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「明日香学」第五回~明日香(飛鳥)と万葉(1)~ |
11月10日 (火) |
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講師は飛鳥万葉文化館の井上さやか氏
万葉集(よろずの葉の集)→現存する最古の和歌集 1300年ぐらい昔。
万葉集以前にも和歌集があったが、残っていない。
(1)宮処としての明日香
宮処→天皇の住まいがある所
↓
都→天皇の住まい+一般の人も住む(京都)
①大君は神にし坐せば赤駒の匍匐ふ田居を都となしつ
大君(天武天皇)→大いなる男性→天皇(すみらみこと)
君→男性(いとしい男性)
神にし坐せば→神でいらっしゃる
赤駒のはらばうような田んぼ(深いぬかるみ)を都にした
都→飛鳥淨御原京(あすかきよみがはら)→一番地表に近い
復習:古代の都は同じ場所に都が出来ていた
飛鳥岡本宮→飛鳥板蓋宮→飛鳥淨御原宮
①の歌の場所はぬかるみではなかった→天皇の偉業をたたえたのでは!
②大君は神にし坐せば水鳥のすだく水沼を都となしつ
こちらは浄御原宮だけでなく別の場所のことを歌ったのか!藤原京も天武天皇が計画して作り始めた。
さて、ここで
~~~~~~~~~
万葉仮名クイズ(OOにあたる文字をなんと読むでしょう?
A 寒過 暖来良思 朝烏指 滓鹿能山尓 霞軽引
OOすぎて OOきたるらし あさひさす かすがのやまに かすみたなびく
B 若草乃 新手枕乎 巻始而 夜哉将間 二八十一不在国
わかくさの にひたまくらを まきそめて よをやへだてむ OOOあらなくに
C ・・・毎見 恋者雖益 色二山上復有山者 一可知美・・・
・・・みるごとに こひはまされど いろにOOば ひとしりぬべみ・・・
~~~~~~~~~
A 寒(ふゆ) 暖(はる)
良思→良く思う→らしい
朝烏(あさひ)→烏(やたがらす)→月の神の使い
滓鹿(かすが)→滓(しぼりかす)→漢字を音で使っている
B 二八十一(にくく)→9×9=81
音で漢字を連想!
C 山上復有山(いで)
山の上に又山あり(漢文)→出(いず)
漢文よみから→1つの漢字を想像する
その他
宮処(みやこ)→みや→御屋→みや→天皇の住まい
都(みやこ→訓読み→日本語の読みを当てはめた)
(と→中国の発音に近い→音読み)
~~~~~~~~~~~~~
③、④省略
⑤采女の袖吹きかへす明日香風都を遠みいたづらに吹く
采女(うねめ)→天皇のお世話をする人。美型・豪族の娘(身元重視)・かしこい人→才色兼備の女性
古代衣装
飛鳥時代→韓国の影響(チマチョゴリ風)
奈良時代→中国風
⑥飛鳥の明日香の里を置きて去なば君があたりは見えずかもあらむ
とぶとりのあすか→沢山の鳥が飛ぶような豊かな土地
飛鳥→万葉仮名(明日香の枕詞となる→万葉仮名→あすかとはよめないが、この1首から飛鳥は明日香と同じあすかと読まれるようになった)
*「飛鳥」と「明日香」
『万葉集』・『古事記』・『日本書紀』・では「飛鳥」・「明日香」・「阿須可」・「安須可」などと書かれている。現在の村名は「明日香村」だが、大字には「飛鳥」もある。1956(昭和31年)、旧高市郡坂合村・高市村・飛鳥村が合併した際に「明日香村」の名称が採用されたことによる。
(2)故郷としての明日香
⑦わが背子が古屋の里の明日香には千鳥鳴くなり島待ちかねて
作者長屋王の邸宅は現在のイトーヨーカ堂のあたり、都の門の近くにあった。
わが背子→親愛なる男性
妹背(恋人同士) 妹(女性) 背(男性)
わぎ妹→私の妹 わが背→私の兄(→男性同士でも親愛なると使っている)
⑧故郷の明日香はあれどあをによし平城の明日香を見らくし良しも
奈良町一体が元興寺(飛鳥寺・・法起寺)
このあたりを奈良の明日香と呼んでいたのでは?
続く
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Re:「明日香学」第五回~明日香(飛鳥)と万葉(1)~(11月10日)
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返事を書く |
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dorothyさん (2009年11月30日 05時40分)
万葉仮名の表記のおもしろさは、たくさんありますよね。
本文の例にあげられたとおり、81でくく、
やま、また、やま、これで山+山で出。
また、万葉仮名ではないけれど、
ひんがしののにかぎろいのたつみえてかえりみすれば月西渡
これで「つきかたぶきぬ」と読むのがどうも理解できなくて、
「どうして、つきにしわたる」ではいけないのか?
と疑問を持ち続けていました。ところが、最近になって
「月西渡」は「つきかたぶきぬ」と以前から読まれていた
らしいことを知ったと同時に、逆に
「東野炎立所見而」この読みが江戸時代までは
「ひがしのにけむりのたてるところみて」と
読まれていたらしいことを知りました。ますます奥が
深い万葉解釈です。
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