Re:リンドバーグ
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がのさん (2006年01月26日 23時20分)
ドロシーさん 【その2】
わたしは「星の王子さま」という作品の秘密について、このホームペ
ージを開設して間もないころ(2年前の2004.1.15ごろ)、かなりのこだわ
りをもって書きました〔物語寸景2-1参照〕。ラボ・ライブラリーに
こんなのあってもいいのになあ、なんて思いもあって。多くの方に読ん
でいただき、このネットとは別の、川崎市のある文庫活動のなかで刊行
している機関誌に書いたわたしの論文を十数人にお送りした記憶があり
ます〔まだ数部ありますので、もしほしいという方がありましたらお知
らせください〕。
しかしこうしてみると、同じ飛行士の奥さんでも、コンスエロ・スン
シンさんとアン・モロウ・リンドバーグさん、ずいぶん違うものです
ね、人間の質、生きるたたづまいが。
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Re:リンドバーグ
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がのさん (2006年01月26日 23時16分)
ドロシーさん 【その1】
>数年前、「リンドバーグ 空から来た男」A.スコット.バーグ著を
読みました。「翼よ あれがパリの灯だ」の台詞は知っていたけれど、
それに続く不幸な出来事や、彼自身の心のありようなどをその本で知る
ことが出来ました。
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栄光のヒーローにはあまり興味がなく、チャールズ・リンドバーグ
(1902-74)のことはあまり知りません。すでにご紹介した奥さんのアンと
は2歳違いですが、誕生日が同じ2月4日(もうすぐですね)だというこ
と、父親はスウェーデン系の移民で、チャールズが栄光のどまん中にい
たときは下院議員だったそうですね。アンの「海からの贈物」には、夫
のことも、子どものこともほとんど書かれていません。わずかに妹のこ
とが少し。彼はウィスコンシン大学を中退しリンカーン(ネブラスカ州)
の飛行学校へ入り、卒業後はシカゴ―セントルイスの郵便飛行士をやっ
ていたようです。で、そこで大西洋無着陸単独横断の偉業を遂げるわけ
ですが、そのあとはパンナムの技術顧問をやり、その仕事の一環で北太
平洋航路の開拓に挑戦、1931年、妻とともに東洋へ飛んできています。
第二次世界大戦中は陸軍省の顧問、のちに単独飛行の回顧録『翼よ、あ
れがパリの灯だ』を刊行、1954年にピュリツァー賞を受けた、といった
ところ。
飛行士のロマンといえばサン=テグジュペリでしょう。高慢チキでわが
ままな(だれかさんみたい?)バラにすっかり嫌気がさして自分の星を飛
び出してしまう星の王子さま、すなわちサン・テックス。たいへん美貌
な中米エルサルバドル生まれの奥さんのコンスエロ・スンシンさん。ス
ペイン語圏の人特有の、情熱的でボヘミアン的な奔放さを持ち、虚栄心
強く浪費癖があり、美貌と印象のよさを鼻にかける八方美人。ちょっと
でも気に入らないことがあればトゲを向けるバラのような女性。
【つづく】
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Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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さちこさんさん (2006年01月26日 13時36分)
がのさんへ
総会が終わり知恵熱を出して寝込んでおります。。。
風邪だからと堂々と寝込んでいられるのをいいことに、
ちこさんから総会でお借りした「海からの贈り物」を読破。
私自身が「30代」「女」「主婦」ということもあり、
深くうなずける言葉の数々。
風邪が治ったら、ちょっと本屋さん行って買ってきます。
落合恵子さんのも。原書の方も。
これは「買って読む」本ですね。
本が開ききっちゃうまで精読する本だと思いました。
著者はスミスカレッジ出身なんですね。
現代より少し昔、上流階級で才能ある女性たちの悩みは、
慣習や伝統に縛られて今よりもっと深いものだったのでしょうね。
ジュリアロバーツ主演の映画「モナリザ・スマイル」、
スミスカレッジが舞台モデルだそうです。
精読してから、また感想をHPにUPしようと思います。
素晴らしい本をご紹介していただいてありがとうございました!
