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2003年 10周年あいさつより
テーマ活動をやり続けて10年がたちました。柳井の地で舞台を使ってのテーマ活動発表は初めてです。
ラボ教育活動はもうすぐ40年になりますが、その根幹は「テーマ活動」です。テーマ活動は劇活動ですが、演劇とは違います。小道具もほとんど使わないし,扮装もしません。 どこが違うか、なぜなのか。
1、演劇のように、演出家が居ない。
ラボっ子全員が、自分たちでピノッキオを何度も聞き、その日本語と英語による言葉、声音、音楽から感じ、自分でイメージを膨らませ、それをみんなでぶっつけあいながら作ってきました。いわば全員が演出家のようなものです。
2、 演劇は誰かにみせることを前提にやるが、テーマ活動は必ずしもそうではない。
ピノッキオでは、ピノッキオの気持ち、仙女さまの気持ち、ジェペットの気持ち、まさに親の子を思う気持ち、子の親を思う気持ちをみんなで考えて取り組んできました。それが伝わるといいなとは思っていますが、伝えることが目的ではなく、その過程でひとりひとりがピノッキオとどう向き合ったか、なにを感じ、考えたかを大切にしています。
3、英語と日本語で発表する。
発表するセリフが一言でも、英語と日本語がみんなの中に流れています。その中で子どもは「really my dear Pinocchio わしのかわいいピノッキオ」「my dear cricket なかよしのコオロギさんだ」ピノッキオの、ジェペットの、このときの気持ちで出てくる言葉なんだな。dearは、好きな人に対して使うんだな、と自分で気づいていきます。そして言ってみたくなります。習っただけだとdear 親愛なる ですね。
教え込むのではなく、お話の中で、自分の体を通して実感できる英語を増やしていきたい。それが、国際交流など英語だけの環境に入ったときに生きてきます。もちろんヒアリングもスピーキングも自然です。
4、 子供同士、年代を越えた交流があり、家族を含めて、いろいろなコミュニケーションが生まれる。
テーマ活動初体験の子、大きい舞台初めての子、合わせて半数。その中で中高生は、小さい子に無理のないよう気にかけ、楽しそうでないと、みんなで、声を掛け合ってきました。ピノッキオの感じ方も年代によってさまざま。それを共有しあっていきます。
「人は好きな人からだけしか学ばない」 いい関係があるからこそ学びあっていけます。
この「テーマ活動」を通じて、日本語、英語、そして、こころを育てたい、日本語と英語で自分の言いたいことを伝えられる人になって欲しいと思っています。
伝わりにくい、わかりにくいところがあるかと思いますが、子どもたちが何を感じ、なにを表現しようとしているのか、おもんばかって、感じていただけたら幸いです。
2003年12月23日
ラボテューター 角田すみれ |
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