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これ、な~んだ? |
12月14日 (日) |
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これなーんだ?
{1}
南側の軒先にあるこの竿には、秋、蜂谷柿がつるされる。今年も干し柿がおいしく出来上がった。そうしてしばらくたつと、このようなものがつるされる。例年の我が家の冬景色。
テルテル坊主を逆さにしたようで、知らない人は「何だろう」と思う。
「ゆべし」を作っている。(私の記憶で東北のほうで柚餅子というお菓子があると思う。それとは違う)
売られているのは、ほんゆずで作るから大きく、小さいボールくらいである。我が家の庭にたくさんなるのは、「はなゆず」といって、すこし小さいゆずである。
ゆずの上部を少し切り、中身を取り出す。その中に、ゴマやクルミをいれた味噌をつめる。切った上部で蓋をして、蒸し器に入れて40分くらい蒸す。形を整えて、和紙などでつつみこのようにつるす。1月の下旬にはゆずと味噌とが合体して「ゆべし」が出来上がる。
柔らかいうちは、薄く切って、つまみや、温かいご飯にもおいしくいただけるが、昔は保存して固くなったものを、お吸い物や茶わん蒸しなどに削って入れ、ゆずの風味を楽しんだらしい。
今は、ゆずの皮を細かく刻んで、冷凍すれば年中風味を楽しむ料理には利用することができるので、ゆべしを保存する必要もなくなったといえる。
私は母親譲りの作り方で毎年作り、この味と風味の好きな方にさし上げている。ラボテューターの仲間と会食したとき、薄く切ったゆべしを出したら、初めて口にした人に、「芸術品ね」と言われたことがある。
本当に柚子の皮と味噌が見事に合体して独特の味と風味を作り出す。先人の知恵に感心する。(因みにミカン、レモンでやってみたけどだめ。皮はそのまま、味噌と合体しない。)
{2}
「それ、なに?毛糸?・・・」
私が妙なものを干しているので、近所にいる私と同い年で、一人暮らしの友達が、散歩の途中で話しかけてきた。
「昔はよく編み物もやったけど、もう今は手が痛くて何もできないわ。」
彼女はリュウマチを患っている。
私は言う。
「いまどき、こんなことする人はいないと思うけど、ほどけるものは解いて、こうするのよ。そしてね、2~3本一緒にして****を編むの。ちょっと待っててね。」
といって、私は何足も編んである靴下を持ってきて彼女に履かせた。
「あたたかいね。ありがとう。」
体が不自由なので、そんなに会うこともない彼女だが、気分よくしばらく雑談して帰って行った。
買おうと思えばいくらでも、いいものが簡単に買えるけれど、それにはないものを感じてくれる人がいる。そんなお付き合いをしていきたい。
毛糸製品をほどく。ちりちりの毛糸を、「かせ」にとる。熱湯をかけて湯のしする。乾かしてまた、そのかせをたまにとる。なんと、手間のかかることだろう。昔の主婦のやっていたこと。我々はその何分の一しかやっていない。
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