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Rolling Blackouts 輪番停電 |
03月30日 (水) |
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先日のNHKクローズアップ現代で、キャスターが「パワークライシス」という言葉を使った。
あれ・・・この言葉、なんだかなじみがあるぞ。 英語でなじみがあるってことは・・?
そういやあ・・・・だんだんに思い出した。
カリフォルニアに住んでいた頃、Power crisis で、停電があった。
2000年から2001年の頃だ。(二千年問題とは別)
電力自由化したものの、熟成していない状況で、経営上の目先の欲得に走り、
外部資本の市場操作に振り回された。
金目当てに、どうしてそんなことができるのか、よく理解できなかったが、
これもやはり末端の消費者が割を食う羽目になった。
エナジー危機の状況によって、自主的節電・ポイント節電の段階を経て、
ついにRolling Blackouts (輪番停電)の策が取られた。
あらかじめ電力会社から各家庭に通知が来て、その日、その時間帯は停電した。
今の関東でやっているのと同じように、一般住民や小売業、企業が影響を受けたのは言うまでもない。
病院、学校、警察や消防などとその近くははずれていたので、そういう家に集まったりした。
しかし、信号はみな、消えた。
アメリカでは、信号のない交差点では、4 Stop といって、4方向とも必ず一旦停止、
そのあと縦・横が一台ずつ順番に交差点に進入する。
2車線以上ある道路では1台めの横一列ずつが一斉に進む。
日本のように、優先道路ということがなく、どんな広い道路と小さい道路との交差点でも
平等に4Stop。
市街地の路地だと、この4Stopはリーズナブルだが、
幹線道路はいちいち止まらされて、とんでもなく渋滞する。
それで幹線道路を避けて、みんなが信号のないフリーウェイに来るから、こっちも渋滞し、
フリーウェイを出た所の交差点に信号がないから、ここでも詰まって、フリーウェイ上に行列ができる。
もともとカリフォルニアは長期的なエコ電力の開発に力を入れていたのだが、
このパワークライシスの結果、長期的な開発どころか、電力会社は経営破綻し、
消費者に価格転嫁させないため電力を買い上げた州の財政も破綻、
企業、小売業、一般消費者の経済的状況が悪化して、レイオフも多量に出た。
電力需要のため、安価で環境度外視の火力発電の林立容認に繋がるところだったが、
当の市場操作をしかけたテキサスの石油企業エンロンも資産回収できなくなり、破綻。
電力自由化を掲げた民主党は敗退し州知事もリコール。
共和党の知事が立って、ブッシュ政権を後押しすることとなる。
その頃、石油企業エンロンとチェイニーなどブッシュ陣営とのつながりもわかってきた。
ITバブルで電力需要が高くて起きたパワークライシスだったのに、
その後、全国規模のアメリカの経済低迷が続く。
そういや、テキサスに住んでいたときも、突然の停電がよくあった。
冷房の使いすぎと言われるが、猛暑の年だったので、行政の広報車が回って、暑さ対策を呼びかけていた。
長時間かかる料理はするな、濃い色の服を着るな、教会などで配られる食事をもらいに行けとか、
日本から来たばかりの私たちにはどっひゃ~の情報。
テキサスの学校は、竜巻被害と酷暑をさけるために窓のない設計になっており、
コミュニティカレッジで勉強している頃、この停電に遭うと、もう真っ暗。手探りで外へ出た。
コンピューターを使っているときは宿題のエッセイもなにもかもアウト。
こまめにフロッピー(!)にとり、提出期限には余裕をもって対応しないといけなかった。
テキサスは保守的、カリフォルニアはリベラルな気風で、どちらもアメリカの両極端、
そこに住んでいたというと、良識派を自認する他の州の人達から憐れみのこもった目で見られる。
それも偏見なんだけどね。
今回の電力不足も、政治的経済的思惑があるのではないかとまで言われているらしい。
公共性が高い電力事業、原発という世界規模で危険となりうる事業を一企業がやっており、
いざ今回のような事態でも、企業努力に頼むのみ・・・。
当事者の日本の一般社会は、たまったもんじゃない。
西日本の工業製品や京都のお茶まで輸出できないんじゃ、一体どうやって復興するの。
Rolling Blackouts、このところお休み中。
また起こるのは必至。本当に賢い政策、開発が必要。
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