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特集連載
第42回
日本と韓国のかけ橋

2014/12/1

崔 偉鍾/チェ ウイジョン

 崔 偉鍾/チェ ウイジョン
 1977年に日本のラボ・パーティと韓国ラボのホームステイ交流がスタートしました。その後,両国間の諸事情により交流は中断しましたが,2001年より現在のラボ日韓交流が再開されました。その時から両国の団体の橋渡し役として交流活動に尽力くださっているのが,今回寄稿してくださった崔 偉鍾さんです。韓国,日本の両国での生活を経験されて感じた文化の違いや,ラボ日韓交流の魅力を語ってくださいました。

日本との出会い,ラボとの出会い

 10代のころファッションに興味があり,「荘苑」や「nonno」など日本のファッション雑誌が好きでした。ファッションの本場,パリで服装学を学びたい気持ちもありましたが,韓国から遠いこともあったので,KENZOや森英恵など世界で活躍するデザイナーがいて,距離も近い日本で学ぼうと,初めて来日しました。
 その後,パリへの憧れから大韓航空の客室乗務員となり,パリに行って本場のファッションショーを見る機会がありました。そこで自分には何かを作り出すクリエイティブな力がないことを思い知り,とても悔しかったですがファッションの道をあきらめることになったのです。
 結婚して再び日本で生活するようになり,長女3歳,長男1歳のとき日本語で,絵本の読み聞かせをしたいと思い始めました。そんなとき,新聞広告でラボ教育センターの存在を知りました。「ことばがこどもの未来をつくる」というスローガンは今でも覚えています。すぐに電話をし,説明会に足を運びました。日本語と英語が交互に流れるラボ・テープ(現在のラボ・CDライブラリー。当時は独自の再生機=ラボ機と専用のテープを使っていた)が気に入り,その日のうちにラボ機とテープを借りて,子どもとともに自分自身も成長していこうと決意しました。その後テューターとなったのもラボ・テープの魅力をより多くの人に知ってもらいたいと思ったからです。

日本と韓国の文化の違い

 みなさんは,日本と韓国の文化の違いと聞いて真っ先に何を思い浮かべますか? 今回はちょっと意外に思えておもしろい違いを紹介したいと思います。
 韓国では食事の作法としてお碗を手にもってはいけないとされています。日本のご飯茶碗は手にもって食べても手が熱くないように碗の下に受け部分がありますが,韓国のご飯茶碗は置いて食べることができるよう安定感があるように作られています。汁物碗も同様です。さじを主に使用する韓国では,汁物や鍋物のような汁がある料理文化が発達していて,箸は汁がなくてつまむことができる副食を食べるための補助手段として使用されてきました。一方,箸を主に使用する日本では,寿司や焼き物のようにつまんで食べることができる料理文化が発達しています。
 韓国の人と日本の人では,感情の表現方法にも違いがあります。韓国のドラマやニュースで,悲しいときに人前で大声で泣いたり,激しく怒ったりするようすが見られます。韓国の人たちは,喜怒哀楽の感情を直接的に表現する傾向があります。一方,日本の人たちは他人の前で泣いたり怒るとき,涙をこらえて感情を抑制する場合が多いです。また,韓国では,父母兄弟や友人など仲のよい人とのスキンシップを好む傾向があります。話すときに相手の手を握ったり,体に軽くタッチしたりもします。ことばだけでは全てを表現することができない感情をスキンシップを通じて伝えようとするためです。仲のよい女性同士が腕を組んで歩いたり,男性同士の場合でも久しぶりに会った家族や友人と抱擁したり握手したりする姿をよく見かけます。このように,韓国ではスキンシップが親近感の表現方法として自然に受け入れられていますが,日本では恋人の仲でなければあまりスキンシップをしません。その感覚の違いが,時々誤解を生むことがあります。韓国の人はスキンシップで親切な心を伝えようとしますが,日本の人たちは慣れていないため,びっくりしてしまい,お互い傷ついてしまうこともあります。しかし,文化の違いを知ってお互いを理解するようになれば,さらに親しくなることができるでしょう。

ラボ韓国交流の魅力―小学校5年生から参加できるホームステイ交流

 ここで紹介した韓国文化はほんの一例です。ホームステイを通じた交流は,観光とは異なり,異文化や他言語により自然に触れることができます。異国の地でことばが通じない人たちと一緒に暮らすことに不安を感じることもあるかもしれませんが,ホストファミリーは参加者を家族の一員として受け入れ,家族同様に大切にしてくれます。夜になって寂しくなってきた子には,日本の昔話を韓国語でお話してくれたホストマザーもいました。また,参加者とほぼ同じ年齢の子どもがいる家庭をホストファミリーとしてマッチングしているので,友だちを作りながらコミュニケーション力を養うことができます。ことばが通じなくても言いたいことを絵やマンガにして伝えることができた子もいます。コミュニケーションの方法はことばだけではないのです。そんな新たな発見もできるでしょう。見知らぬ人との出会いを通じて相手を思いやる気持ちや自立心が育まれ,日常とは異なる文化や言語に触れることで思考の幅が広がり,偏見もなくなるのだと思います。
 百聞は一見にしかず。みなさん,ぜひ自分の目で確かめてみてください。

おはなしをうかがった方
崔 偉鍾
崔 偉鍾(チェ ウイジョン)
ソウル市生まれ。
大学入学のため来日し,服装学を専攻する。その後,大韓航空客室乗務員に。ラボとの出会いは,自身も二児の母となったころ。「ことばがこどもの未来をつくる」というラボのスローガンが目に入った。子どもに世界の絵本との出会い,仲間との出会いを提供できる環境をつくりたいと,1985年にラボ・テューターになる。自宅でラボ・パーティを週3回開きながら,ラボ日本語教育研修所でステューデント・アドバイザーとして,さまざまな交流を支える。その後,ラボ・テューターから2001年に日韓ラボ青少年交流リエゾン(橋渡し役)となり,長い間中断されていた韓国ラボとの交流再開をサポート。現在もリエゾンとして活躍している。
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