|
 |
 |
 |
 |
[一覧] << 前の日記 |
次の日記 >>
|
✦湧き水の清冽さ、若々しさで |
01月06日 (日) |
|
友人のお母さんを八王子のご自宅にうかがい見舞ったとき、
ぜひ持っていってくれ、と云って渡されたちぎり絵。
20点ほどあります。
88歳、米寿を迎えた病気療養中のご婦人T.G.さん。
若いころから俳句はぼちぼちやっておられましたが、
俳句をちぎり絵とコラボして表現するようになったのは、
70歳の半ばすぎから。
いかがでしょうか、この衰えを知らぬ新鮮な感覚。
木守り柿のような枯淡さと孤独のなか、
この若竹のようなみずみずしい、勁い感性をもっておられます。
いえ、俳人ではありません。画家でも書家でもありません。
ご主人をまだ若いころに喪って、3人の子どもをかかえて
さまざまなご苦労を舐め尽くしてこられた方。
いまはベッドに臥す身で無理ですが、1年ほど前までは、ボランティアで
老人介護施設の入所者さんたちにちぎり絵と書を教えておられました。
ちぎり絵や書もさることながら、慎ましい、清麗なその生き方、
自律的なその生き方が、施設で老いのときを養う人びとの多くに
鮮やかな印象と生きる喜び、表現する喜びをもたらしました。
「老いてもうだめ」「すぎてしまったこと」「生きるのに疲れた」なんて、
この人の前ではうかつに口にできませんよ。
|
|
|
<< 前の日記 |
次の日記 >>
|
|
|
|