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福助さん |
10月14日 (水) |
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本の整理は難しい。
整理がはかどるどころか、本を手に取ると、考え込んだり、あのとき、あのころのことを思い出したり、そのまま読み返して、再度感動したりしている。
「風と木の歌」は安房直子さんのファンタジー短編集。
読み聞かせにちょうどいい長さなのでよく読んだなぁ、と思ってみていると、解説に山室静さんの名前を見て、懐かしかった。
ラボのテープ委員会をしていたころ、児童文学にのめりこんでいろいろ読んだ。
さらにそのころ読んだファージョンの「りんご畑のマーティン・ピピン」を手にしたら面白さに、以前よりも楽しんで読み直していた。
この壮大な恋物語ファンタジーはすばらしい。
扨、からりと変わって、今手元にあるのは、荒俣宏さんの「福助さん」
こんな本を買ったんだと、再び中を見る。
福助伝説とか、福耳をして裃を着て赤い座布団の上に正座している。
江戸中期から「財を成し福を招く縁起物」として商家の店先に置かれた。などなど、福助についての雑学が書かれている。
私は福助が好きというか、何か縁を感じる。
小さいとき、床の間に瀬戸物の福助さんが座っていた。
ラボで海外にラボっ子を送り出していたころ、日本的なおみやげを買いに時々訪れていた手作り細工のお店に、木彫りの品のいい福助さんが座っていた。
商品ではなく、店の品物の中に座っている。値段はついていない。
何度行っても、その福助さんが気になり、売り物ではないからというお店の奥さんに頼み込んで、私自身で「値」をつけて譲り受けてきた。
その木彫りの福助さんは、ときどき私の手で撫でまわされて、何十年も我が家の床の間に座っている。
そしてこの福助さんは、私のキャンバスの中にも入っている。
愛されて福々しい顔で、我が家を、家族を見守っていてくれる。
木彫りの福助と木目込みのお福さん 油絵 10号
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