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「長靴をはいたネコ」フランス語では Le Chat botté
ヨーロッパ各地に伝わる民話です。
1697年に出版された、シャルル・ペローによる『寓意のある昔話、またはコント集~がちょうおばさんの話』に収録されたものが有名とのことです。
有名な『グリム童話』の初稿にも『靴はき猫』というタイトルで収められていたようです。
さてさて石橋パーティでは、水曜の小中学生クラスが2014年冬の地区発表会に向けて、このお話に取り組みました。
水曜クラスメンバーはプレイルーム(3歳未満)から入ってる子が殆どで、固定したメンバーでもあるので、
本は良く読んでいるし、物語から大切なものを受け取る力もそこそこ身に付いているし、
英語やスペイン語、フランス語などのわらべ歌のリクエストも多く、手のかからない自主的に楽しめる子達です。
しかし・・・
テーマ活動が大好きで、役も固執する事なく色々試したり、通してなんとなく動けてしまったり、
CDを聞いてきていなくても(クラスで初めて聞いた作品でも)、なんとなく真似してセリフも言えてしまったりするわけです。。。
だからこそ、返って脇道に逸れて遊ぶのが少ないかも…とふと思いました。
キディクラスでは、新入会のメンバーが多いので、お話に沿って動く事よりも、
まずは身体と頭を柔軟になることを心がけてるような所があって、
動物なりきりレースや、動物がどんな所に住んでるか調べてみたり、絵をゆっくり書いてみんなでシェアしたり、
ゆっくり、たくさん遊んで、考えて、イメージして、それをシェアしながらまた動きます。
発表ありきで、形を作る事にこだわるのではなく、「お話の中で遊ぶ」のが、まず一番。
そう感じたので、発表を控えている、この水曜クラスでも、
原点に返ってジェスチャーゲームをしたり、イスを使って馬車を作ったり、音楽に歌詞をつけたり、たくさん遊ぶようにしてます。
そのおかげか?
はたまた私が風邪で咳き込んでしまうので、あまり声を出さないせいか(笑←煩いのが居ないと返って子どもは育つ)?
のびのび、良い表情でなりきって動いています。
本番では、やはり緊張でここまでのリラックスした中での表情は出ない事が多いですが、それを見られるのが唯一のテューター特権ということで、ご容赦下さいませね。
さて、本日は、百姓役の子たちがとても良かったので、それと対峙している相手役のネコの方も、思わず乗ってしまったとのこと。
これこそが、ノンバーバルなコミュニケーションですよね。
さて、いよいよ発表の2週間前。
音楽CDでやってみる前に、なりきりグッズを各自作って身につけてテーマ活動をしました。
王様は王冠をかぶるとより一層王様らしくなったし、
ネコは剣を持っているらしく、それをちらつかせると百姓たちがぶるえあがるようでした。
ちょうど発表一週間前には、マイクを使って舞台に近い環境でやってみようということで、
わざわざ日曜に集まっているので、お疲れさまの気持ちからオヤツとリンゴジュースを持って行ったら、
楽しい現場を見かけました。
今回の発表テーマ物語である「長ぐつをはいたネコ」の、山男の城(カラバスの城)での食事シーンみたいに
みんなでリンゴジュースで乾杯しようよというので、乾杯することに。
おかわり!というネコ役に
You are only a cat! (ネコの分際で!)という英語での声。
すぐさま I'm a special cat.(私はそんじょそこらのネコとは違いますよ)と英語で言い返すネコ。
今度はYou are only a young man!(若者の分際で!)とカラバス役がやり込められ、
What do you mean?(何言ってるんだい。)ととぼける。
それを眺めていたお姫様役の女の子が「良いなぁ、あたしあんまり台詞ないからなぁ」とボヤけば
「What a splended apple juice! って言えばいいじゃん。」と突っ込み、
「えー、うっとりして言うばっかりじゃん。」と笑いあってました。
(姫には What a splendid young man! 素敵なお方、という台詞があるので、
それを瞬時にアレンジしているのです。)
自分の言葉になって初めてそれで遊ぶ。
そんな時の嬉しそうな顔ったらないですね。
見ている私の方も、嬉しくて誇らしくなります。
文法や単語の勉強も、もちろん大事ですが、
それだけを勉強しても、自由に活用できるところまでもっていくのがとても大変なのは
皆さんも体験があるのではないでしょうか?
