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夏至に近い今は、北欧も美しく明るい。人々もつい遅くまで外で遊びすぎてしまう。でも、この明るい期間は短い。秋もなく、すぐに冬になってしまうようだ。この、今見ているノルウェーの自然。ここが太陽がなく暗いとしたら、どうだろう。長い夜、人々は、おのずと忍耐を強いられる。年寄りは幼子に歌や話をして聞かせ、夢を抱かせたのだろう。
「太陽の東 月の西」はスケールの大きい話だと思っていた。確かにノルウェーにふさわしい、まさに、ここの自然が生んだ昔話だと思った。フィヨルドの絶壁に挟まれた、ほんの小さな平地にも、小さな家を見る。「山のふもとに老婆がいる」といわれても、ごく自然に溶け込んでいる。東風、西風と風によって旅をするのも、この地形にいかにもふさわしい。娘は、北風によってようやくたどり着くことが出来るが、この厳しさは、簡単には、想像できるとはいえない。北欧の人々の北風にこめられる自然の厳しさに対する畏敬と恐怖は、この物語で、ここにたっぷり語られていると思う。
物語の雄大さに比して、ラボ・ライブラリーの絵本は少しお粗末であったと思う。語りからのイメージ、文字を読んでの思考、確かに大切で十分かもしれないが、挿絵、絵画によってさらに夢の世界を旅させてくれるともいえる。私は、「太陽の東 月の西」では、手放せない本がある。カイ・ニールセンの「太陽の東 月の西」である。ニールセンの生涯や作品について知れば納得のいくところだが、彼は、北斎や広重などの影響も受けており、彼の「太陽の東・月の西」の挿絵というより絵画は、東洋的な雰囲気もあり神秘的、幻想的であって、独特の様式美で表現している。私はこの物語を、彼の絵によって、いっそう好きになり、深めていったといえる。
―――はじめ、白熊は、悪いほうなのかな、と思っていたけど、とってもやさしい王子さまでした。娘は、それを知らずに、白熊との約束をやぶってしまい、別れなければならなくなって、かわいそうでした。三人のおばあさんに会ったり、東風、西風、南風、北風に連れて行ってもらうところは、とてもおもしろく、はくりょくがあります。お城についても、王子さまと話が出来るまでには、また、一苦労。あやういところで、王子さまと話が出来て、どんなに、うれしかったでしょう。わたしも、主人公と同じ気持ちになりました。不思議な、大きなお話です。―――Y子(小5) |
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