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SK12として出されていたこのテープは、CDになってからは出ていないから、取り上げても仕方がないかもしれないが、ラボっ子の感想文が出てきて、私のやってきたことも思い出し、やはりこれからの子供にも、昔話を聞かせたいなあ、という思いを強くした。
―――ラボ・テープではめずらしい、日本語だけの語りというのが大きな特徴ですが、小さい頃は、おばあさんの独特な語り方や、その間に入る「あいずち」を、外国語というか、何か違った言葉のような、一つの音楽のように聴いていた気がします。
今、聞いても、おばあさんの声のおかげで、昔話にすっと引き込まれていってしまいます。このテープを聴いていると、なぜか時間がゆっくりと流れていくような気がして、とても不思議な、しかも、とってもあったかい気持ちになります。
私は「しおひきうす」という話が気に入ってますが、海の水の塩辛いわけが、本当にこんなふうなら、とても素敵だな、と思います。昔の人の想像力って本当にすばらしいものだったんだと、妙に感心してしまいます。―――Y子(’91年・大2)
―――僕は、小さい頃、このテープをすっごく母にねだって買ってもらった思い出があります。なぜ、そんなにねだったのか、はっきり分からないくらいですが、一回パーティで聞いたとき、なにか日本語ではないようで、しかし一生懸命聞くとすごく面白い、という感じでした。いまの子は、昔話を知らない、とよく大人の人は言います。確かにそうです。それは、聞く機会がないからです。こういういいテープや、本に触れて、昔話の世界をもっと楽しむといいと思います。「あったてんがのぉ」とはじまって、ほかでは聞くことの出来ない雰囲気を持っています。
中には、よく知られた「ききみみずきん」などもありますが、僕は、「さるのいきぎも」というのが面白いと思うし、好きです。―――T君(’91年・専4)
彼らは今は、それぞれ結婚もし、女医、電気工学技師として活躍しているが、大勢の子がそうであるように、ラボでやってきたこと、身にしみこんだ物語と精神が、脈々と流れて、いいセンスで、いい生活を作っていると思う。 |
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