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特集連載
第21回
日本は海外交流を促進して新たに蘇る

2012/11/1

1972年,第1回ラボ国際交流。当時は「ラボ海外旅行」という名称でした。

 清水義次/しみず よしつぐ
 1972年にスタートしたラボ国際交流も今夏で41回目を数えました。今年の参加者のなかには、かつて自分の母親がラボ国際交流でホームステイした家族の家に、数十年の時を超えて滞在し親子二代で家族どうしの友情を育んだ子もいました。
 今月の特集は、1973年にジャーナリストとして第二回ラボ国際交流に同行された清水義次氏の寄稿です。
 清水氏は朝日イブニングニュース社で記者として活躍、その後「朝日ウィークリー」の編集長、「英文朝日」編集部長などを歴任され、早稲田大学、明海大学で講師を勤められました。 また、今年29回目となる「ラボ写真コンテスト」では第一回より審査員を務めていただいています。

清水氏は編集長時代に、各国の要人と会った。写真はカナダ大使ご夫妻と。  2012年の夏も,ラボ・パーティで学ぶ多くの中学生・高校生・大学生たちが,アメリカ・カナダ・韓国・オーストラリア・ニュージーランドなどの諸外国で現地の人びとと親しく交流してきた。現地の人びとと生活をともにしながら,日本とは違う生活様式を学んできた。ラボ・パーティが40年にわたりすすめてきた「青少年の国際交流の意義」とは「参加者が外国での生活を現地で体験できる」ということである。参加した青少年はこの海外生活(ホームステイ)体験を経て「世界各国の動き」に関心をもつようになる。

1973年 始まったばかりのラボ国際交流に同行

1973年,はじめてアメリカから青少年が来日  1973年,私は前年に始まったラボ国際交流プログラムに同行する機会を得て,ラボ会員たちとともに渡米した。50人ほどの中学生たちと東京・羽田空港から出発,到着地はSan Francisco。私の姪(中学生)も参加者の一員だった。中学生たちが夏休みに米国に行くのは,当時はたいへん珍しいことなので,マスコミ各社が報道していた。
 ホームステイ先はSan Franciscoよりかなり北部のいなかにある牧場だった。中学生たちはその牧場で乗馬や散策を楽しんだ。海岸沿いの列車で遠い北の町や村へ旅し,農家の人たちと楽しく談笑したり,山登りなどでアメリカの美しい風土を味わったりした。
 いまでこそラボ国際交流は,約一か月間ひとりで受入れ家庭に入り生活するが,交流が始まったばかりの当時は,参加者が団体で行動する期間も多く,数週間後にはホームステイ先を離れ,バスでLos Angeles,さらに近郊のAnaheim,そしてLong Beach,メキシコMexico国境の都市San Diegoまで旅行した。
2011年。ラボパーティーでのワークショップ。みなで世界で一つの地図作り。  その後しばらく経ってから,毎年夏休み後にラボ会員が海外や国内で撮影した写真を応募するラボ写真コンテストが行なわれるようになり,私もその審査員になった。以来30年近くこのコンテストの審査に携わってきた。子どもたちの海外での夏休み風景を見ながら,「彼らの外国人たちへの思いはどのようなものか」について考えてみたい。


10代のころの国際交流体験が世界への眼差しを育む

 10代の頃,夏休みを海外で過ごす体験をすると,彼らは高校生・大学生・社会人へと成長するときに,諸外国の動きに深い関心をもつようになる。その結果,新聞・テレビ・ラジオなどの英語ニュースにも関心をもつようになり,語学力を急速に向上させてくれるようになる。ここで「学習の意味」を把握するようになる。そうして育った青年は卒業後に就職すれば,自らの仕事場として海外をも視野に入れるようになる。ラボっ子たちがこうして成長し,世界各国で仕事を続ければ,英語だけにこだわらず,もろもろの外国語をあれこれ学び続けて,やがて文字通りの「国際的な日本人」に成長する。ラボ・パーティが構想し,地道に続けてきた諸外国との交流とは,まさに戦後60年以上にわたり地球規模で人類の平和と相互理解を促進してきた国際連合の基本概念にあい通じるものがある。それは世界平和への祈願である。
 これまで諸外国でホームステイを経験してきたラボっ子たちは,現地でさまざまな生活風景を写真で撮影してきた。現地のホストファミリィもラボっ子たちといっしょにそれぞれの生活風景の中で写真を撮られてきた。こうした海外生活は中学・高校・大学を卒業し就職してから,「さまざまな外国人との交流が奥深いものだ」と意識するきっかけになる。
明治維新の前後に急変した日本人は西洋諸国との交流で,激しく学問・経済・芸術・生活様式などを導入してきた。現代人はぜひとも当時の日本人の積極的な国際交流を見直してほしい。全国のラボ・パーティで,来日する外国の友人たちと親しく語り合い,交流を推進していただきたい。

おおいに試行錯誤を!

 試行錯誤="trial and error"とは「新しい状況や問題に直面して解決する見通しが立たない場合,いろいろ試みては失敗を繰り返すうちに,偶然成功した反応が次第に確立されていく課程」である。つまり,学校で国語・数学・理科・社会・体育などさまざまな学問を学び続けているとき,誰もが「試行錯誤」を続けており,その結果,「つねに物事を思考する」能力を心身に養い続け,やがて新しい仕事に参入,つまり就職するわけである。それから各自は自ら「教養ある人格」を育てていくのである。
 ラボは海外諸国との交流を重視してきた。いま日本は中国や韓国などの近隣諸国との関係がむずかしい状況に陥っているので,日本はこれまで以上にアジア諸国との関係も重視しなければならいない状況である。ラボは中国,韓国ともホームステイ交流を重ね,人と人の絆を結び育んできた。今後,台湾・インド・インドネシア・パキスタン・ミャンマーなどのアジア諸国とも交流を深めれば,さらに多くのアジア諸国が交流促進の声をかけてくるだろう。それを期待したい。

おはなしをうかがった方
清水義次
清水義次(しみず・よしつぐ)
上智大学文学部新聞学科卒。朝日イブニングニュース社に入社。
「朝日ウィークリー」編集長、事業部長、「朝日イブニングニュース」編集委員、「英文朝日」編集部長を経て、早稲田大学講師、明海大学講師。
著書に『英字新聞を読む』(丸善ライブラリー新書)等。
29年間「ラボ写真コンテスト」の審査委員をつとめている。
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