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自分の子供を育てるときは、自分自身も経験のない中で、育児のすべてに責任を負うわけだから、子供の成長に感動しながらも、その感動を、せいぜい育児日記に書き残す程度で、ゆっくり味わい感心している暇もなく、次の仕事に追いまくられる。その点、孫となると、改めて、幼子の成長の早さ、その不思議なほどの吸収力、生命力に感動と喜びを持ってみていることが出来る。
アリソン・アトリーの描くチム・ラビットの世界は、こうした子供が、毎日新しい体験をしながら大きくなり、心を豊かにしていく、子供の発見や、心の動きや、周りのものなどを、アトリーの温かい目で見、それを正しく、やさしく小さい子にもよくわかるように物語にしている。愛情たっぷりの表現、無邪気で、好奇心に満ち満ちた、「ただのうさぎでないうさぎ」が、いろんな体験をしていくのが楽しい。
ラボのティム・ラビットは、詩やナーサリーライムといっしょに、ASK MR. BEAR and OTHER STORIES として入っていて、ちょっとアトリーとしては、損をしているように思える。それとも、このようなテーマは、テーマ活動としては、地味で、扱いにくいのだろうか。
たしかに、風、ひょう、かみなり、いなびかりなどを、初めて体験したティムに、お母さんがやさしく、正しく教える。これは大変大切な、自然への興味、その厳粛な秩序を覚え、その美を感じる入り口だとは思っても、実に静かに、緩やかに、人の心の中に入り込んでくる。私は、アトリーの楽しさは、この一つの物語だけでは、無理だと思う。
「チム・ラビットのぼうけん」A・アトリー(石井桃子訳・童心社)には、九つの物語が入っている。これを全部読んだら、だれでもその良さがわかり、好きになれると思う。どれもいいけれど、「チム・ラビットとはさみ」「チム・ラビットのうん」などが、うちでは人気があった。ついでに「チム・ラビットのおともだち」も読みたい。
―――ティムは、かわいいこうさぎ。かぜや、ひょうをこわがって。おかあさんは、やさしそうだし、ちゃんとおやつをつくっていてくれたし、ちゃんと、それがなにだかおしえてくれたし、いいおかあさんだね。
こんどは、うさぎでもなし、こぶたでもない。そんなようきなどうぶつはなにかな?それはうさぎにとって、こわいものでした。でもティムはしりません。風や、ひょうや、かみなりは、にげろ、にげろとおしえてくれました。おかあさんに「なに?」ときいたら、いぬだったんだね。
おかさんは、「いぬとにんげんはきをつけなさい」とおしえました。だんだんティムは、べんきょうしていきます。―――T子(小1)
自然破壊のどんどん進む今、みんなの心の中にしみこませ、自然の中に生きている自分を感じてみたいと思う。 |
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