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イマドキ現代国語 |
09月16日 (月) |
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・・例えば人が何かに影響を受けるとき、それが人でも作品でも、自分が「影響を受けたい」と思ったものから必ずや影響を受けられるというわけではありません。それは例えば、ある人やある音楽のことを「好きになろう」と思ったところで好きにはなれなかったり、「おいしいから」と人に勧められて食べてみて、いくら自分がそれをおいしいと思いたくても思えないというのと似ていて、肝心なところはいつだって、自分の意識じゃどうにもならないことがほとんどです。
作家、川上映未子さんのエッセイ、「ぐうぜん、うたがう、読書のススメ」が教科書に載っていた。それを知ったのもぐうぜん。
娘と「聴いてもいないのに、その話はなんとなく嫌だというのは、物語とせっかくの出会うチャンスを逃している」と、ラボのライブラリーとの付き合い方について話をしていた時のこと。
「それ、今日授業でやった」と娘がノートを見せてきたのだ。そこには、「なるほど!その通り!」とこぶしを勢いよく掌に打ち付けたくなる言葉が並んでいた。
エッセイの中には川上さん自身の読書体験から知りえた「人生における出会いのルール」のようなことが詰まっている。高校生にむけて、できるだけいまの自分から遠いところに手を伸ばして、(いずれは自然と近くにしか手が届かなくなるもの)どんどん遠くを触ってみてほしい。初見では何が書いてあるのかわからないようなものを、また、名作と言われているものを、ぜひ自分でそれを確かめるようにと伝えている。
つまらないと感じたとしても、何の役に立つのかわからなかったとしても、出会えた本や体験が後の人生でどのような効力を発揮することになるのか、どんな影響を受けているのかはわからない、私たちの肝心な部分はいつもそのような一回性にゆだねられている・・・と。
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