ラボっ子たちは、発表に向けて、長くて早口のナレーションを覚えたり、大量の台詞を覚えたりという苦労はあっても、
私にやれと言われたわけでなく、自分で「やりたい!」と言って、奪い合うようにして選んだ役ですし、
何よりみんなであれやこれやイメージをシェアしながら表現を考えて、
ひとつの物語を立体化していく作業が楽しくて仕方ないので、
やらされ感はなく、気づいたら自分のことばになっていたという感じなのだと思います。
本日の発表では、決して全員がリラックスして自然体というわけもなく、
「緊張してないよ~」と言う子も、普段の顔とは大違いで、全員やはり普段とは違う固い表情でした。
先週には、のびのびしすぎて私に怒られていた位ですが、
その時には、ふざけながらもできていた百姓たちの表現も、本番ではほぼ消えてなくなっていました。
草刈りしている百姓たちは、ビビリやさんで、声も若いから36歳ぐらい。
コーンフィールドで刈り入れをしている百姓たちは、声がもっと年上な気がするので54歳。
と具体的なイメージもできていたし、場立ちの時に時間をとって確認したにも関わらず、です。(苦笑)
また一度も台詞を間違えたことのない山男が、顔では「やってやったぜ!」という表情を浮かべながらも、
台詞を言わないので、え???とこちらがかる~くパニックになりました。(笑)
私が教えてあげたくても、一番遠くに居るので、ゼスチャーでは伝わらず・・・
他のラボっ子全員、山男の台詞は言えるのに(言えるからこそ、かな)
山男役の子が言うのを、みんなじっと待っているので、とうとうその時のナレーターに言ってもらいました。
まぁそんなハプニングもありつつ・・・
動きもいつもよりも小さいかな?ということもありつつ・・・ですが、
逆に「さすが本番に強いラボっ子たち!」と感動するほどの成長を見せてくれて(山男役も含めて)
びっくりする位、大きな声でCD通りの声でネコをやってくれた上に、
ダブルキャストの声が合わなかったのがぴったり合っていたり、
先週には言えなかった英語のナレーションも完璧に覚えてきてくれたり、
初めての長ゼリフと長いナレーションにトライしてくれたり、
(まぁ毎度、発表の度に起こることですが)嬉しい頑張りもた~くさんありました。
発表を終えて、さぞかしほっとしているだろうと思って声をかけたら
「テューター助けて~。長ぐつをはいたネコがずっと頭の中で流れてて、他の発表を集中して見れないよ~。」
と言う子や、
長ぐつをはいたネコの歌(BGM)を鼻歌で歌っていて、それが無意識で、自分で気づいてない子、
終わった直後の昼休憩中に、「ねぇ、今、もう一度長ぐつをはいたネコ聞いていい?」と
イヤフォンで聞き始めた子など、
発表直後にはよくある事なのですが、そんな事も起きました。
我が子が小2位の頃だったか、Stop Taroを発表した後、バスの中で
「どうしよう、止まらないよ~。止めてよ~。」と言いながら、
ベラベラと素語りし始めて止まらなくなってしまった事も思い出したりしました。
こんな「ラボっ子あるある」はどこのパーティのラボっ子も体験している事なのですが、
ラボをやっていない子や、他の英語劇活動で丸暗記させられてる子には起こらない体験かもしれません。
私にとっては、まだまだ不思議で、奥深いラボの多角的な教育。
(ラボを研究しているわけではないので、解明して言葉にはできない、という意味。)
子ども達がこうして育って行く様子を目の当たりにする度に、
ラボに居れば将来に役立つ力は確実につくだろうなと確信するのでした。
見てくださった方々の感想文を読んで、改めて気づくことも多く、
私自身も楽しみながら気づきを深めていけるのが嬉しい限りです。
大人も子どもも成長できる活動だなぁと、発表という節目の度に実感します。
ありがとうございました。 |
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