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小澤俊夫氏講演会【昔話の残酷性】 |
06月20日 (月) |
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佐賀昔ばなし大学の講演会にてラボの評議員でもあり昔話の権威である小澤俊夫さん(世界的に有名な指揮者小澤征二さんのお兄さん)の講演会を聞いて来たので、紹介します。
昔話は人間が自然の中で付き合ってきたその様子を色んな面で語っているもの。
日本の昔話は、人間がどう生きてきたかをこと細かく語っている。
自然との関わり・・・動物・植物・天空
グリム童話とは全く違う。
(数年前話題になった「本当は怖いグリム童話」は、残酷な部分やエロティックな部分を強調して作り変えてくるもので、全くのでたらめである。あれを信じて子どもに読ませないで欲しいと言われていました)
☆昔話の残酷性
・・・まず事実を確認すること。
①人間は、他の動物や植物の命を貰って生きている。
昔話は弱肉強食。人間が動物として生きていくことから目を逸らさい。
②昔話は、実態を抜いて語る。(リアルには語らない)
③残酷を含めて伝えられてきた。
④残酷な話を聞いて育つと残酷になるということはない!
昔話の場面は、常に1対1で構成される。
語り口を壊さない。(語り口が大事)
・・・ 残酷な出来事はあるが、残虐には語らない。
昔話の鉄則として、主人公の命を狙ったり、奪おうとする悪者は抹殺されなければならない。
子どもの成長のプロセスでは、まず自分が大事!
~自分の領域を確立しようとしている。
昔話は、主人公がゴールで幸せになること。ゴールに至るまでの途中にいろいろな試練がある。
昔話は、子どもが成長するとはどういうことかを語っている。
知恵で乗り越えていくもの。知恵は生きていくうえで身に付けておく必要があるもの。
昔話が残酷だと言われだしたのは、高度成長期後。
高度成長で人間の生活が便利になり清潔になったが、自然から隔離することになってしまった。人間の生活は、自然と密着したものだった。
文明の発達により、生きる力が弱くなってきている。
*子どもは、自然に育つもの*
大人が不自然に子どもの周りから、残酷なものや危険なものを排除したり禁じたりするのではなく、小さいうちに虫の羽を取ってみたり、動物にいたずらしたり、残酷なことをやってみて、「かわいそうだな」という気持ちが生まれた時に、初めて子どもが気づいて克服するのがBEST。
幼い頃に子どもらしいことを十分にやらせてあげましょう!
昔話は、子どもと向き合う大人にとっても貴重なメッセージを与えてくれます。多くの昔話では、主人公が本当に助けを必要としている時に、援助者が現れて、的確な忠告を与えると消えているように、
大人はあれこれ口出しせずに、必要な忠告を与えたら、あとは黙って見守ることが大切です。
ラボの中にもたくさんの昔話があるので、夏休みに色々な昔話を親子で読んでみてはいかがですか?
以前から聞いてみたかった小澤先生の講演会。
80歳を過ぎていらっしゃるのに、お元気で聴講者に向けて、メモする時間をしっかり与えながら大事なことを何度も繰り返し話してくださるので、とても聞きやすく大切なことをしっかり確認することができて、とても良い時間を過ごせました。
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