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紅屋の娘
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dorothyさん (2006年01月26日 07時51分)
ちこらんたんさん
ここ暫く、インターネット環境が悪く、
なかなか書き込みができませんでした。
ですから、もうすでに話題が収束している
かもしれませんが、一言加えます。
「紅屋の娘・・・」は、私は起承転結の
典型として、漢文の時間に習いました。
出典はわかりません。
ただ、漢詩で、五言絶句や七言律詩の
パターンとして、起承転結が存在します。
1.テーマを提示 (起)
2.提示したテーマを拡げる (承)
3.テーマと関係ないことを話題にする (転)
4.テーマと3.とを関連付けオチにする (結)
これとは別に、序破急、というパターンも
習いましたが、これは高等技術なので、
あまり詳しくは教えてもらいませんでした。
この起承転結は、論文を書く上でも役に立つ、
と教わりました。確かに、よい論述はおおむね
この技法がベースにあるように思います。
太古に(高校時代)習ったことで、
すっかり忘れていましたが、さび付いた
記憶をたどりました。
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リンドバーグ
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dorothyさん (2006年01月26日 07時43分)
数年前、「リンドバーグ 空から来た男」
A.スコット.バーグ著を読みました。
「翼よ あれがパリの灯だ。」
の台詞は知っていたけれど、それに続く
不幸な出来事や、彼自身の心のありようなどを
その本で知ることが出来ました。
自分の存在価値を必要十分に認識し、その役割を
きちんと演じきったいわゆる『男』だな、と
思った次第です。夫婦仲についても、記述が
あり、リンドバーグの悲劇の一面もそこから
伺えたような気がしていました。
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Re:Re:Re:Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2006年01月25日 22時30分)
サンサンさん
私たちは、あらゆる便利なものに囲まれていて、果たして幸せなのだろ
うか。すべての文明の利器を持たなかったとしたら、自分の力で生きて
いけるのであろうか。そんなたくましさを自分たちは持てるのか。子ど
もたちにそんなたくましい精神力と知恵を授けられるのであろうか。
がのさんの問いかけから、いろいろ考えていく必要性を感じました。
⇒ありがとうございます。ほんと、何を捨てることがシンプルライフな
のか、どこまで捨てればほんとうの美しさが見えてくるのか…。つまず
き、迷いつつも、ちこらんたんさんのように、なるべく考えないように
する、という方法もあるかも知れません。捨て去って自分だけ満足でき
ればいい、というものでもないようですし。清貧な生き方については退
職以来ずいぶん学んできたつもりですが、生来人品卑しいわたしはなか
なか欲と俗気が捨てきれず、ぜんぜんだめですね。
下のちこらんたんへの返信で、リンドバーグ夫人の思想の原点につい
ての追究を、あまり人の目のとどかない隅っこのほうでひっそりと、自
分の記憶整理のためにまとめておこうと云い、わたしのつまらないこだ
わりを皆さんに押し付けることは控えようと思っていたのですが、サン
サンさんのこの書き込みを見て、いやいや、これも少しはみなさんの活
動と生き方のタシにならないでもないかな、とおこがましくも思いた
ち、オモテ(日記)のほうで書くことにいたします。つまり、それは日本
人が歴史のなかで培ってきた伝統的な思想に行き着くようなんですね。
秘密は彼女のもう一冊の名著のなかにありました。また、だらだらとし
た長文になりましたが(800字のつもりで書きはじめたのですが)、一度お
目とおしいただけましたら幸いです。
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Re:Re:Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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サンサンさん (2006年01月25日 14時08分)
がのさん
はるか昔、学生時代に、社会学の先生が、私たちは日進月歩の社会の中
で、数々の便利な物に囲まれて生活していき、さらにいろんな物が発明
されていくでしょう。
でも、果たして人はそれで幸せになるのでしょうかという課題で話し合
いをする機械があったことを思い出すことがあります。
あのとき、若かったので、なぜその先生はそんなことを課題にするのだ
ろうか。
なぜ、文明の利器を利用することが不幸せにつながるのか。
そんなことはあり得ないのではないかと思いながら話し合いをしていた
ことを思い出します。
また、自分が高校生の頃、その当時青学の神学部で学問していた兄が、
今は常識と思っていることが非常識になることがこれからたくさんある
と思うよということを言っていたことも思い出しました。
さらに、パルバースさんの”Dreamtime”を思い出します。
私たちは、あらゆる便利なものに囲まれていて、果たして幸せなのだろ
うか。
すべての文明の利器を持たなかったとしたら、自分の力で生きていける
のであろうか。
そんなたくましさを自分たちは持てるのか。
子どもたちにそんなたくましい精神力と知恵を授けられるのであろう
か。
がのさんの問いかけから、いろいろ考えていく必要性を感じました。
子どもたちとのつながりは。。。
シンプルに生きているつもりでもまわりに物がありすぎるなぁと思った
り。
でも、基本的にがのさんの日記を読んでほっとしている部分がありま
す。
やっぱり、ありがとうです。
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Re:Re:Re:Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2006年01月25日 09時54分)
