震災と『うみのがくたい』 |
03月28日 (月) |
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『ピーター・パン』(2話)の最後の海の表現、『ガンピーさんのふなあそび』の川の表現…続くは『うみのがくたい』の様々な海の表情。
何故か水の表現や船・舟の表現が続いていますが。
さて、『うみのがくたい』、取り組み始めの頃は『ガンピーさん』を引きずってか、穏やかな海でした。
嵐の場面も、なんとな~く盛り上がる程度。
震災でわずかながらもここ埼玉も強い地震を体験し、テレビで津波の映像を見たためか、子ども達も『うみのがくたい』の嵐は”あんな感じ”というイメージがついているようです。
「嵐の時って波はどう?」
「津波~!」
「船員たちは普通に立って揺れてるだけ?」
「転がってるかも」
少しずつ迫力ある表現になってきています。
最初は音楽の美しさにこのおはなしを推していた子達も、表現の難しさ・楽しさに少しでも気づいてきたかなぁというところです。
新学期は停電の影響も受けるだろうと、今2時間の不定期パーティをやっていますが、長時間だからこそのソングバードやゲームでも存分に楽しみ、群れあい、楽しい時間を過ごしています。
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Re:震災と『うみのがくたい』(03月28日)
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SENCHOさん (2011年03月28日 20時56分)
おじゃまします。
いま、『うみのがくたい』をとりあげる意味は大きいと思います。
昔、この物語が刊行されたころ、ある五歳のラボっ子が、
「せんせい、この船はほんとうはきっと沈んだんだよ。
だから、このおはなしができたんだ」といったという記事が
機関誌にのったことがありました。
戦や冒険などで、多くの命が海に消えました。
そして、今回の震災でも、信じ難いほどに海は
きびしい姿を見せました。
原作者の丸木俊先生は、この絵本に二年以上の制作時間を
とられました。
「原爆の図」とは対象的な鮮やかな色彩と、やさしいタッチですが、
平和への祈り、不条理な死への鎮魂というテーマは通底していると思います。
海に消えた命へのレクイエム。
その一方、このイルカやクジラたちのように
海は命が育まれ、躍動するところでもあります。
貴パーティの子どもたちも、
テーマ活動に取り組むなかで、
きっと、この作品のもつ、美しさ、きびしさ、せつなさに
気づき、いな生きていることの意味を
それぞれに考えることになると信じます。
丸木先生には、生前、一度だけお目にかかったことがありますが、
「原子力と人類は共存できない」と
毅然としておっしゃられたのおぼえています。
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Re:Re:震災と『うみのがくたい』(03月28日)
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かなちょさん (2011年03月28日 21時51分)
SENCHOさん
貴重なお話をいただき光栄です。
私自身、もっとじっくり聴き込み、このおはなしの深さを感じてみたい
と思います。
この船はほんとは沈んだ…以前研修でちらっと聞いたことがあります
が、5歳の男の子がそのような言葉を発したとは、すごいことですね。
うちのパーティの子ども達も、そこまで感じられるほどにこのおはなし
に入り込めるか、今後の活動に私も力を注ぎたいと思います。
ありがとうございます。
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