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絵本「あらしのよるに」の歌舞伎 |
09月30日 (水) |
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絵本「あらしのよるに」。
オオカミのガブと、ヤギのメイが食べる・食べられるという関係を超えて、友情をはぐくむ物語です。
なつみがちょうど今のナナくらいの年に発刊された絵本だったと思います。
絵本ですが、字が多く縦書。5巻完結なので寝る前の読み聞かせにはきつかったな~と記憶していますが、とにかくお気に入りの絵本でした。
その後映画にもなったようですが、物語のイメージをそのままにしておきたいので、観ることはありませんでした。
そんな「あらしのよるに」が歌舞伎で上演されているのを、新聞の小さな宣伝でちらっと見かけました。
「あっ、ちょうど納骨で京都に行く期間の上演だ!時間もドンピシャ。」
これは行くしかない!
というわけで、シルバーウィークに行ってまいりました。
本願寺での納骨、からの玄奘(三蔵法師のモデル)展。
夜には仕事を終えたなつみと会う予定で、かなりの強行スケジュールでしたが、行って後悔はない観劇でした。
歌舞伎という日本文化の名称は知っているものの、歌舞伎?狂言?能???とさっぱりわかっていなかった超庶民の私。
狂言は、「三本柱」「柿山伏」という名作がラボのCDライブラリーになっていたおかげで、狂言ワークショップを受けたり、大学生のテーマ活動発表を観る機会に恵まれ、
社会の教科書で出てきて記憶に薄れつつあった日本文化を、単語だけでなく中身で知ることができました。
ホント、ラボって広いよね~♪
世界の入り口だよね~♪
英語の方が簡単に聞こえて、狂言ってスゴイと思ったものです。
能との違いも、字面でなく、なんとなく分かってきました。
しかし、歌舞伎はまだ未知の世界でした。
顔を白で塗って、赤や黒で線を書いて、かつらをかぶって着物を着て大立ち回り・・・?みたいなイメージのみで、自分で敷居を高くしていて、観ようと思ったことは、お恥かしながら一度もありませんでした。
そんな私でも、ラボのおかげでしょうか。由緒正しき日本文化、風流なものをたしなんでみたいという気持が少しずつ芽生えています。
我が家は、一点豪華主義的なところがあります。
日常は、切り詰めて切り詰めて切り詰めて、ギリギリギリ~の生活をして、コレという時にドーンとやっちゃおうというタイプかなと思います。
金額的には、3等席なのでほどほどですが、ギリギリの時間で観に行くにはためらうほど、歌舞伎は遠い世界でした。
京都で歌舞伎というと、おヒマのある着物を着た奥様やリッチマンが行くイメージだったのですが、席を選ばなければ芸術鑑賞としては意外とお安いです。
3回映画を見るのなら、3等席でも舞台を観たい(子どもに観るせたい)と思っています。
(映画は、こどもと観に行ったことはほとんどありません。上演予告の宣伝のバイオレンスな音や画像をあまり見せたくないからです)
難しそうな歌舞伎でも、こどもだからこそ感性で受け止めることができると思いました。
そして、ライブを体験させてあげたいと思いました。
安いと思えるほど名舞台でした。
で、いざ京都南座へ!
3階席でしたが、生はいいね~。
外国人の方もいました。
主演が中村獅童さんだからでしょうか?若い女性がたくさん。
私だってワクワクするものねっ♪
開演までは意外と自由で、座席で食べたり飲んだりされている方も多いです。
歌舞伎って?
動物だけが出てくる絵本を舞台にするというのはどんな感じなのだろう?
着物でどう表現するの?
昔の演劇だよね???
音楽とかは?
たくさんイメージしましたが、未知の世界。
そして体験してみてビックリ!感動の連続でした。
「あらしのよるに」ですから、オオカミとヤギです。
まるでラボっ子のテーマ活動のように、四つん這いになって飛んだり跳ねたり。
違うところはラボっ子はTシャツ&Gンズ。歌舞伎役者さんはお着物だということです。
着物ですが、とても自然で軽やかで柔軟な動きです。
少しテーマ活動しただけで「疲れた~」というラボっ子!!彼らに見せたいくらいでした。
カッコいい!
なんてスゴイ表現なの!!
