今、うちのフェンスでふうせんかずらが揺れている。
初めて、この植物に出会ったときに、私は「なんてかわいらしい!」と思った。
うす緑色のやわらかい色、つるも葉もやわらかくやさしく風にゆれている姿に見とれてしまった。
しかも、私が魅せられたのは、その種。
袋を、パチと割ると中に三粒の種ができている。
その種は、うすみどりいろの濃淡で、「富士額」を思わせる模様になっている。
私はつまようじを刺して、千代紙で着物を着せ、おひな様を作った。
何十年も前のこと。
それ以来、気の向くままに、作れるときにはたくさん作って、大勢に配ってきた。
ひな祭りのケーキや、おすしなどに刺してつかうと雰囲気も一段と上がり、ママたちに好評。
今年も種を取って、その「頭」を作るとき。
うすみどりいろから、茶色になり、黒になる。
つまようじを刺す最適の時期は、茶色の時、種に少し柔らかさの残っている時が最適。

来年もずいぶんたくさんおひなさまが出来そう。
誰かの一瞬の笑顔と楽しみのために。
|