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特集連載
第31回
ラボ中国青少年交流の魅力

2013/12/1

林淑英/リン シューイン

 林淑英/リン シューイン
 1986年3月の上海訪問からスタートしたラボ中国青少年交流は,1989年,北京で日中交流史上初の青少年ホームステイ交流を実現しました。以来,25年以上にわたり日本と中国の青少年による相互ホームステイ交流を続けています。
 今回は,ラボ中国青少年交流にそのスタート時から携わり,中国の学校関係者にホームステイ交流の意義を伝え,この交流を支えてきた「オフィス華林」の代表,林淑英さんに,ラボ中国青少年交流の魅力を紹介していただきます。

 こんにちは。林淑英(リンシューイン)です。東京にある,中国関係の旅行会社「オフィス華林」の代表をしています。ラボ中国青少年交流には第一回から携わってきました。ラボの中国青少年交流は,日本と中国の青少年交流としては,一番古く,長く,そして誇れるものだと思っています。この交流に20年以上にわたり関わってきた者としてぜひお伝えしたいことを書こうと思います。

ラボ中国青少年交流の始まり

 この交流の始まりは,『西遊記』の物語が,英語・中国語・日本語のラボ・ライブラリー(CDと絵本のセット)として発刊されたことがきっかけでした。ラボ教育センター発刊の『西遊記』の絵本には,北京在住の水墨画家,李庚(りこう)さんが力強い孫悟空を描いてくれています。当時,1980年代は,日本と中国との民間交流は始まったばかりでした。今のように何でもインターネットで検索できる時代ではなかったのです。
 「ホームステイ交流」についても,中国では「それ,なに?」という具合でした。ホームステイということばさえ,中国語では存在せず,あえて『民宿』と表記していました。当時の中国は,外国の文化というものに一般庶民が接する機会も少なく,いわゆる閉ざされた国でした。
 そうした時代に,「これからはアジアの国々と仲良くしなければ!」「隣の国,中国はどんな国?」と,日中の関係者が試行錯誤の末,各方面の方々のご協力で,ラボの中国でのホームステイ交流をスタートすることができました。
 ラボ会員参加者(小学校5年〜大学生)と現地の中国の青少年たち(中学生〜高校生)が,どうやって交流したらよいのかなどという心配は,始まってみれば杞憂でした。最初の対面式で,受入れ家庭の中国の中学生・高校生に紹介されれば,すぐにお互いに「ニーハオ」「こんにちは」と挨拶し,それからは,まさにラボ会員の子たちのペース。ホームステイを終え,帰る頃には,日本の子たちは「また来たい」とか「中国語を勉強したい」と口々に言ってくれました。また,受入れをした中国の中学生や高校生たちも,「日本へ行きたい」,「また会いましょう」と別れの時には,涙ながらに口にするのでした。

20年以上続くラボ中国青少年交流が育んできたもの

 こうした青少年どうしの交流がこれまで絶えることなく23年間継続されてきました。そしてこの交流をきっかけにして,多くの若者たちが日本から中国へ,あるいは中国から日本へと海を渡り,勉強や仕事を続け,日本と中国の架け橋になっています。
 先日第1回(1986年)のラボ中国青少年交流参加者の方にお会いする機会がありました。その方は現在,東京の「書道博物館」に学芸員として勤務されています。「中国交流で,西安へ行った事が今の仕事のきっかけになった」と,おっしゃっていました。当時彼女は大学生,私も20代でしたが,今ではどちらもキャリアウーマン?として,母として,お互いの再会を喜びあいました。
 また先週,元ラボ・テューターの方から突然電話をいただきました。「日本の大学に留学に来ている中国の留学生の故郷に行って大歓迎されました。日本の茶道や着物,文化などにすごく興味があって,現地の大学で200人もの大学生に抹茶をあげてきました。国と国との間はぎくしゃくしているけど,民間どうしがしっかりしていれば良い交流ができるのよ。リンさん,これからもよろしくね」と。そうです。報道されていることは実際のほんの一部分にすぎません。交流を望んでいる人々はどちらの国にもおおぜいおられるのです。一部の意見に惑わされず,交流を進めていくべきだと思いました。

この交流は参加する子自身の成長のため,
これから知り合う海外の友のため

 この交流は,「参加する子自身の成長のため,そしてその友だちのためにある」と思っています。これまで中国で多くのラボ会員,交流先の北京月壇中学,上海外国語学校の生徒たち,先生方,そしてラボ・テューターのみなさんたちが,大きな希望と夢とを持って,ホームステイ交流という体験を中国で重ねてきました。ラボでの交流は私たちが想像する以上に,日本と中国の間に根づき,大きな存在として華を咲かせています。お隣の国だから,とても近い存在だから,これからも仲良くしていきたいものです。
 ラボの先輩たちが育ててきた交流をぜひ後輩の皆さんたちが引き継いで,次の時代へと育てていってください。私は,二十数年のこの交流にさまざまなかたちで関わってきた人がみな,互いの国の人たちと仲良くしたい,この交流を育てていきたいと願い,今日まで継続されたことをとても嬉しく思います。そして私自身が,この交流を通して参加したみなさんに育てていただいたと,心から思っています。
 ぜひ皆さんにもこの交流の持つ楽しさや不思議さを体験してもらいたいと思っています。もうすぐ,その季節がやってきます。もし,行ってみようと思ったら,そう,「今です」。一緒に中国へ行ってみましょう。きっとあなたの中の何かが変わると思います。
 環境問題や,社会的問題,大きい国ですからさまざまな問題を抱えてもいます。でも来春も中国で,みなさんを待っていてくれる中国の友だちがいます。毎年,ラボの青少年とホームステイ先の中学生・高校生との対面式をわくわくして見ています。緊張して泣き出しそうな子,ものすごく日本語がうまい中国の子,色々な子どもたちが胸がはち切れそうなくらいドキドキしながら出会う瞬間です。そんな場面に立ち会い,思わず心の中で「頑張れ!」と叫んでいます。短い日数ですが,中味は濃い交流です。日本語を勉強している子が受入れホストですので,小学校高学年でも「交流する気持ち」さえあれば大丈夫!ぜひチャレンジしてみてください。
 来年3月,たくさんのみなさんとお目にかかれることを期待しています。

おはなしをうかがった方
林淑英
林淑英(リン・シューイン)
1957年 島根県生まれ
1975年 京都外国語大学中国語学科入学
1979年 卒業と同時に中国関係旅行社勤務
1989年 (株)オフィス華林設立
中国をはじめ海外渡航歴約350回
 ラボ中国青少年交流は,毎年春休み(3月下旬)に実施されます。第29回となる2014年の交流(訪中)は3月21日(金)〜29日(土)に行なわれます。上海で3泊,北京で3泊のホームステイを予定。参加資格は新小学校5年生以上のラボ・パーティ会員とその保護者,ラボ・テューターです。2014年参加の申込み締切りは,1月31日です。
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