ゴッホーはたしてゴッホは感情のまま筆を動かしたのか
視覚デザイン研究所・編集室
視覚デザイン研究所1994年4月2505円
ゴッホの絵を模写することによって、ゴッホの絵がどのように成り立っているのか発見してゆく
ゴッホが到達した技法をよく理解できる素晴らしい本でした
『ひまわり』部分複写
『夜のカフェ』全体複写
『糸杉と二人の娘』部分複写
部分でも全体でもよいが原寸大の模写を勧めている
P10はね橋ートーンより色、客観より主観
それまでは写実的、客観的に表現しようとするならば、色よりも明暗を重視するのが当然のことであった
しかしゴッホは「色彩」それ自体の価値を最重要と考えた
『調子と色彩を同時に出すことは不可能だ。北極とか赤道とに人は同時にはおれるものではない』
『どちらを取るか決意が必要だ。それを、ぼくもはっきり決めようと思うが、多分色彩だ』
p22絵の具
現在市販されている絵の具は年度が弱くゴッホの画面のような弾力は出ない
そのためルフラン社のメディムダンパートマン(増量剤)とメデゥムフラマン(マスティック樹脂、タッチを強く残す)を3対2の割合で混ぜ、パレットナイフでよく練り、絵の具に混ぜて使った
ゴッホはパレットナイフを絵を描くときには使っていない
p25荒目のキャンバスを使っている
あまり太い筆は使っていない
ウェットインウェットは硬い筆では出来ないので軟毛の筆もよく使っていた
ウェットインウェットは先においた絵の具が乾く前に別の絵の具をのせて描く
p34何度も素描して構図と色彩のプランを練った
キャンバスに向かうといきなり絵の具で描き始めた(下描きをしていない)
p56黄色、黄金に輝くものたち
p58赤と緑
p69ほとんど混色した中間色を使っている
p99ゴッホにとっての点描は、画面を活性化し動きや密度を表現する重要な要素であった
(同じ大きさの点を並べ、離れたところから見たときの色彩効果を意図したスーラの点描との違い)
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