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ちゃこの童話(2) |
06月14日 (月) |
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よくばりな犬(再話・・イソップ物語から)
「兄き、よぅ眠ってましたね」
「うん。今日はこんなにいい天気だろ。朝から行楽客が多くてな。昼めしは、サンドイッチやソーセージなど腹いっぱい食えたよ。イケメンのおれには、かわい子ちゃんがいっぱいよってくる。 いい顔してるね、とか、毛並みがいいとかいってな。 そのうち、ペットショップではいくらくらいするだろうとか、うちにも番犬が居たほうがいいからつれて帰ろうか、などといやがって。ごめんだよな。 縛られて、ご主人様のご機嫌とって、ドッグフードばかり食わされてさ。おれはここで暮すのがいい。天気まかせ、運まかせ。自力で生きていくよ。」
「そうですかねえ。ぼくは、あったかいおふとんで眠れたり、かわいがってくれる家族があったほうがいいです。 そんな家族に出会いたいなあ。」
山里のうろのある大木の下、二匹の野良犬が、昼下がり、それぞれの犬生観を語っていた。
夕方、二匹はそれぞれに散歩とえさあさりに出かけた。兄き犬は村のほうへと。
「あゝ、今夜は村祭りがあるといってたな。 屋台が出るぞ。」
小さなお宮の境内では、祭りの準備。屋台も並び始めている。
「おっさん。眠ってちゃだめだよ。肉を一枚もらうよ。」
お好み焼きやの裏から肉をくわえた犬は、しめしめとよろこんで家路を急ぐ。
「近道して、この丸木橋を渡っていこう。・・・おや、ちょっと待て。・・川の中にも大きな肉をくわえたヤツがいる。何で水の中でじっとしてるんだ。
へんなヤツ。 あいつの肉もほしいな。あの肉のほうが大きくて、うまそうだ。 なまいきに、じっとこっちを見てやがる。・・・・・おい! その肉をよこせ!わーん!」*****
「あれ?肉が流れていく。お・れ・の・に・く。」
あきらめきれない欲張り犬は、なんとなく肉の流れていく川下に歩いていくが、
「バカなことしたなあ。しかし、もっとばかなのは、あいつだ。流れていく肉をポカーンと見てたなあ。水の中にいるのに、なぜすぐにとってくれなかったのかなあ。」
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