|
 |
 |
 |
 |
「いさましいちびっこのしたてやさん」とか、「ゆうかんな仕立て屋さん」として、完訳にはのっている。
小気味よい明るく楽しい物語だ。ジャムのにおいによってきたハエを、たたいたら、7匹死んだ。それだけのことで、自分をたくましいたいしたものと、思い込むのも、それこそたいしたものだ。「ひとうちななつ」を、ハエとは思わず、人間を7人だと思って、恐れおののくやつたちもこっけいである。
チビの仕立て屋が、力も富みもかなわぬ相手を次々と知恵を使ってやっつけていく、その様を気持ちよく語るには、口調も軽やかに躍動的でありたい。ラボ・ライブラリーの語りはそれが十分に考えられていると思う。軽やかに、仕立て屋の足取り、しぐさが分かるようで、テーマ活動もすっちきりとやりたくなる。
ラボ・ライブラリーの再話は、終わりの部分が他とは違う。仕立て屋は王様にはならず、断る。しょせんおれは仕立て屋。といって終わるのはスカッとしてよい。これが「お姫様をもらって、夢を見て・・・・云々」となっていたら、テーマ活動ももたもたしてしまう。
―――ぼくはポケットがいっぱいあったほうがいい。それは、寒いときには、手を入れてあたためられる。遊んでいて、いいもの見つけたらひろってポケットに入れる・・・石でもガラスでもシールでも。ポケットから出すときが楽しい。
したてやはポケットにチーズと小鳥を入れていたから、巨人に勝てた。それがなかったら、巨人にも勝てなかった。勝てなかったら、その後の成功もないから、やっぱりポケットがあったから大成功したんだ。―――S君(小4)
―――ぼくは、はじめ「ひとうちななつ」は、なにのことか、わかりませんでした。ぼくは、ひとうちななつはつよいので、ひとうちななつみたいになりたです。―――T君(小1)
―――この話は、とにかく面白い。すべてが仕立て屋の成功につきる。自分のひとうちで、ハエを7匹、というまぐれかもしれないこの出来事に、自信を持ち、世界を相手にしてやると意気込んだ。その大きな夢のおかげで、ぶつかる大きな壁を知恵を使って労せずして見事やっつける。そうして幸せに・・・ということかと思ったら、自分からその自分に合わないような権利は断ったのだ。自分の自信を失わず、あくまで仕立て屋、この誇り高き仕立て屋は本当にえらい!最後に僕の一番好きなフレーズがこれ。
Beware of what the scissors tell;
When you’re snipped, you ‘ll part and yell!
Beware of what the needles say;
Once you’re stuck, you’re there to stay!―――T君(中2)
{小1のT君と中2のT君とは同一人物。成長のあとが面白い。}
―――全体に詩のような感じがする。表現がとても面白くて好きです。平凡な仕立て屋がハエを7ひき殺したことで旅に出ます。「ひとうちななつ」という意味を人々がまちがえて、仕立て屋が有名になっていく。そして王様の難問も頭を使って片付けた。でも仕立て屋は王様のその気でない約束を、自分から断って、ポケットのたくさんついている服を作る仕立て屋に戻ったのです。
世界一強い、ひ・と・う・ち・な・な・つ! 思いっきり活躍して、静かに去る。かっこいい。面白くてジーンと来る物語です。―――H子(中1)
|
|