ちこらんたんさん
束の間でも母に子どもをあずけて出かけるってのは、勝手に思えるかも
しれないけど、私にとってすごく大事な時間なんです。まあ、束の間以
上あずけてるかもしれないけど・・・
⇒長い長~い“束の間”、煩悩多きちこたんにはもうしばらく蜘蛛の巣
にひっかかっていてもらうことにして、わたしのほうがひっかかってい
た問題は、きょうたまたま、きれいさっぱり解決いたしました。ヘッ
ヘ、気分爽快なので、そのことを書きます。だけど、書きだすと長くな
りそうだな~。どうしようかな~。
リンドバーグ夫人については、オモテのほうで少しばかり紹介しまし
たが、それ以外のことはあまり話題になることはありません。アメリ
カ・ニュージャージー州のウルグルウッドというところに生まれている
ようです。父は弁護士、母エリザベスは詩人であり教育家。アンが学ん
だスミス大学の学長をつとめたりしています。やはり、ハイソに育った
人なんですね。父がメキシコ大使になった年(1927)のクリスマス休暇
に、リチャード・リンドバーグに出会います。彼は大西洋横断飛行の成
功した直後の、まさに時代の寵児でした。ホリエモンなんて比じゃない
よ。その出会いはすぐに恋愛へ、そして翌々年(1929)、アンに23歳のと
き結婚。で、今度は若い夫婦で北太平洋航路開拓に挑戦していくんです
ね。日本にも来ます。
で、いちばん知りたかったのは、そうした彼女の経歴のどこで、古い
時代の日本人がいいそうな、「空白のつくりだす美しさ」を見つけたの
か、シンプルライフ指向の原点はどこか、ということ。だって、ほら、
アメリカ人といえば、ごく一般的には、派手な原色好み、ジャズに象徴
されるように騒々しくにぎやかなのが好き、ラフで、大きいこと、早い
こと、強いことがいいことだ、とする思考スタイルの印象があるじゃな
いですか。それとは対極にある彼女の美意識、価値観は、ただごとでは
ないように思えるんですよね。
アッ、原点はここだったのか! というものを見つけました、…けれ
ど、くどくなりますので、それに、みなさんにはそれほど興味はないで
しょうし、コーナーを改めて影のほうでゆっくり書くことにいたしま
す。
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Re:Re:Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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ちこらんたんさん (2006年01月24日 11時35分)
がのさん
反撃(言い訳?)にやってきました。
たしかに、今の状態で、一人でずっと海に・・・というのはできないんです
よね。
だから、もしかすると自分の本質や心の泉を分かっていないのかもしれ
ない。
でもね、今求めても手に入らないものが何かは分かっているつもりなの
で、なるべくそれを考えないようにしてるんです。
突き詰めてしまうと、多くのものを捨てなくてはならないから。。。
捨てていいものもあると思うけど、絶対に捨ててはいけないものもあ
る。
だから、束の間でも母に子どもをあずけて出かけるってのは、勝手に思
えるかもしれないけど、私にとってすごく大事な時間なんです。
まあ、束の間以上あずけてるかもしれないけど・・・チョークは加えさせて
ません(ーー;)・・・あしからず。
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Re:Re:★空白がつくりだす美しさを、日々の生き方に(01月20日) [ 関連の日記 ]
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がのさん (2006年01月23日 21時01分)
サンサンさん 【その2】
たとえば、そういうモノがまったくなかったら、テューターは子ども
たちとどう向かい合うのでしょう。ラボにも、実際、初期にはそれに近
い時代がありました。そんなときには、テューターはもっともっと創造
的だったように思うのです。子どもとの距離ももっとずっと近かったよ
うな。自分の体と心のなかにあるもの、確実にあるものを自分のことば
で語りかけたように思うのです、インターネットでバババッとかき集め
たような情報でなく。モノに恵まれてくるのと正確に比例して、人間は
だれしも、創造することを怠るようになってきました。家事において、
調理において、昔は、貧しかろうと裕福であろうと、女はどんなときに
も創造的だったのではないかと思うのです。子どもにおはなしを聞かせ
るといっても、ろくろく絵本もないですから、自分が父祖から聞いた
話、純粋に自分の心に深く残っている質の高い話を、口で語るしかあり
ませんでした。口承文藝のゆたかな流れはそこから生まれました。
そういう時代といまの何でもモノのそろった時代、どちらがよいかと
いう問いはナンセンスでしょう。もうわたしたちは後戻りすることはで
きないで、ここから歩くしかないのですから。
ですが、少なくとも、モノのない時空に生きた人びとのほうがいまの
わたしたちよりずっと創造的であった、創造的でないとやっていけなか
ったということは、その時代を生きた祖父母を持つわたしたちの記憶に
はまだ残っています。消えかかりつつありますが。一方、手のなかに入
ってしまう小さな携帯電話は、まるで魔法のツールで、これまでは考え
も及ばなかったようなこともチョチョチョッと指先だけの操作で簡単に
できちゃうといいます。そんなことで株をやり、汗をみることなく瞬時
にして巨万の富を築く人もいるとか。働く実感なんてなくていい時代に
なりつつあるようです。モノに囲まれ、便利さに溺れていると、ときに
は大もうけできることもあるかもしれないですが、その一方、確実に人
間の知性は退化していきます。自分で考えることをしなくなっていきま
す。人間の能力が、新しいツールをどれほどじょうずに操られるかによ
って測られる時代って、いい時代なのだろうか。
わたしたちはどこでバランスをとるべきなのでしょうかねぇ。
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