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松本侑子さんの「赤毛のアン心がきれいになる言葉」のメルマガより
アンの愛情の心がきれいになる言葉
~アンシリーズ第3巻『アンの愛情』から、ステキな文章を選んでお贈りします~
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「事がうまく運べばいいけど」プリシラが冷静になって言った。
「うまくいくように、私たちがするのよ」アンがきっぱり語った。
第10章「パティの家」より
"I hope things will go right," said Priscilla soberly.
"We must MAKE them go right," avowed Anne.
Chapter 10 "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery
『アンの愛情』は、アンが、プリンスエドワード島を離れ、
本土の大学に進んだ4年間を通して、女性として成長していく姿を描いた美しい小説です。
アンは、「パティの家」という一軒家を、女友だち4人で借りて、
共同生活をしようと計画します。
しかし、いくら仲良しとはいえ、生活習慣、金銭感覚が異なる友人との暮らしに、
プリシラは不安をおぼえます。
それに対してアンは、自分たちの力でうまくいくようにするのだ、
そうしなければならないのだと、はっきり言います。それが今日の言葉です。
私たちは、なにか難しいことをするとなると、
「うまくできるかしら……」と、やってみる前から、心配になります。それは当然のことです。
でも、そこで自分の可能性をわけもなく否定してしまうと
「大変そうだ」「気が進まないなぁ」と、気持ちが後ろ向きになります。
すると「どうせやっても、失敗するだろう」とか「かえってみじめな気持ちになるだけだ」
「手間ばかりかかって、結局は、骨折り損かも……」と、
どんどん自分の未来を、根拠もなく(!)、悪い方へ決めつけてしまいます。
しまいには、「やっぱり今日始めるのはやめよう」「もうイヤだ」と
いつまでもしないままなのです。
それだけならまだしも、ますます自分がイヤになってしまい、気持ちが混乱し、
途方にくれてしまうのです。これは、良くありません。自分がかわいそうです。
アンのように、「自分で、物ごとがうまくいくようにするのだ!」と
気持ちを奮い立たせること、自分を信じることも、時には、大切です。
あなたは今までにいろいろなことを、してきたのです。
すべてに失敗したわけではありません。うまくできたこともたくさんあります。
だから今、難しく感じられることも、失敗するとは決まっていないのです。
それがわかれば、「どうすれば、うまくできるかな?」と、
解決策を考える気持ちの余裕が生まれます。
「何から始めようか。どんな手順で進めようかな」と段取りを考える冷静さも取りもどします。
人は誰しも、弱い心を抱えていて、不安になったり、億劫になったり、落ちこんだり、自信をなくしたりします。
でも、そんなあなたを本当に励ますことができるのは、ほかでもない、あなただけです。
深呼吸して、リラックスしてください。
明日という未来は、まだ誰によっても決められていないのだと安心して、
自信をもって、ゆっくり、少しずつ、始めてみて下さい。
あなたの難しいことは、きっと、うまくいきます。
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『至高の高みにまで駆けあがる者は、最低のどん底にも沈みうる、
さらに喜びをこの上なく激しく味わう者こそが、苦しみも骨身にしみるほど辛くこうむるのだ。
『アンの愛情』第6章
"........ who can soar to the highest heights can also plunge to the deepest depths,
and that the natures which enjoy most keenly are those which also suffer most sharply."
from "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery 』
春がやって来ました。地上にも私たちにも、春が訪れました!
それなのに、深い悲しみ、先の見えない悩みを抱えている人、がっかりして、落ちこんで、
自分がすっかり厭になっている人もいらっしゃるかもしれません。
さて、ここにあげた文章は、アンの性格について、モンゴメリが表した文章です。
モンゴメリが書いているように、深く傷つく人は、それだけ喜びを味わう心の奥行きも深く、
幸福も最高に楽しめるのです。
きっとあなたは、アンと同じように、喜怒哀楽を感じる心の奥ゆきが深く、
感受性がゆたかにちがいありません。
もし深い悲しみを感じたら、今あなたのなかにある喜びとしあわせにも心を澄まして、
ゆたかに感じとってみてください。
喜びも哀しみも人一倍みずみずしく感じとって、一度しかない人生の今日を、生きてください。
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「良心って何? 知りたいな」
「デイヴィの中にあるものよ。間違ったことをすると、いつも良心が教えてくれるの。
それでも悪いことを続けると、嫌な気持ちになるの。気づいたことはない?」
デイヴィとアンの対話 『アンの愛情』第13章
『赤毛のアン』ではマリラかアンをしつけていましたが、
『アンの青春』と『アンの愛情』では、アンがデイヴィを教育します。
悪いことした子どもを頭から叱りつけるのではなく、子どもの中にある「良心」、
つまり「正しいことを求める心」に気づかせていくアンの問いかけは、
本当にすばらしいものです。
どんな子どもにも「良心」がある。
だからこそ、子どもたち本人に自分の「良心」に気づかせ、引き出し、
伸ばしてあげることが、大人の役割だと思います。
そして大人になっても、自分のなかにある良心を鈍磨させずに、
ぴかぴかに磨いていたいと思います。
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「多少の試練と悲しみがなければ、
人生は、いい具合に発展することも円熟味を増すこともできないの、それは確かよ」
『アンの愛情』第6章 アンの台詞
" I'm sure no life can be properly developed and rounded out without some trial and sorrow"
from "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery
どんなに幸せそうに見える人でも、他人には言えないその人だけの苦労が、必ずあります。
でもだからこそ、その人の人生は、輝いて見えるのかもしれません。
あなたが今、大変だと感じている試練と悲しみが、あなたを羽ばたかせ、成長させ、
人生をゆたかにするのです。
アンは、「それは確かよ(I am sure)」と言っています。
なんだか、アンとモンゴメリに、励まされているような気持ちになります。
だから、もう少し、がんばってみてください。 |
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