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*アンソニー・ブラウンの絵本紹介*
2000年にアンソニー・ブラウンは、子供の本のノーベル賞といわれている国際アンデルセン賞画家賞を受賞し、
絵本のポストモダン作家として世界をまたに駆けて飛び回っているいまもっともNOWな作家である。
アンソニー・ブラウンが描く絵本は、これまで私たちがみてきたかわいいイラストの『絵本』とは少し違って、
一つ一つの絵がとてもリアリティーに描き込まれている。
物語を淡々とすすめ、かつテーマ性よりもストーリーのコミカルさ、
絵の中に隠された各所の遊び心に重きが置かれている。
アンソニー・ブラウンの本、読む人によって好き嫌いがあり興味深い。
ちょっと紹介すると、
「こしぬけウィリー」「ウィリーのともだち」「ボールのまじゅつしウィリー」
「ウィリーの絵」「クマくんのふしぎなえんぴつ」「くまくんまちへいく」
「森の中へ」「シェイプ・ゲーム」「どうぶつえん」「どうぶつゆうえんち」
「うちのパパってかっこいい」「ナイトシミー 元気になる魔法」
「とんとんとん!とをたたくのはだあれ」「こうえんのさんぽ」
「こうえんで・・・4つのお話」
その中から、いくつか紹介
「こうえんで・・・4つのお話」
内容は、4人の人びとが、ぐうぜん公園に集まりました。
ごうまんな婦人に、失意の男の人、さびし気な少年、
そして、出会う人みんなを明るい気持にさせる、元気いっぱいの女の子。
4人はおのおの、ひとつの出来事を、自分の見方で語ります。
つまり、私達は、4人の登場人物の性格が投影された、4つの物語を聞くことになるのです。
また4人の心情は、季節や背景の変化としても描き分けられています。
さまざまなしかけを織りこみ、多くの示唆と芸術性に富んだ絵本です。(ブックレビューより)
私はこの絵本から、同じ出来事でも語る人によって全く違ってくる、
色々な立場で考えることの大切さみたいなものを読み取ってくれたらなあと漠然と思っていましたが、
子どもたちはそんなことはお構いなし、絵本の中のさまざまな仕掛けを見つけて楽しみました。 読み返すたびに新しい発見があってかなり面白い。
「ウィリーの絵」
ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』、ミレー『落ち穂拾い』、ゴッホ『ひまわり』…
数々の名作をパロディったり、密かに絵のどこかに仕込ませてあったり……
という非常に楽しい絵本
「シェイプゲーム」
彼が2001年6月~2002年3月まで、ロンドンのテート美術館で、教育委員会との共催で、
ロンドン市中心街の小学校の大勢の子供たちに絵の基本的な見方を伝えるという仕事をし、 そのときの子供たちが絵を見たときにどのように反応するのかを知って、
そこに集まった子供たちや先生と一緒にワークショップ(シェイプゲーム)を行い、
この絵本が生まれたそうです。そしてその試みが、彼の生き方そのものを大きく変えるきっかけになったそうです。
(う~ん!!やっぱり子供の力ってすごい!)
「森の中へ」
ある日朝起きてみたら、突然パパがいなくなってた。いつ帰ってくるのかママも知らないって! 不安な気持ちを抱えたまま、少年は病気のおばあさんのお見舞いにケーキを持って森の中へと入っていきます。
森の中を歩いていくと、少年の前に、雌牛とケーキを交換しようと言う男の子や、
ケーキを横取りしそうな女の子と次々に昔話に出てくる主人公たちが現れます。
そして、最後におばあさんのうちにやっと着いてみるとそこには・・・
昔話の記憶は、不思議なエネルギーを発して、私たちが困った時に助けてくれるのかもしれません。
さて、どのくらい不思議なものを見つけられるかな?
この絵本は、アンソニー・ブラウンならではの仕掛けがあちらこちらに散りばめられて、
たくさん昔話を知っている人ほど楽しめる絵本です。 |
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