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ラボが生み出した「テーマ活動」の教育力 |
06月01日 (月) |
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ラボが生み出した「テーマ活動」の教育力を、もっと積極的に外へ発信できないものか。先日、大学母校の同窓会があり、教授、校長、教員、教育委員会、文科省研究官・・・と各教育界で活躍真っ最中の同期生達の話を聞きながら、「テーマ活動」の教育力を、端的に伝える術がなく、もどかしい思いをしました。もしかするとラボに通う高学年の子ども達も、友達にラボのことを伝える際、同じようなもどかしさを感じているのかもしれないと、あらためて気づきました。ここで、あらためてラボの「テーマ活動」の教育力について発信できればと思います。
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ラボ・パーティは、「ことばがこどもの未来をつくる」を合い言葉に、1966年(来年50周年)春に発足しました。「テーマ活動」という、グループの仲間とともに物語をことば(英語などの外国語と日本語)と身体で表現する教育プログラムを中心に据え、母語である日本語を大切に、子どもたちの英語(外国語)の力、想像する力、表現する力、コミュニケーションする力を育てています。
その特徴は、「物語」と「子どもどうしの対話、交流」を学びの柱にしたところにあります。ラボ・パーティの子どもたちは、世界の物語(神話、ファンタジー、戯曲などから厳選)を英語(外国語)と日本語で語られるCDで聴き、ラボ・テュ-タ-(指導者)のもとに週1回集まり、仲間と共に活動しています。
(中略)
「パーティ」という呼称も、ラボの特徴を表しています。年齢も経験も性別も違う個性ある子どもたちが、それぞれ物語について自分が感じたことをだしあい、仲間と共有します。5歳の子が物語の本質を捉えていることに中学生や高校生が驚かされることがあります。年少の子どもたちにとっても、憧れのお兄さん、お姉さんに認められ、ともに活動できることは大きな喜びになり、自信となります。
(中略)
私たちは、英語(外国語)教育を実践するにあたり「ことばは人間の心の表現である」という考えを原点としたいと考えました。従来の外国語教育では、知識を覚えることはできても、心の表現としてのことばを子どもたちが獲得することは困難です。そこで私たちは、母語習得と同一にはできませんが、それと相似した外国語習得システムをつくることができるのではないかと考え、「ラボ・ライブラリー」の制作と、それをもとに行われる「テーマ活動」の創出によって、大きな一歩を踏み出すことになりました。
(中略)【ライブラリーの質の高さは、ラボ・パーティのホームページで閲覧、試聴できます】
子どもがライブラリーを継続的に聴くのは、作品の魅力だけではなく、パーティの仲間と刺激しあっているからです。物語のテーマや登場人物の魅力、ふしぎに思うことなどについて、テュ-タ-や仲間とやりとりをし、互いに影響し合っているからです。
ライブラリーをよく聴くこと、その音声を同じように発してみることはテーマ活動の出発点でもあり、ラボ活動の全過程を通じて行われる基本的な活動なのです。
テーマ活動は英語(外国語)と日本語の二言語対応方式で取り組まれることが多いのが特徴です。母語である日本語と対比して聴くことで外国語の特徴と魅力に出会うことができ、外国語に触れることで日本語の特徴と魅力にあらためて気づくという作用もあります。二言語で物語を味わいながら活動した後、英語(外国語)だけでテーマ活動を行うこともあります。
言語習得に即していえば、子どもは、好きな物語を黙って聴く過程を経て、テーマ活動のなかでいえるところを心を込めて語るようになります。高学年になれば長い語りも堂々と語れるようになります。子どもはこのように成長し、現実体験を重ねるにつれて、海外ホームスティ先などのさまざまな場で、必要な言語運用能力を発揮していくのです。
(中略)
今日、子どもたちは国際化と情報化が進展するなかで、直接体験から生まれる発見と感動が希薄となっているようです。また傷つくことを恐れるあまり、多様な人間関係のるつぼに身を置くことをきらって、自己確立を避けているかに見えます。こうしたなかで、ラボ教育プログラムは、「物語」と「仲間との対話と交流」をその柱におき、考える力や想像する力、表現する力などを含む、広い意味でのことばの力を育てています。
私たちは、「よい物語に触れること」「異年齢での活動」「異文化交流の体験」を通し、子ども一人ひとりが本来秘めているエネルギーを触発することで、その計り知れない可能性を伸ばしていきたいと願っています。
(ラボ教育センター発行『佐藤学、内田伸子、大津由紀雄が語ることばの学び、英語の学び』より)
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上記のほかにも、「テーマ活動」の教育力には、自分の立ち位置を自分で決める、意思決定を促す教育効果もあると、感じています。
長くなりましたが、百聞は一見にしかずで、発表を見ていただくことが一番だと思います。
さらに、楽しい「テーマ活動」を思いっきり体験したあと、自然と、英語(外国語)を読みたくなったり、書きたくなったりしていく年代があります。この読み・書きを通して、子どもたちの言語習得体験が、より定着していくと、感じています。
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