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特集連載
第46回
ワクワクすることは世界中にころがっている

2015/4/10

斎藤 拓/さいとう たく

 斎藤 拓/さいとう たく
 元 青年海外協力隊(村落開発普及員として
2年間ルワンダ派遣)

 国際協力機構(JICA)より、青年海外協力隊員としてアフリカのルワンダに2年間派遣された斎藤拓さん。村落開発普及員(水・衛生担当)として、ルワンダの人々がきれいな水が飲めるよう、村人の井戸の維持管理能力の向上と衛生啓発活動に取りくんでこられました。現地の価値観とぶつかりながらも、アフリカの大地に実績を残した斎藤さんは、これからも海外に関わる仕事、国際貢献できるような仕事をしていきたいといいます。

「悔しい!」経験からの出発

高校1年の夏、ラボ国際交流のときに参加したアメリカのボーイスカウトのキャンプにて  私がラボに出会ったのは小学校5年生のときでした。目立つのが好きだった私は、テーマ活動が好きなラボっ子でした。そして高校1年生の夏に初めてアメリカのミシガン州にホームステイに行きました。よく学校でもみんなのまとめ役をやっていたので、周りからはしっかり者に見られていました。自分でも、いろいろな人と友達になれるしおもしろいことも言える。「俺、アメリカでも絶対楽しめる!」という根拠のない自信はありました。
 しかし、ホームステイの前半はホストの言っている英語がわからなくて、コミュニケーションがとれない時期がありました。ホストファミリーも仕事が忙しくて、なかなか相談もできませんでした。「こんなはずじゃなかったのにな……」。そんな時に母親から手紙が来て「あなたならうまくやって楽しんでいることでしょう」と書いてあったのを読み、涙が止まらなかったのを覚えています。
 結局、アメリカではボーイスカウトのキャンプなどに参加させてもらったり、ホストとも段々と話せるようになってきて、最後は楽しい思い出をつくることができました。しかし「もっといろいろ話したかった。悔しい」と日本に帰ってきてから思いました。私が海外にそれまで以上に興味を持ったのは、もしかしたらそんな悔しい経験があったからかもしれません。

青年海外協力隊でアフリカへ

派遣先のルワンダで井戸の修理を指導する筆者  ホームステイから帰ってきた後も海外には興味がありました。大学生の頃はラボ・パーティの有志の大学生が集まるカレッジメイトに所属して、ラボのホームステイのお手伝いをしたり国際交流に関するイベントを仲間といっしょに開催していました。そういった経験からいつしか私は「海外で困っている人の役に立ちたい」と思うようになっていました。
 そこで大学を卒業した後に国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊に参加しました。青年海外協力隊は海外で困っていたり、問題を抱えている地域に行き、2年間その地域のために仕事をするというもので、私はアフリカのルワンダへ行きました。ルワンダはアフリカ中央に位置する小さな国です。面積は四国の1.4倍ほどしかありません。そんなルワンダで水・衛生担当として町役場に配属されました。

ルワンダの首都キガリの街  ルワンダという国は水が比較的多い国です。別名「千の丘の国」と言われているくらい丘が多いです。山もあるし丘もあるから水が多いのです。しかし、キレイな水を飲めない人がたくさんいました。それは水道や井戸が壊れるからなのです。水道や井戸が壊れていて、川から水を汲んでいる人もたくさんいました。「キレイな水の方が良いのはわかっているけれど、井戸が壊れているからしょうがない」とルワンダの人に言われたので、「じゃあ自分たちで直せるようにしよう! みんなでお金を集めて、井戸を修理してキレイな水と健康を守ろう!」と村の人たちに伝えました。しかし問題は山積み、色々なことが起きました。せっかく集めたお金を持ち逃げしてしまう村長や、待ち合わせ場所に来ない村人たち、自分たちでやらずに「タダで直してよ」という村人たち、などなど。日本では考えられないことばかりでした。
 しかし、私は高校生の時に一回ホームステイで悔しい思いをしています。「必ずみんなにキレイな水がだいじだと思ってもらおう!」そんなふうに思っていました。そこで、まずは村人がどんな考え方をしているのかを知ることから始めました。これはラボのホームステイで身に付けた諦めない気持ちがあったからこそできたのだと思います。私が帰る頃には井戸を直す人もでてきて、お金が集まる村もちらほら出てきていました。私の出番はもう終わったと感じ、嬉しく思いました。

世界は広い。ワクワクする気持ちをたいせつに

 ルワンダは小さい国ですが、昔、有名になったことがあります。それは内戦です。長きにわたってふたつの民族が対立していましたが、一気に激しくなったのが1994年の4月です。ルワンダの大虐殺として知られている事件です。多数派のフツ族が少数派のツチ族に対して虐殺を行ないました。隣の家の人が襲ってくるなど想像もできないようなことが起こりました。3か月でその大虐殺は終わりましたが、100万人近くの人が亡くなったと言われています。
 私がルワンダに行った時は大虐殺から20年も経っていませんでした。それなのに、街はきれい、人は優しく、ルワンダ人同士仲が良い。そんな国になっていました。大統領がしっかりとして裁判も行なわれ、お互い許しあって、法律なども作られて、今のような国になったそうです。「アフリカの奇跡」と呼ばれるくらいに今は発展しています。でもはたして自分だったら家族を殺した相手を許せるでしょうか? 人間のすばらしさ、底にある優しさをルワンダに見た気がしました。
 本当にいろいろな国や文化が世界にはあります。そんな自分の知らない世界に飛び込んでいくことに私はワクワクします。ラボっ子のみなさんにもワクワクする気持ちをだいじにしてほしいです。国際交流でもテーマ活動でもキャンプでもいい。ラボのなかだけじゃなくてもいいと思います。いろいろな所に自分が興味が持てることがころがっていると思います。私も、これからももっとワクワクするものを見つけていきたいです。

おはなしをうかがった方
井手 和佳子
斎藤 拓(さいとう たく)
 1988年6月10日生まれ。小学5年生から大学4年生までラボ・パーティに在籍し、英語に親しみを持つ。高校時代は野球部に所属。高校1年の時にラボ国際交流ホームステイ(アメリカ・ミシガン州)に参加。ホームステイの経験から海外により興味を持つようになる。大学時は、ラボ・パーティの大学生活動に参加し海外への興味の幅を広げた。
 大学卒業後に、JICA(国際協力機構)の青年海外協力隊としてアフリカのルワンダへ2年間派遣。派遣先の村で、主に井戸の修理や修理法の伝授、手洗い指導を通して村人の生活向上支援に従事した。2015年1月帰国。
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