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映画『ハート・ロッカー / The Hurt Locker』を見た2010/04/28の日記 |
04月28日 (水) |
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映画『ハート・ロッカー / The Hurt Locker』を見た
●第82回アカデミー賞9部門ノミネート
(作品賞、監督賞(キャスリン・ビグロー)、主演男優賞(ジェレミー・レナー)、
脚本賞(マーク・ボール)、撮影賞、編集賞、作曲賞、音響編集賞、録音賞)
●第82回アカデミー賞作品、監督、脚本、編集、音響編集、録音賞受賞作品
ほかにも英国アカデミー賞を授賞、
全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞、ロサンゼルス映画批評家協会賞、サンフランシスコ映画批評家協会賞、ワシントンD.C.映画批評家協会賞、シカゴ映画批評家協会賞、ボストン映画批評家協会賞、放送映画批評家協会賞などを受賞
と話題の映画『ハート・ロッカー / The Hurt Locker』を見た
ハート・ロッカー / The Hurt Lockerは「棺桶」「行きたくないところ』などの意味があるとのこと
制作費は1500万ドル、ヨルダンロケ
2008年には完成していたがなかなか配給が決まらず公開が遅れたと
2004年夏、イラクのバグダッドが舞台
アメリカ軍爆弾処理チームの任務明けまで38日間を描く
「戦争は麻薬だ」というクレジットが最初に出てくる
これがこの映画のテーマなのであろう
アメリカが攻め込んだ責任とか、イラク民衆の気持ちとかにはまったく触れず
爆弾処理の緊迫感をひたすら描く
爆弾処理班の作業をビルの上から路上から見ている民衆
その中に爆弾を仕掛けたものが混じっているに違いない・・・
商店主がかけはじめた携帯電話に、
タバコを吸うかのように取り出したライターに、
処理活動を撮りはじめたビデオカメラに、
爆弾のスイッチが仕掛けられているかもしれない
車にも、地面にも、死体にさえ爆弾が仕掛けられている
敵は何をしてくるか分からないという不安
そして爆弾処理という危険の中で、その危険が持つスリルに耐え
そのスリルの魅力に憑かれた男を描くことで終わる
この敵についてはイスラムとかアルカイダとかの言葉も全くなく何の言及もない
次々と仕掛けてくる敵というのはゲームと同じ
たくさんあるハリウッド映画の物語構造と同じである
敵に囲まれた軍隊、その中での勇者という構図は西部劇映画の伝統を踏襲してもいる
ビグロー監督は、監督賞を女性として初めて受賞
女性であることを感じさせない映画づくりをしている
受賞スピーチで、
they are there for us and we are there for themと語っている
反戦映画ではないがイラク戦争賛美の映画でもない
だがイラクとの戦争の中にあってバクダッドの米軍が持つ
ヒリヒリした緊張を描くことには成功している
このような過酷な任務を果たしている兵士さん
ごくろうさん、ありがとうという気分を分かち合っていることで
アメリカでの評価が高いのであろうか
アメリカでの評価ではなく
日本の「みんなのシネマレビュー」という映画の感想投稿サイトでは
Review 39人、平均点:5.18点(10点が満点) という評価であった
割にさめた見方をしている
「戦争は麻薬である」と同じく戦争映画も麻薬である
なかには4回も見た、DVDも買うだろうという若者もいた
戦争が持つ政治性を全て抜いてしまっているということから
この映画は評価できない
だが映画が「空気」を伝えるという意味では
2004年のバクダッドにおけるアメリカ軍の空気を伝えることには成功した
と言える この意味でだけ評価できる
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