昔ばなしの合いの手 |
02月01日 (火) |
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実家の母は、子どもの頃、昔ばなしを父親からよく聞いたそうだ。
神官の資格も持っていた母の父(祖父ですね)の昔ばなしは、時に日本の神話だったりしたという。
母は、昔ばなしの合間に「おっと~」と合いの手を入れていたそうだ。(起きているよ、というサインでもあったのだろう。)
昔ばなしに合いの手をいれる地方は、日本ではそう多くないらしい。
合いの手を入れる地方のひとつが山形で、母は山形で生まれ育った。
小澤俊夫先生の昔ばなし大学を受講していた時に伺った話だが、小澤先生が北欧で語り部から昔ばなしを聞いた時、合いの手がほしいとリクエストされたことがあったそうだ。
合いの手が入らないと話しにくいからと。
語り手と聞き手で作るのが昔ばなしの世界ということだろう。
ここで私の昔ばなし体験。
私の合いの手は「ほして」だった。これは私の生まれた地方特有のものでは決してなく、私だけのことば。
話の先を促すせっかちな子どもだったのだろう、「そして、それからどうなったの」の「そして」が言えずに「ほして」になったもの。
時にはうるさく「ほして、ほして」とお話しの先をせがんだ記憶がある。
母も1日仕事をしていつまでも寝ない私たち子どもに困ることもあったのだろう。
そんな時は「ほして、ほして、干して、干したらぁ・・・・ひからびてしまいましたとさ。どんびすかんこねっけど。」とお話を閉めた。
「だめ~、もっともっと長い話しして~」と私がねだると、今度、母は、
「昔あったけど、あるところさ、なが~いなが~い、長いふんどしあったけど。どんびすかんこねっけど」と再び閉めた。
あの頃は、お話をもっと聞きたくてふくれっ面でもしながら聞いていたのかも。
今は、母のこの戦法に『参りました。』というほかありませんね。
そして、豊かな時間をもらっていたのだとありがたく思う。
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Re:昔ばなしの合いの手(02月01日)
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carmenさん (2011年02月04日 14時42分)
「ほして、ほして、干して、干したらぁ・・・・ひからびてしまいまし
たとさ。どんびすかんこねっけど。」
今晩の寝かしつけから使いたいです(笑)
素敵なお話の日記ありがとうございます!!
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Re:Re:昔ばなしの合いの手(02月01日)
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リジータさん (2011年02月04日 21時53分)
carmenさんへ
書き込みありがとうございます。
昔ばなしをしながら寝かしつける・・・我が家の子どもたちはもう大き
くなり、そんなことも昔のことになってしまいました。
いい時間をお過ごしくださいね。
あっ、思い出した~!私の恥ずかしい話。
昔ばなしをしながら寝かしつけていると、いつの間にか眠くなり・・・
話は支離滅裂に・・・・子どもたちから「おかあさ~~~~んっ!」と
起こされたことがありましたなぁ・・・^^;
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Re:昔ばなしの合いの手(02月01日)
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carmenさん (2011年02月05日 00時22分)
<子どもたちから「おかあさ~~~~んっ!」と
起こされたことがありましたなぁ・・・^^; >
す、すみません。現役なもので(現在娘5歳)
おなじことは数え切れないほど、しょっちゅうあります。
「眠いんでゆるして!続きはあした!!」
っと強制的に電気を消して、切り上げ一緒に寝て、
翌朝通園前に続きを・・・・と罪ほろぼしすること多々ありです(汗)
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Re:昔ばなしの合いの手(02月01日)
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よっちゃんさん (2011年02月05日 07時59分)
昔話に合いの手、なるほどどと感心しました。合いの手が入ることによ
って、もっと怖くとか、もっとおもしろくとか、語りの演出に勢いがつ
くのでしょうね。
それにしても、「ほして」という言葉。ずっと忘れていた言葉です。こ
れは私も話していた言葉ですよ!!懐かしいです。
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Re:Re:昔ばなしの合いの手(02月01日)
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リジータさん (2011年02月05日 08時47分)
同郷のよっちゃんさんへ
そうでしたか「ほして」は私たちのふるさと新庄の土地言葉だったので
すね。
私の幼児言葉がずっと残っていたのではと思っていました。
それがわかって嬉しいです。
合いの手が入ることで、語り手と聞き手で作る昔ばなしの空間が濃いも
のになっていくのでしょうね。
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