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“本物の学力” ―勉強する前に読む本より― (健康新聞すこやかより転載)
本物の学力は、偏差値だけでは測ることはできません。生活体験を通した「隠れた能力」が本物の学力を作っています。
*親子のふれあいが大切
―親子関係が上手くいっていると、生活体験は豊富になる―
親子のふれあいと生活体験とは、密接な関係があります。小さい頃から親子関係が上手くいっていると、親子のコミュニケーションは活発になり、言語能力の発達も早くなります。さらに、いろいろなところに出かけて、外で未知の体験をしたり、室内では親子でゲームをしたりして一定のルールを知ることは、本物の学力を身につけるにはとても大切なことで、「隠れた能力」と言っても良いかもしれません。
*結果重視
優等生タイプのお子さんほど、結果をよく聞きたがります。受験に強い優等生でも、応用が利かない場合が多くあることも事実です。私の経験では、むしろ4年生頃までは外で遊んでいた子の方が、算数・理科・社会科の勉強の要領さえ教われば、どんどん学力が伸びてきます。先に述べたような基礎体験が少ない子は、「隠れた能力」が育ちません。5・6年生のなって受験勉強しても、それ以上伸びが少ないのです。
*楽しい勉強
私はどんなことでも「なぜそうなるのか」を、いつも子供に教えてきました。「ああ、こういう仕組みになっているのか」と納得した時の一種の驚き、そこから応用力や創造力が生まれてきます。驚きや好奇心がなければ、学校の勉強はつまらなくなるし成績も伸びません。勉強は楽しくなければだめですから、小さいうちから何かに感動したり驚いたりする経験をさせてください。
その子が何かのきっかけで歴史や理科の実験が好きになったら、教科書で習う時期でなくてもどんどんやらせてください。そうなれば、机に向かって勉強している感覚でなく、楽しんでやるようになるのです。そういうものが一つ二つあれば良いのではないでしょうか?生活体験を通して好きなものを見つけ、それを伸ばしていけば良いのです。
何にでも興味を持つ子は、新しい場面に出くわした時に応用力を利かせて、それを自分で切り開いていけます。机の上だけの偏差値の優等生タイプは、社会に出てから役に立たなくなってしまいます。生活体験を豊かにすることは、役に立つ本物の能力を身につけることですが、それには親子のふれあいが大切なのです。
*家庭の教育力
学校の教育力は変わっていないけれど、残念ながら周りの環境が変化している。つまり、家庭の教育力が落ちているのです。「しつけ」ができていないため、いろいろな教育問題が起きてきたといっても過言ではありません。子供は塾に入れっぱなし、運動はスイミングクラブやサッカークラブに入れっぱなし、つまり何でも人に任せてしまう風潮が強くなってきました。
家庭での教育を、お母さんとお父さんが分業してしまったらだめだと思います。教育はお母さんに任せっぱなし、お父さんは無関心では、子供はたまったものではありません。非行の問題が起きてから、中学生になった子供と話そうとしても、もう手遅れなのです。教育は父母の共同作業です。 |
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