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絵本の力 |
09月12日 (水) |
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先週借りてきた柳田邦男さんの「大人が絵本に涙する時」と併せて、河合隼雄さん・松居直さん・柳田邦男さんの3人による対談集「絵本の力」を読んだ。
絵本の持つ可能性について、色んな角度からの話をと企画され、各々の絵本体験の講演と3人での対談という形でまとめられている。
河合さんは「絵本の中の音と歌」松居さんは「絵本がめざめるとき」と題し、編集者としてどう絵本を作っていったのか?自分の幼少期のお母さんとの絵本体験と少年期のお父さんとの美術館などでの本物の絵の体験、日本の古典や能、日本の絵巻への興味から実物と実地の体験など松居さんがどういうルーツから、どういうふうに仕事をしてこられたかが良く分かり、こういう人がいたから、今私たちは質の高いすばらしい絵本との出会いをたくさんすることができるんだなあとしみじみ感じました。
そして柳田さんは、57歳の時に息子さんを心の病から亡くされたショックからうつ状態にあった時に、ふらっと立ち寄った書店で絵本と出会い、絵本の深い語りかけを発見しのめり込むように絵本の世界にどっぷり浸り、「人生に3度の絵本体験を」と薦められている。「大人が絵本に涙する時」と重なる話も出てきますが、人生の後半に、老いを意識したり、病気をしたり、色んな人生の起伏を経験してきたからこそ、絵本の中から思いがけず新しい発見をしたり、その深い意味を読み取ることができる。生きていくうえで、一番大切なものは何かということが、絵本の中に書かれていると言われています。
3人の対談の中で、センダックの話題が出てくるところが印象に残った。大江健三郎さんの「とりかえ仔」という小説の圧巻の部分に、センダックの「まどのそとのそのまたむこう」を柱にして小説を書かれているそうです。大江さんは訳本を全然知らずにアメリカで見て感激して本の中で使ってあるらしいのですが、興味のある方は読んでみては?
「まどのそとのそのまたむこう」には、モーツアルトが絵の中に出てきたり、女の子がホルンを吹くと、ちょっと不思議なことが起こる。ラッパとかトランペットとかを吹くということは、ヨーロッパの文化では何か起こるということらしい。それって「もりのなか」の男の子や「ハメルンの笛吹き」とかやっぱり不思議なことが起こったなあなんて考えてしまった。
そして松居さんは、ブラティスラバの世界原画展の国際審査委員で行かれたときに、センダックも審査委員で来ていて、「ニューヨークに来るなら、ぜひ家にいらっしゃい」というので、センダックの家に招待され、センダックのお父さんとも会われたそうで、その時に「父が私が子供の時に毎晩、父なるアブラハムの話をしてくれました」というのを聞いて、「ああ、この人はポーランド系のイディッシュだな、ホントに深くイディッシュの文化を体験した人だな、それが、他のアメリカの絵本作家と違うところだな」と感じたそうです。
この本を読んで、色んな角度からのお話はとても興味深く、まだまだ勉強が足りないなあ、絵本の読みが浅いなあと反省。もっともっと子供たちに絵本を読んであげよう!中高生には、絵本を読んであげることが少なくなっているけど、大きくなった子にこそ絵本を楽しむ時間が必要だなあと思う。
最近は絵本を選ぶ時に、小さい子供たちに読んであげる絵本を中心に探すことが多いけれど、これからは自分が読むための絵本選びもしていこうかな?この本の中で出会った絵本も探して読んでみようと思う。
長い小説を読むには時間が必要だけど、絵本は短い時間に、その世界に入ることができるし、絵を楽しみながらどっぷり浸ることができるので、忙しい人にはぴったりですよね。
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マミーさん (2007年09月13日 01時17分)
秋田のまみいと申します。素晴らしいHPの内容に感心しました。
富永PのHPの松井直さんのメルマガをうちのPのプレイルームのおか
あさんたちにご紹介させていただけますでしょうか。よろしくおねがい
します。
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トミーさん (2007年09月13日 21時25分)
マミーさんへ
わざわざ書き込み有難うございます。もし私のHPの方で役に立つことが
あったら、何でも使ってくださってOKですよ。どんどん利用してくださ
いね。
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