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★ ジョン・バーニンガム
【ジョン・バーニンガム John Burningham (1936~)】
イギリスのファーナム生まれ。サマーヒル・スクールで学んだのち、各地を放浪。イタリアで植林、スラム地区の撤去や校舎の建築、イスラエルで家の解体工事などにたずさわる。帰国後、ロンドン中央美術学院に進み、イラストレーションとグラフィックデザインを学ぶ。イラストレーションや漫画を発表する一方、絵本の制作を手掛け‘63年絵本デビュー作『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞。以後、40年以上にわたって60冊以上の絵本を発表し続けている。その作品の根底には、日常の向こうへと誘うわくわくするような冒険の精神が流れている。人生の哲学を大らかなユーモアに包むバーニンガムの作品には、大人のファンも多い。現在は、同じく絵本作家である夫人のヘレン・オクセンバリーとともにイギリスを代表する現代絵本作家の夫妻としてロンドンに在住。
1963年のデビュー作『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』でケイト・グリーナウェイ賞を受賞したイギリスの絵本作家ジョン・バーニンガムは、現在までに数多くの名作絵本を生みだしてきました。
『かいじゅうたちのいるところ』のモーリス・センダックや『スノーマン』のレイモンド・ブリッグズとならび世界中の絵本作家から尊敬される絵本界の大スターでありながら、いつまでも若々しい作品を発表しつづけています。仲間と外見がことなることから仲間はずれにされるボルカをはじめ、いじめられっ子の女の子や、学校嫌いの男の子……。どこにでもいるごく普通の子供たちである主人公を優しく大らかな視線でユーモラスに描き続けてきたバーニンガムの作品には、作家自身が絵本作家になる前に様々な仕事や人生経験を積んできたことが反映されていると言えるでしょう。
2008年に72歳を迎えるジョン・バーニンガム。
2006年に出版された最新作『エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ』では、ますます磨きのかかった作品世界を展開し、数多くの読者をうならせました。
デビュー45周年を記念する本展は、作家自身の協力によりデビュー作の『ボルカ』をはじめとする初期の作品から、二度目のケイト・グリーナウェイ賞受賞となった『ガンピーさんのふなあそび』、詩画集のような美しさを湛えた『はる なつ あき ふゆ』、谷川俊太郎さんの名訳で親しまれている『おじいちゃん』、『ねんころりん』など、絵本作家としての彼の軌跡を辿る集大成となるでしょう。
シンプルでありながらあたたかく、時にはウィットに富んだユーモアで微笑ませてくれる独自の絵本世界は世代を超えて支持されています。
(大丸ミュージアム ジョン・バーニンガム原画展レビューより)
【ケイト・グリーナウェイ賞】
英国で出版された絵本のうち、その年もっとも優れた作品の画家に対して贈られる賞。1956年、今でも世界中で愛されている英国の絵本作家ケイト・グリーナウェイにちなんで、英国図書館協会によって創設された。
(1963年初めての絵本出版)
「ボルカ はねなしガチョウのぼうけん」(ケート・グリーナウェイ賞受賞)木島始/訳
羽のないガチョウのボルカは,他の兄弟たちに仲間はずれにされ,飛ぶことも泳ぐこともできないうちに,ひとりぼっちになりました。
(1964年)
「バラライカねずみのトラブロフ」
「ジョン・バーニンガムのABC」(未訳)
イアン・フレミングの「チキチキバンバン:まほうのくるま」に挿絵をつける
*ヘレン・オクセンバリーと結婚
アフリカ民話「とんでもないつなひき」(未訳)の挿絵を担当
(1965年)「はたらくうまのハンバードとロンドン市長さんのはなし」
(1966年)「ずどんといっぱつ すていぬシンプだいかつやく」
(1967年)「ハーキン 谷へおりたきつね」
(1969年)「はるなつあきふゆ」 岸田衿子/訳
四季の移り変りの美しさが,大型の画面いっぱいにくりひろげられています。バーニンガムの風格ある豪華絵本です。
(1970年)「ガンピーさんのふなあそび」光吉夏弥/訳(2度目のケート・グリーナウェイ賞受賞)
ガンピーさんが,小舟で出かけます。途中で子どもたちや動物たちが乗りこんできます。バーニンガム独特のさわやかなタッチの絵本。
フランスの影絵人形劇団が『ボルカ』『トラブロフ』を上演
