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ラボ教育公開シンポジウム(in パシフィコ横浜)12月2日(土)
*C.W.ニコル記念講演「子どもの未来は、環境と教育にかかっている」
~心がふるえる外国語との出会いとは?物語の力~
日本に最初来たときは、日本は子どもの天国だと思っていた。
子どもたちが、野や山で思いっきり遊んでいた時代で、
雑木林の中でミンミンとうるさい音が聞こえてきたが、何の声か最初分からず、
子どもに聞いたら“せみ”だよと教えてくれた。
言葉として“cicada”ということは知っていたが、本物を見たのは初めて。
イギリスには、へびは2種類しかいない。
冒険と格闘技で過ごしていた青春時代から、
子どもが生まれ、生きなければいけなくなった時、
ただ言葉を教える英会話教室で働きたくなかった時に、ラボと出会う。
物語を通して、英語を覚えさせるのではなく、感じさせることに共感。
北極のイヌイットで、色んな物語を聞いていたとき、
自分も西遊記をイヌイットの言葉で教えてあげた。
ことばを覚えるには、物語が一番良いと思った。
日本で初めて出版したのが「たぬき」とても自由に書かせてもらった。
他の出版社では制限されて書けなかっただろう。自分を作ってくれたのはラボ。
◎物語を作る。それを伝える。そして子どもたちが表現するテーマ活動。本当に楽しかった。
◎原作と翻訳が一緒にできる仕事は、本当にめずらしいこと。
◎“日本の自然を子どもたちに返そうよ!”
◎ことばは環境、環境がわれわれを作る。
◎物語の中の自然、おはなしの中の自然を子どもたちに、たっぷり見せて欲しい。
◎森は、“神様の手”
*鈴木孝夫基調講演「今、なぜ母語なのか?――母語力と外国語力」
C.W.ニコルさんとラボで知り合ったのが、今回が初めて。自分も長野に住んでいるし、昔から捕鯨に興味があった。
今80歳で、もっと前に知り合いたかった。
元東大教授の服部四郎さんに導かれて、ラボの創成期に活動。
その後、疎遠になっていたが5年前に松本会長に再会しラボでの講演等で各地に出掛けている。
そこでは、3世代ラボで活動しているというのが日本中あちこちにいることがめずらしくない。
日本の子どもたちの心の母港が無くなってきていることへの危機感
→ 怪物、かいじゅうになっている子どもたち(機械に囲まれて暮らしている)
昔は、せみ・小川・森・草原・ちょうちょにとんぼなど周りにたくさんあった。
◎根が無くなっている → 機械化され、無生物のコンクリート、心のない時代
◎命の食べ物の中で学び取ることの大切さ。自然の恵みに対して、無知になっている。
◎人間という動物が健全でなければ、外国語なんて必要ない。
◎ことばの教育であるラボにとって、ニコルさんはかけがえのない人である。
→ 子どもを非難する前に、子どもが育つ環境を作ることが大事。
ラボは、子どもの心の健全な発達に必要な教育
◎子どもの心の母港を与える。(縦長での活動やつながり)
→近代的な時代で、子ども(家庭)に欠けているものを補っている。
子どもの心がしっかりしているところに、日本語がマッチした物語を使う。
その上で、英語がかぶさってきている。 → ことばが育つ
◎ラボに行くと、子どもが正しく育つ。学校や家庭ではできない活動をしている。
◎「国家の品格」で有名な数学者の藤原正彦氏も、
日本人ならば、母語である日本語をしっかりしておくことが一番。
→人間の基本は、母語。
人間と人間が、ことばでもって繋がっている。
ことばで相手を良い気持ちにして、良い方向に向かっていく。
◎自分というのは、世界で一人しかいない。自分の貴重性を認識すること。
今や教育崩壊の時代に、ラボはこれからの日本と日本文化を支える柱のひとつであり、貴重な運動だと確信しています。
『今こそ求められるラボ活動で育つ力』ラボOB・OGアンケートによる研究結果報告
* 田島信元(発達心理学)
ラボのことを、一般の出版社から堂々と出版できることが非常に嬉しい。
◎ことばが人間の発達に8割くらい関わっている。
◎英語教育が人間教育といえるのは、ラボだけである。
人格教育を通して身につけるもの。母語のように、英語を身につける第2言語教育
(日本にいながらにしてできている所は、ラボだけ)
◎言語力は社会力―― フルに活用して、いろんな人とコミュニケーションしていく力
◎自尊感情が素晴らしく良い(ラボOB・OG 対 非ラボっ子郡との比較)
◎人間教育としてラボに関わってきたラボっ子OB・OGたちは、
ラボっ子時代に自覚していなかったかもしれないが、素晴らしい力が備わっている。
◎現在、ラボ活動の最中にいるラボっ子とその保護者に対しても、
自分たちがやっている活動の意義について意識化し、活動してほしい。
* 門脇厚司(教育社会学)
◎人間を育てるということに、力を注いできたラボ活動の教育的意義と価値に関心を寄せるようになった。
ラボは、人間にとって最も大事な社会力を育てている。
◎社会力とは、様々な人たちといい環境を作りながら、自分の能力を自分の意思や力で社会に発揮する力。
◎相手に関心を持つ。相手のことを理解する―― 社会力をきちんと身につける
◎まっとうな人間になるためには、
様々な人たちとことばを交わしながら、好意の交換をすることが大事 |
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