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小さな仕立て屋さんとグリムの「千匹皮」のドレス |
06月21日 (日) |
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ロッタが考えた令嬢たちのための三枚のドレス。
お日さまの光 月の光のドレス 虹のドレス、これはグリムの千匹皮で、自分に結婚を迫る実の父に娘が結婚の前に作ってくれと要求したドレスと二枚目までが一緒だなあと思い出しました。
グリムでは、一枚めはお日さまのような金色の服、二枚めはお月さまのような銀色の服、三枚めはお星さまのようにかがやいている服。そして千匹の毛皮の動物を少しずつあつめた毛皮のマント。虹と星の違いはあります。
王様は、娘の意図に反して、あきらめるどころか「その国にいる一番うでのよい娘たち」に、3枚のドレスをぬわせたそう。
ファージョンはもちろん、ロッタもこの話は知ってたのかも。
そして大きな仕立て屋さんはしらなかったでしょうね。
お姫様は動物のような毛皮をみにまとい、手足を墨で黒く染めて、みじめな場所でみじめな扱いを受けても、スープを作らせれば、コックのよりおいしく作る。
台所を抜け出して、大広間で踊れば、もとのお姫様にすぐもどれる。
身をやつしたくらいでは、根っこのところのお姫様らしさは消えないところに、ちょっとやそっとの経験では本質の美しさ、気高さは消えないとわかり、この昔話の信頼度の高さがあるような気がします。昔話の信頼度という表現がおかしければ、子どもが人生を信じ切って歩いていくよりどころが、しっかりこの話にはあるという感じでしょうか。
今、地区研修で取り組んでいる「小さな仕立て屋さん」とグリム童話のくらべ読みをしてみるのもおもしろいです。
星のドレスだったら、ロッタの涙は似合わない。でも虹のドレスだから、
And the Footman didn't even ask why,since tears seem natural in a rainbow,
という詩的な光景が見える表現がとれたわけですね。
昨年の夏の終わりに、イヤホンでこの話を聞いているとき、偶然、雨のあとにかかった虹を見て、この表現がすっと心にしみいったのを思い出します。
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