☆★☆Once upon a time・・・・・むかしむかし、あるところに・・・・☆★☆ |
12月25日 (金) |
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マイケル・プロンコ教授による
「僕、ニッポンの味方です」という本に興味深いことが書いてあります。
彼は米国カンザスシティに生まれ、アイビーリーグで哲学を修め、
ヨーロッパやアジアを2年間放浪後、北京で英語教師に、
1987年友人の誘いで来日するまでに3つの修士学位と博士号を取得。
現在は明治学院大学でアメリカ文学・文化・映画学を教えている。
この本の184ページからは、こんなことが書いてあります。
「あるところに・・・・」は史上最強のフレーズの一つ。
物語が始まる合図となり、思考と感情を切り替えるスイッチとなり、
楽しみと学習の機会を知らせる。
僕たちが人間として最初に耳にするものは物語で、
生まれた時から物語が好きだ。
子守唄、絵本、母親のおしゃべり、
「この子はいつか大統領になる」というアメリカ人の決まり文句。
歩けようになる前から、僕たちは物語を聞くことを覚える。
幼い子供に本を読んでいて、最後まで来ると、
小さな手が伸びてきて最初のページをめくり、
もう一度とせがむ。終わったら最初から、また最初から。
この繰り返しには、もっとも愛情にあふれた大人でも頭がおかしくなりそうになる。
僕は「おやすみおつきさま」という単純な物語を今もそらんじることができる。
15年前に甥たちに百回は読んでやった。
子どもは同じ物語を何回も聞いて、同じアニメのDVDを見て、
どうしてまったく飽きないのだろうか。
人間は物語が大好きだ。
物語は、精神生活においてもっとも基本的で共通する部分の一つでもある。
僕たちは物語の中で考え、物語を生き、世の中を物語で整理し、物語で学ぶ。
脳学者も最近、人の生活や進化における組織原理として、
物語の重要性を見直しはじめている。
言語はその昔、夜間に動物に襲われないように火をたいて番をしながら、
コミュニケーションを取るために進化した。
言葉が生存を支えるようになったあとは、言葉で物語を語るようになった。
狩りについて、人や場所について、自分たちを取り囲む人生の謎について。
しかし、1970年代と80年代に英語学習の世界的なブームが起こると、
急成長したESL(第二言語としての英語)産業が教科書や授業やカリキュラムから物語を奪い去り、
文法と語彙、発音、細切れで関連性のない言葉に置き換えた。
英語の学習は文学から言語学に変わり、
筋書きから文法に変わり、物語から言葉の構造に変わった。
その過程で多くのものが失われたが、
いちばん大きな損失は、物語がもたらす一貫性と意味、
そして中心にいるのは人間だと言う素晴らしさだった。
言葉の断片を拾うESL的学習法は、ようやく世界の国々で見直されるようになった。
中略(物語を取り入れるやりかたの重要性が細かく書かれています)
まず、物語のほうがおもしろい。
これは基本的なことだ。
単純に聞こえるだろうが、学習には質が高くておもしろい教材が必要だ。
中略
物語を読むことは、思考の流れを育てる。
短い文章をさらに短い文法的なパーツに分析するのではなく、
言葉を人間や世界に対する大きな考えに結びつけていく。
そうすることによって、学生は、無意識だとしても、
より大きなアイディアや深い感情について考え、
未知の場面や複雑な葛藤について考える。
物語に含まれる人生の教訓は、どんな文法の問題集にも教えることはできない。
物語を読むことで学生は世の中と向き合い、
世の中について考えさせられる。
中略
物語は、学んでいるという事実から気をそらして言葉の学習を助ける。
教えているというかたちを隠して言葉を教える。
物語の流れは言葉を無意識に浸透させやすい。
物語の言葉には文脈があり、だから言葉が人や世の中と結びつく。
文法の要点を教えるには、物語のほうが時間はかかるかもしれないが、
全体として長い目で見れば、物語はより深く、より豊かに言葉を教える。
中略
語学教育の大半に欠けている部分を物語が補ってくれるはずだ。
物語を通して勉強するほど、学生は英語を充実して説得力を増す。
中略
あるところに・・・・学生がいました。
彼らは昔のように物語で言葉を学び・・・・いつまでも幸せに暮らしましたとさ。
以上、本の後半の部分をご紹介しました。
打ち間違いなどはあとで確認して訂正しますね。
この本を訳したのは、矢羽野 薫さん。
この本のウェブサイトは、
www.essayengjp.com
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Re:☆★☆むかしむかし、あるところに・・・・Once upon a time☆★☆(12月25日)
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とんかつ姫さん (2009年12月25日 14時06分)
う~ん、何て興味深い文なんでしょう!
