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「英語で思いを伝える」発表の経緯 |
05月19日 (木) |
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4月17日、地震の無いことを祈りつつ東京中央地区の春の発表会を実施しました。
今回は、『十五少年漂流記Ⅳ話』を小学生以上のメンバー31名で、英語だけで発表しました。地区発表会で、単一言語の発表をしたのは、初めて。「テンポも良く、子どもたちが生き生きと発表でき、素晴らしい発表だった」と、子どもたちの頑張りを高く評価して下さる方が多くありました。その経緯を簡単に記録しておきます。
<テーマ決め>
テーマが決まったのは、2月上旬。冬休み中から『十五少年漂流記』の本を子どもたちは読んだり、CDを聴いたりはしていましたが、Ⅰ話からじっくりとⅣ話までを動き、各クラスで意見を出し合いました。Ⅳ話は、戦いもあって、パーティの元気な子どもたちにピッタリ、歌も歌いたいと人気があり、結論を出しました。
<合同パーティと役決め>
2月中旬、初めての合同パーティ。簡単なオーディションを兼ねた役決め。それでも、決まらない役もあり、混沌とした状態。ようやく話の流れもつかめたかな?という状況でした。
<英語単一へ>
そのような中、発表会プログラム作成上、所要時間を申請することに。Ⅳ話は歌を入れて40分ということに私も初めて気づき、練習時間のことを考えると、う~んこれはたいへんかもしれないと感じました。1月の研究会で、40分ものは長いので、英語だけで発表したという他のパーティの例を思い出し、子どもたちに提案してみました。
気になったのは、小学校低学年の子どもたち。それとなく「英語だけで発表してみない?」と持ちかけたところ、「うん、いいよ!」とあっさり了解。少し心配そうな子もいましたが、特に反対はなし。ところが、高学年クラスにもちかけたところ、意見が二つに分かれてしまいました。日本語がないと、見ている人が英語が分からなくて面白く感じてくれない。小学生の子達には、難しいのではないか。一方、英語だけに賛成の子どもたちは、二度同じ動きをしなくていい。日本語を覚えなくてすむ。20分で1回通せるのは、練習するときに楽。・・・まぁどれも消極的な意見でした。そこで、「英語で思いを伝えるのはどう?」と提案したところ、一人が迷い始めました。
十五少年漂流記のテーマは、一言でいうとチャレンジ!ならば、自分たちも英語だけでの発表にチャレンジしよう!(少し方向は違うかなと思いましたが)ということになり、英語単一を決めたのが、2月下旬。
<震災で合同練習が延期>
3月の待ちに待った合同練習直前に震災。まだテーマ活動が何もできていないまま、なんとか2度目の合同パーティ。物語ゲームを通して、とにかく新しく入ったメンバー、普段接していないメンバー同士が、名前を覚えて、仲良くなっていきました。3度目の合同パーティでは、タイトルの形と歌のところの話し合いがメイン。参加できない子どもたちも多く、とにかく集まれる子達だけで、物語に接するという感じでした。
<迷った挙げ句の合宿決行>
余震の続く中、万一のことを考えると合宿は中止にした方がいいと考えていましたが、子どもたちが、このような暗い事態の中、合宿を本当に楽しみにしていることが分かり、決行を決意。合宿で一からつくることに。
<テュ-タ-の失敗>
つくっていく中で、私がこだわっていたあるシーンがありました。こんな風にしたら素敵だろうなぁと、感じていたのです。ただそれを考え出すのは、子どもたちなので、私はじっと見守っていましたが、最後に、手を挙げて、意見を言ってしまいました。多数決でシーンを決めるさい、やはり私の出した案になびく子どもたち達が多く、その形に。しかし、あとで通した時に、本当につまらなそうにそのシーンを演じる子どもたち。
私は、初めて明らかな失敗に気づきました。
<2日目の決意>
2日目は、午前中9時からばっちり高学年がリードして取り組み始めました。子どもたちも集中しているので、私は、見て見ぬふりに徹しました。時々、のぞく程度にしてみました。心配なこともありましたが、子どもたちだけで、どんどんつくりあげ、拍手や歓声があがっているのを耳にしていました。
<お迎えにいらした保護者の前での発表>
2日目の午後、とうとう全体を通す時が来ました。初めてみる子どもたちがつくりあげたシーンも多く、私は感動してしまいました。子どもたちが生き生きとテーマ活動を楽しんでいるのです。子どもたちに教えられたと感じました。初めて音楽CDで通してみました。いくつか修正した方がいいところも、多く気づきましたが、本当によくやったと心から拍手を送りました。
2回目は、保護者の前での発表。合宿に参加できなかった9名分の台詞は、私が代役で英語を言っての発表でしたが、発表が終わった時、保護者の皆さんからもお世辞ではない拍手をいただきました。発表会16日前のことでした。
<合同練習はあと2回>
まだ練習にほとんど参加出来ていない子もいて、気持ちの上で物語には入れるのか、本当に心配でした。単に動いて言葉を語るだけでは、本人が面白くないだろうと感じていました。案の定、久しぶりに参加した子どもたちは、合同練習では、できあがった形についていくので精一杯。2回目の合同練習。場所が暑かったこともあり、なんだかぐたぐた。頭も皆、働かないような状況で終了。ついつい私も耐えきれず口を出してしまい、その結果、高学年の子どもたちが考えたプログラム通りに進まなくなり、悪循環に。私も反省しました。
<高学年の子どもたちの苦悩>
いよいよ発表会前日練習を残すのみ。高学年の子どもたちも、必死でその日をどう過ごすか、プログラムを練り直していました。まだ納得のいかないシーンもあり、高校生が、ノートに記録しながら、皆で考えているようでした。
前日練習は、黙っていようと!固く決意。ただCD操作だけは、手伝ってあげなければ、時間がなくて無理だろうと思い、CD操作に徹しました。
高学年の子どもたちも必死。途中、休み時間で、高学年の子どもたちは、寝ながら休憩をとらないとやっていけないほど、体力を消耗していました。その熱意に、小学生達も、一生懸命に取り組んでいました。完全な協力体制ができあがっていました。
そして最後に円陣を組んでエールをかけていました。最後まで、全員がそろうことはありませんでしたが、明日は成功できる!とそう確信した瞬間でした。
<発表会当日>
子どもたちは、堂々と発表。英語だけだったにもかかわらず、見ている人々に何かを伝えることができたのではないかと思います。
「勢いがあっていいね!見てて楽しい!これぞテーマ活動!という感じでした。」
「ことばも動きもきびきびしていて、何よりこどもたちが生き生きと楽しんで発表しているのが良かったです。」「楽しさが見ている側にも伝わってきた。」「テーマをよく理解して一丸となって取り組んでいてすごいと思った。」「小さい子たち(低学年の子達)が、しっかり自分の意思で動いていて、とても楽しそうな発表だった。」「帰ったら『十五少年漂流記』1話から全部聞いてみたい。」などの感想をいただくことができました。
全国のラボっこがそうであるように、子どもたちのもつ力が、いかに素晴らしいか!ということを伝えたくて、長々と記録を書いてしまいました。
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