いま、NHK朝のドラマの「花子とアン」。花子が大きな辞書を使って翻訳に取り組んでいる。 なつかしいな~。大きな英英辞典で原書を読んだ時代。その場面、雰囲気、登場人物の気持ちがわかった時のうれしさ。・・・・・と、**十年前を懐かしんでいる自分がいた。
ラボ・テューター時代、事務所が丸善ビルにあったのが幸いで、毎月好きな絵本を買い、英語の絵本も安いペーパーバックスでどんどん買いためた。
ラボっ子たちはパーティの前後に絵本を読んで楽しんだが、本の数が増えて、文庫の活動として地域の子たちにも開放し読み聞かせの活動もしてきた。
テーマ活動の物語のテーマが決まると、物語CDを聞きこむのと同時に、同じ作者の作品を読んだり,物語の歴史や背景など、その物語の関連書をよんで、物語の理解をより深めていくのが、パーティ活動の常であった。
小さいラボっ子たちが特に目を輝かせたのは、自分が好きで何回も読んでいるような本を私が原書で取り出して見せたときだった。
子供の目が、日常から急に広い世界に飛び出したような感じだった。 また私が原書を読んでみせると、「その本これといっしょだよ」と訳本を本棚から取り出したりもした。 こんな活動が子供たちに広い国際感覚を身に着けていったと思う。
原書の中でも特別の扱いで子供たちが遊んだものがある。それが、オズボーン・コレクションだった。
ほとんどの子がただ手に取ってながめるだけ。でも何かを感じて眺めていた。
1979年,ほるぷ出版が,カナダのトロント公共図書館のオズボーン・コレクションの中から35冊を選んで「復刻・世界の絵本館・オズボーン・コレクション」として出版したものだ。
即戦力となる英会話力を身に着けることや、受験のための英語力をつけることのみが求められそうな今日、心の奥に深く潜む知力、応用力、発想力を養うような日常の活動が、心ある指導者によって、つよく推進されていくことを願いたい。
やさしい英語で深みがあり(「詩」は特に韻を踏む美しさは原文がいい)かんたんに拾い読みできるので好んで読んだ詩を紹介しよう。
SING---SONG
By Christna G Rossetti
クリスチィナ・ロゼッティの詩集から
Angels at the foot,
あんよのそばに天のお使い
And Angels at the head,
まくらもとにも天のお使い
And like a curly little lamb
小さなまき毛の羊のように
My pretty babe in bed.
かわいい坊やはゆめのなか
というように、一ページずつにヒューズの木版画をそえてはいっている。
What are heavy? sea-sand and sorrow:
What are brief ? today and tomorrow:
What are frail? Spring blossoms and youth:
What are deep? the ocean and truth.
重いのはなあに? 海の砂と かなしみ
短いのはなあに? きょうとあした
もろいのはなあに? 春の花と わかさ
深いのはなあに? 大洋と真実
* * * * *
Why did baby die,
坊やはどうして死んだの
Making Father sigh,
お父さんに ためいきつかせ
Mother cry?
お母さんを泣かせて
Flowers, that bloom to die,
咲いてちりゆくはなはみな
Make no reply
なぜ?ときいても
Of “Why?”
返事もせずに
But bow and die.
ただ しおれて死んでしまう
純真なこどもの心、母親の愛情、をうたい、また高い叙情性と繊細さをこめた詩が120篇収められ、最後のページはまた子守歌で終わっている。
Lie a-bed,
ベッドのうえに
Sleep head,
おつむをのせて
Shut up eyes, bo-peep;
おめめをつぶって いないいないばあ
Till daybreak
あさがくるまで
Never wake:-
ぐっすりおねむり
Baby, sleep.
坊やはよいこ ねんねしな
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