10月3日ジュール・ベルヌの『80日間世界一周』の取材のため、80日間世界一周旅行に出発。日本にも立ち寄る。
(1972年)「80日間世界一周」(未訳)
(1973年)「ガンピーさんのドライブ」 光吉夏弥/訳
ふなあそびでおなじみのガンピーさんが,子どもたちや,動物たちと今度はドライブに出かけますが,途中で雨に降られたりで……
(1974年~1975年)
○バーニンガムのちいさい絵本シリーズ「あかちゃん」「うさぎ」「がっこう」「ゆき」「もうふ」「ともだち」「いぬ」「とだな」
(1977年)「なみにきをつけて、シャーリー」 辺見まさなお/訳
右のページには,海辺で遊ぶシャーリー。左のページには,両親が砂浜でのんびり。二つの世界が同時に展開する不思議なお話です。
(1978年)
「もうおふろからあがったら」
「ねえ、どれがいい?」(ドイツ児童文学賞受賞)
(1980年)「ショッピング・バスケット」
(1982年)「アボカド・ベイビー」 青山南/訳
何にも食べたがらない赤ちゃんに,母さんには困っていました。ある日,アボカドを食べさせてみると……。痛快ユニーク絵本。
(1983年)はじめてのかずあそびシリーズ刊行
「かずのじゅんばん」「5よりちいさい」「ねこはなんびき?」「ぶたはぜんぶで?」「1をさがそう」「おりてください」(すべて未訳)
(1984年)「おじいちゃん」谷川俊太郎/訳
(エミール・クルト・マッシュラー賞 、ニューヨーク・タイムズ・ベスト絵本賞受賞)
元気だった頃のおじいちゃんと孫娘……。老いとは何かを背景にうつしながら,絵本づくりの名手パーニンガムがすがすがしく描く。
はじめてのことばシリーズ刊行「こっこっこ めええ」「がちゃがちゃ ぽろろん」
「とんで つまずく」「どしん ばたん」「くんくんあらら」「よろよろぽん」
(1985年)あそんでまなぼうシリーズ刊行
「ジョン・バーニンガム の123」「ジョン・バーニンガム のabc」
「ジョン・バーニンガム のいろ」「ジョン・バーニンガムのはんたいことば」
(1986年)「ジュリアスはどこ?」
(1987年)「いつもちこくのおとこのこジョン・パトリック・ノーマン・マクヘネシー」
(ペアレンツ・チョイス賞受賞)
(1988年)JR西日本の依頼により、大阪で開催されたEXPO'90国際花と緑の博覧会に向けてエコロジーをテーマとした絵本を、「義経号」という名の日本発蒸気機関車を入れて描くことになる。
(1989年)「いっしょにきしゃにのせてって!」
(1991年)「アルド わたしだけのひみつのともだち」 谷川俊太郎/訳
わたしにはとくべつなともだちがいる。わたしがこまったときはいつでも,たすけにきてくれる……。少女の心の物語。
(1992年)「イングランド」(未訳)
(1993年)「クリスマスのおくりもの」長田弘/訳
クリスマスのおくりものを届け忘れてしまったおじいさんサンタ。たくさんの人に助けられながら,朝までに届けられるでしょうか。
(1994年)「コートニー」谷川俊太郎/訳
子どもたちが,野犬収容所でもらってきたのは,雑種で年寄りの犬だった。でもその犬は何でもできて,家族はみん大喜びだった。
(1996年)「くものこどもたち」谷川俊太郎/訳
山登りの途中,がけから落ちてしまったアルバートをくものこどもたちが受けとめてくれました。写真を使った,人気作家の意欲作。
(1998年)大人向け絵本「フランス」(未訳)
(1999年)「地球というすてきな星」
(2000年)「ねんころりん」谷川俊太郎/訳 (ネスレ・スマーティ賞受賞)
赤ちゃんやねこやお魚…。いろんなねんころりんがやさしいねむりをさそいます。バーニンガムがおくる,ベッドサイドストーリー。
(2002年)
老年期についての大人向けの本「あなたの人生の時間 上手に年をとろう」(未訳)
(2003年)「旅するベッド」長田弘/訳
ジョージーの新しいベッドは,小さくておんぼろ。だけど,このベッドにもぐりこんでおいのりのもんくをとなえると……。
(2004年)子ども時代についての大人向けの本「わたしたちが子どもだったころ 子ども時代の思い出集」(未訳)
ブリストン・オールド・ヴィック劇場で「くものこどもたち」が上演される。
(2006年)「エドワルド せかいでいちばんおぞましいおとこのこ」
(2007年)「ジョン・バーニンガムのわたしの絵本、わたしの人生」
『君の作品は美しくて、匂やかで、セクシーで、陽気で、神秘的だ。そしてしばしば、なんともステキにばかばかしい。』モーリス・センダック |
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