たくさんのヤギが走り回っても絶対にぶつからない。
プロはすばらしいですね。
歌舞伎なので、全員男性です。
しかし、ヤギのメイ役の役者さんは、女性にしか見えません。
女性だけで現代劇をする宝塚のまさに逆版のようです。
女性以上にしなやかで繊細です。
女のヤギにしか見えませんでした。
躍動感のある場面。
シーーンとなって会場に針一本落ても聞こえるような静寂な場面。
長セリフで惹きつけられる場面(ナナは、こういう時は寝そうでした)
大笑いしてしまう場面。
これは絶対アドリブだ!という場面。
二回の幕間(休憩)込みで3時間5分。
・・・のはずが、アドリブが多すぎて、3時間20分になりました。
会場係のお姉さんも、「今日は伸びてますね~。」と笑って教えてくれました。
そのアバウトさもすてき♪
早朝に家を出て、お寺やミュージアムへ行ってからの夕方。
入場時に「眠い~」と言っていたナナは、結局寝ることなく、最後まで集中して観ていました。
「だって、眠くなりそうになると目が覚める場面になるんだもん!」だって。
ラボのテーマ活動表現でも、このメリハリ、我がPは見習いたいところです。
また、音楽が素晴らしいものでした。
もちろん生演奏です。
歌舞伎ですから、三味線、和太鼓、笛などでしょうか。
語りというか、ちょっとしたかけあいの声も薄暗い灯りで見えます。
ずっと演奏が続く音楽でなく、表現に合わせた生の演奏。
音の強弱。
かすかに入る笛の音の微妙さ。
その繊細な表現が、日本文化ってスゴイな~と思いました。
こころにズズズーンと響きます。(DNAに響くのかしら?)、
和の音色が本当に素敵で、日本人で良かった~と思いました。
三味線などは、決まった楽譜がないとか、職人のようにお師匠さんの動きを見て学ぶしかないとか聞いたことがあります。(本当かどうかは知りません)
奏者の感性で演奏される楽器なのでしょうか?
きっと、何度観ても同じものではない気がします。
これが、ライブの良さだとつくづく思いました。
絵本を歌舞伎。
その斬新な発想は素晴らしく、私のような伝統文化に縁のないものでも近付ける気持ちになれ、歌舞伎の敷居が低くなりました。
花道でのファンサービスもスゴイ。
歌舞伎の舞台は、特等席の値打ちがあるのかな?と思いました。
またご縁があれば、次は伝統的なお話で観に行ってみたいと思います。
ひょっとして、将来、英語で歌舞伎が世界でブームになる日が来るかもしれません。(すでにあるのかな??)
歌舞伎を見るに当たり、解説イヤホンを借りることができます。
内容をしっかりわかりたい人にはお勧めです。
どんなものかと、まあ体験として我家も一つ借りました。
片耳だけなので、イヤホンと舞台と両方の声を聞くことになります。
たしかによくわかります。
しかし、生の表現をとにかく集中して観る方が私は好きだと思いました。
ライブラリーを聴き込んで、聴き込んで、だいぶたってからテーマ活動の友を読んで納得する感じでしょうか。
まずは、集中してじっと観て、全体を味わって、何度もその舞台を観ることになったら一度くらいはイヤホンを借りてみるものアリかな?と。
まあ、題材が良く知っている絵本なのでよくわかったのかもしれません。
「あらしのよるに」は、イヤホンなしで観ても、ナナでも充分理解が出来、楽しめました。
何でも体験するってステキ。
世界が広がるのって、トンネルを抜けた景色を見た時みたい。
楽しかったです。
PS.南座のすぐそばは、辻利のお店。
お抹茶ソフトが美味しかったです。
幕間の休憩にはぴったり!
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石橋香 (OG)さん (2015年10月02日 13時51分)
英語版イアホンガイド、解説が、日本をあまりしらないガイジン対応なので、めちゃくちゃ親切内容です。日本語ガイドと違い、観劇のじゃまになりません。ラボっこには超おすすめ。
わたしは、歌舞伎座の一幕見席ラバー(笑)
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わらBさん (2015年10月03日 06時50分)
石橋香へ
なるほど!
そのようなものもあるのですね。
たしかにライブラリーを聴いているようでラボっ子にはいいかもしれませんね。
ありがとうございました(*^_^*)
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