喪った悲しみをどこにすてればい
いのかわからず、ただ泣くしかない、…そんな風情でした。ひょっとす
ると自殺を考えているのかもしれない、と思って胸に冷たいものがはし
ったりも。
Re:花がきれいですね。
がのさん (2007年04月24日 21時03分)

dorothyさん

【その1】
>「リラ」と聞くと、子供のころ、道後温泉に入りにいった帰りに立ち
寄ったレストランのことを思い出します。お店の名前が「リラ」。私の
小さいころ(多分幼稚園のころ)、伯母と、母や私たち家族で道後温泉
に通ったものでした。
     ----------------------------
 道後温泉の「リラ」ですか。花のリラ、ライラックといえば、北海
道・札幌の大通り公園、サクラのあとを追うようにして北国の街路を飾
る風光が想い浮かびますが、四国・松山にもリラの花はあるんでしょう
かね。どこかエキゾチックな紫の花房。
 どんな曲想だったか忘れてしまいましたが、シャンソンにリラの花を
歌うものがあったような…。ヨーロッパが春から夏へ向かう、いちばん
美しい季節を飾る花。わたしがまず思い出すのは、トルストイの「復
活」でしょうか。ここでのライラック(リラ)は紫色ではなく、白だった
と思いますが、カチューシャとネフリュードフのひとときの青春をつつ
む清い歓喜に寄せて描かれていましたね。花ことばが「初恋」「純潔」
だそうですし、なんだか胸が痛くなるような恋の思いがよみがえりま
す。
 が、それとはまったく対照的なのが、T.S.エリオットの詩「荒地」で
書かれているリラ。

  四月は残酷な月
  リラの花を死んだ土から生みだし
  記憶に欲情をかきまぜたり
  春の雨で鈍重な草根をふるいおこす
    … (略) … (西脇順三郎=訳)

 心が沈んでしまうほどに陰鬱で、第一次世界大戦のあとヨーロッパ全
体を覆った暗黒の雲と精神的な荒廃の象徴のように書かれているリラ。
 国内の作品では「リラ冷えの街」がありましたね。ほら、Dorothyさん
の愛読書(!?)「失楽園」を書いた渡辺淳一の作。お読みになりましたで
しょう。
【つづく】
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