早速アマゾンに行ったらありました。
でも今年最後の出張ラボに出発する時間、、、帰宅してからが楽しみに
なりました。
でも発表会後の「感想文ラボ」(発表のヴィデオを見てレコードブック
に感想を書く)プラスちょっとだけお楽しみ会のラボも十分楽しんでく
ま~す。
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Re:Re:☆★☆むかしむかし、あるところに・・・・Once upon a time☆★☆(12月25日)
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サンサンさん (2009年12月25日 19時18分)
とんかつ姫さん
>う~ん、何て興味深い文なんでしょう!
⇒ラボで当たり前のように取り組んでいる物語活動ですね。
ラボではさらにテーマ活動までしているのですから
すごいですよね。
早速アマゾンに行ったらありました。
⇒ありますね。
私も図書館で借りたのですが、アマゾンで買いました。
でも今年最後の出張ラボに出発する時間、、、帰宅してからが楽しみに
なりました。
⇒新鮮なことばで物語が良いということを語ってくれているので
嬉しくなりますね。
部外者(ラボ関係者以外)の言葉って、ラボ以外の方にも説得力あるの
ではないでしょうか。
自分で言ってしまうと自我自賛的に聞こえますからね。
でも発表会後の「感想文ラボ」(発表のヴィデオを見てレコードブック
に感想を書く)プラスちょっとだけお楽しみ会のラボも十分楽しんでく
ま~す。
⇒感想文ラボなのですね。
こちらはもう、すっかり冬休みに入っています。
でも、昨日は車から荷物を出して整理に明け暮れ、
今日はほかの事の整理に明け暮れ、
ちょっとばて気味です。
明日あたり、疲れが出るのでは、、、
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Re:☆★☆Once upon a time・・・・・むかしむかし、あるところに・・・・☆★☆(12月25日)
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みかん(でこぽん)さん (2010年01月15日 09時18分)
トップページ(?というんでしょうか?)の”Once upon a time”をクリ
ックして、英文全部を、うんうん、うなづきながら読んだあとで、確
か、日記にも書かれていたような・・・と、気づきました。
英文でも読めてよかったです。ラボでいつもやっていることですが、外
国の方に説明するときに、いつも、言いよどんでしまうので、参考にな
りました。
外国語で読んで、再確認するというのもなんですが、物語の力を、再認
識しました。というのも、最近、サボっていた中国語学習を再開させよ
うと、CDを聞いたら、教材CDが、あまりにつまらなく、ラボの中国
語バージョンCDを引っ張り出して、聞き始めたばかりなので、内容が
身にしみて・・・。
また、いろいろな、世界が広がる話題、期待しています。
今年もどうぞよろしくお願いします。
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Re:Re:☆★☆Once upon a time・・・・・むかしむかし、あるところに・・・・☆★☆(12月25日)
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サンサンさん (2010年01月16日 22時01分)
みかんさん
>トップページ(?というんでしょうか?)の”Once upon a time”を
クリックして、英文全部を、うんうん、うなづきながら読んだあとで、
確か、日記にも書かれていたような・・・と、気づきました。
⇒そうですね。前に日記に書いたもののHPがあったのでみなさんにも
ご紹介して、、、と思いました。
英文でも読めてよかったです。ラボでいつもやっていることですが、外
国の方に説明するときに、いつも、言いよどんでしまうので、参考にな
りました。
⇒そうですね。ラボはテーマ活動で動いたりしているからもっと何十倍
も凄い事していると思います。
外国語で読んで、再確認するというのもなんですが、物語の力を、再認
識しました。というのも、最近、サボっていた中国語学習を再開させよ
うと、CDを聞いたら、教材CDが、あまりにつまらなく、ラボの中国
語バージョンCDを引っ張り出して、聞き始めたばかりなので、内容が
身にしみて・・・。
⇒そう、会話のテキストってつまらないですよね。
物語の方がやはり楽しい。
また、いろいろな、世界が広がる話題、期待しています。
⇒気が付いたら、、、ということで、、、
今年もどうぞよろしくお願いします。
⇒どうぞ、よろしくお願いいたします。
シャペロン、どうぞ、頑張ってくださいね。
報告を今から楽しみにしています。
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