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音のない居間で |
12月10日 (金) |
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夜になると、そうそう大きい音で音楽を聴いたりテレビを見たり
できるものではない。 たまに、いくつものプレイヤーやテレビ、パソコンから あらゆる音が放出されて、とんでもない騒々しさになる我が家のリビング。 それが、ある日気づくとシ~ンと静まり返っていた。 だれひとり、寝ているわけではない。
息子は動画サイトから気に入ったアーティストの歌を探しては聴き入り、 娘は携帯ゲーム機でひとりご満悦。
夫はプレイヤーから流れる音楽を楽しみつつ読書、
私はテレビの前に陣取って録画した番組を鑑賞中。
それぞれが至近距離に居りながら、まったく外に音を漏らさず、
互いのことに煩わされることなく、自分だけの世界を満喫中。
部屋の真ん中にテレビ・・だけのシンプルな時代は遠い話。
そこにオーディオが加わり、ビデオデッキやゲーム機がやってきて、 そこにハードディスクも、とテレビ台の付近はケーブルが混線状態でどうしようもない賑やかさ。 この時代CDプレイヤーではなくてもCDは聴けるから、 最近は我が家も個々に音を出さずにライブラリーを聴くことが多くなった。 「家のまんなかにラボ機」のころがなつかしい。
CD聴いていると家族に「うるさいからしずかにして」といわれるという子供たちの声を聞く。 家族が互いに音を出し合って暮らしたころと違って、 「わたしだけ」の世界で楽しむのがあたりまえになったからか。
朝の満員電車の中、誰もが耳にイヤホンを装着している。 不愉快な時間をやりすごすには、欠かせないアイテムだ。
ところでこの人、何聴いてるんだろう・・。
ふいに、近くにいる人の胸元でちっちゃい画面にアルバムのタイトル画像が出た。 あっそれ知ってる。・・そんなところで他人と無言のやりとりを交わすのが、 個の時代も行き着くところまできた、今だ。
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