絵本の読み聞かせではなく「絵本の読み語り」その心得を考える! |
09月12日 (月) |
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松居直(まつい・だだし)氏:講演「絵本のよろこび」より、
プロフィール:1926年京都府生まれ。 日本美術に親しむ幼少期、学生時代を経て、旧制中学在学中に敗戦を体験する。 戦後は同志社大学法学部で学び、卒業とともに1951年金沢の福音館書店に入社。 1956年に『こどものとも』を創刊、昭和期を支えた数々の才能を発掘、起用する。 現在、福音館書店相談役、NPOブックスタート理事、財団法人大阪国際児童文学館理事長など「子どもの本」の諸分野で活躍中。
講演内容をまとめました。20年ほど前にも氏のお話を聴いた事がありました。 びっくりするほどお変わりない容姿と健康的なお話しぶり、一言ひとことがストレートに心に飛びこんできました。 私が言うのもおこがましいのですが、今回も聴かせるお話をして下さいました。
*絵本は大人がまず自分の読書として読むことです。
「大人が絵本をよむこと!」何を希望し書いてあるのか、自分の中に定着した上で、子どもたちに読んでいくことを考えてみる。
もう一度大人が体験をして、自分の中の子供を体験を思い出す。自分が共感できる本を、3人の子供に10年間読んでやったので編集者になれた。 本の中に書いてある本をまた読み返すことになる。 自分の中に新しいものを取りこむことができる。「人生の中で3回出会う。」3回どころではないが、2~3才ぐらいまで読んでもらった。 6人兄弟の5番目、母は私に読んでくれる。母は躾のきびしい人だった。 寝る時に寝顔を覚えている。至福の時間だった。「こどものとも」「こどものくに」絵雑誌を読んでくれた。
・「童画」絵を見る楽しみ、絵を読むことができる。 今は絵を見せるものが多くなったが、「絵は読むもの」昔は読めるものが多かった。 物語の世界がある。絵が語れるのだ。 赤羽末吉、堀内誠一などです。
赤羽氏の「かさじぞう」は360度の世界を子供たちに見せたいんだということ。 話しているうちに第6感で何かを想像していくことが出来た。 鋭く本物の本質をつかむ心の動き、心を豊かにしないと第6感は働かない。
人の話をどれほど聴けるかが大切=聴く力、今の子供は機械の言葉で、人間の言葉ではない。 TVはめ見ているのではなく見せられているのです。
・先生は「子供たちが聴くことが出来る話ができるか」?!
ロビンソークルーソー(副読本)をしぶたに先生は英語の先生だったが、脱線につぐ、脱線の話をしてくれた。 子供の感性を豊かにする話を! 絵本を読む、本当に語る。
遠野に一人語りを200話も出来る方がおられる。
ある時リクエストで「かさじぞう」があがった。かなりの間をおいて語り始めた。 お父さんから聴いたものばかりで、囲炉裏端で聴いた。初めてのお話だったので間があったのだが、それは「自分の中で見えている世界を語っているだけです。」父の中に絵が見えている。それが語られているそしてそれが私にも見えるようになった。 思い描いて、子供に語る。読み手の気持ち、自分の思いが伝わって子供の感性がひろがっている。
・意味がわからなくても子供には感性で伝わるものだ。 それは子守唄のように無意識にでてきた。
子供っていうのは、日本語が素晴らしければ、意味がどうのこうのではなく、心、気持ちである。今、子守唄を歌える人は4%のみだとか。
俵万智さんは、「3びきのやぎのがらがらどん」2歳で毎晩何度となく読ませたそうだが、3才で全部語れた。
このお話を取りこんだ。このお話を食べた。 そうして3才で「ことばを表現する喜びを知った。」
・子供に本を読むも勝手、聴くのも勝手、広げれば空間で読んでいて子供はきいている。
がらがらどんの作者マーシャ・ブラウン氏からの疑問「どうして、日本の子たちはそんなにこの絵本が好きなんですか?ノルウエーのお話なのに…」と訊ねられたそうです。
どうしてか?―それは瀬田氏の日本語が良いからです!
「おおきなかぶ」まったくうそのお話だが、本当になるのが面白い、うその中に本物とうそがある。 ここに面白さがある。
・言葉は聴き覚えるもの。
生活の中のことばを身につけていないと、子供たちと一緒に自然の中で知っていないと実感出来ないと感じられたか。 例えば、雨の降り方、しとしと、びちょびちょ、バラバラなど。
「絹ごしの雨が降っているね。」見えるか見えないくらいの雨だった。
・「くまのぷーさん」翻訳が素晴らしい。 石井桃子さんの見事な記憶力、観察力、体験が豊かなものだ。 ぐりとぐらの中川さんも子供の言葉を聴く力がある人です。
「ことばは生きる力」考えるのではなく、一緒に体験する。
「言葉は見えない。命、心、愛、うそは本当は見えません。 でも…子供の本との付き合いで、私は見えるようになりました。」とはっきりと仰いました。 ドキリとした瞬間でした。 自信を持ってなさってきた結果のお言葉ですね。
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Re:絵本の読み聞かせではなく「絵本の読み語り」その心得を考える!(09月12日)
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♪いずみちゃん♪さん (2011年09月15日 08時52分)
松居先生の本をちょうど読んでいました。
「言葉は見えない・・・」ですが
松居先生は見えるのですね。
子どもたちに沢山の絵本と出合ってほしいと思うのと同時に
私自身も沢山の絵本と出合いたいなと思いました。
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Re:Re:絵本の読み聞かせではなく「絵本の読み語り」その心得を考える!(09月12日)
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Lauraさん (2011年09月15日 09時31分)
私も絵本講師の講座を今年受講しています。いろいろ学ぶことばかりで
すが、大人として絵本にほれ込んで読み語っていきたいです。ラボの目
指すところがぶれなくなってきました。
絵本の大切さを伝えていきましょう。
♪いずみちゃん♪さん
>松居先生の本をちょうど読んでいました。
「言葉は見えない・・・」ですが
松居先生は見えるのですね。
子どもたちに沢山の絵本と出合ってほしいと思うのと同時に
私自身も沢山の絵本と出合いたいなと思いました。
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