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センス・オブ・ワンダーの旅 木村文枝
オレゴンの古代の森で 無数の巨大ナメクジに出会った。
砂漠で トレッキング中に干からびた動物の角や骨をさわった。
倒木から、別の新しい命を育む樹のそばに身を置いた。サバイバル・プログラムでは、
太陽の光を利用して水の採取や、イカの解剖をした。どんなときも
OMSI(オレゴン科学産業博物館)のインストラクターは、決して知識だけを
詰め込ませたりせずに、
「感じ取ること」「考えること」「意見をもつこと」「シェアすること」の
大切さをゆっくりと導いてくれた。
本格的な科学や自然教育プログラムを遂行するスタッフは、若くて有能で魅力的だった。
ホームステイと違って 日本人で固まり易い環境に、こどもたちがどう向かっていくのかを
見届けたいと思っていた。テント泊のグルーピング、バディ交代の声掛けを
してくれるインストラクターの配慮、自己申告で能力別に分かれて、
繰り広げられたイングリッシュレッスンにも こどもたちが主体的になれる工夫が
あった。お返しに「うける」「まじ?」「なんでやねん」「どうも」「すっげ~」などを
教えるスキットを英語で発表できるほどになった。
ホームステイのように、
「ひとりだち」を目指すには日本人が多すぎて、負の環境ではないかと思われたが、
大学生やカレッジリーダーの刺激を絶えず受けることで、発奮しアクションを起こす子がいた。
また、日本人とキャンプに参加する!という意欲をもったアンバサダーとの出会いも大きい。
きっかけは、化石でも植物でもいい、他の子が頑張っている姿でもいい。
「自然科学と交流」に興味があれば、その子のセンス・オブ・ワンダーはさらに磨かれるだろう。
そして、この体験と研ぎ澄まされた感覚は、これからも意識次第で、
続いていくということを忘れないでいたい。 |
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