「ドリームタイム」 30号
ウルルへの旅
ザ・ガンに乗ってゆっくりとした旅を選んだ。ダーウインからアリススプリングまで砂漠の中を列車で縦断する。夕日に日の出、この当たり前のことが、何とも贅沢なことに感じられる。時間がたくさんあるからと、読み物を用意していったのだが、なんと愚かなことか。こんな、もったいない時間は、頭をからっぽにするのがいい。頭が空っぽになって、心が豊かに、満ち足りてくる。
ゆっくりと流れる時間を十分に味わいながらたどり着いたウルル。
アボリジニの文化から太古からの知恵と命のつながりを感じる。
さて、ウルルを写生しても絵にならない。私の中では、絵の構想が半ばにもならない頃、題名はすでに決まっていた。「ドリームタイム」。
絵の仲間には、よくわからなくても、私のこの絵に対する熱さだけは、なんとなく伝わったようだ。
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