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半落ち! |
02月11日 (水) |
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主人と二人で今、話題の映画『半落ち』を見に行った。二人して映画館のイスに並んで座るのは何年ぶりだろうか。
主役は寺尾聡。彼がクローズアップされたのは、『ルビーの指輪』という彼の歌がヒットした時ではないかと思う。私はその歌が大好きでレコード(CDではまだない)を買った。
宇野重吉の息子である寺尾聡はなんとなくスカッとしない風体だけれど、演技も含めて、容姿までもがだんだん父親に似てくる。彼にとってはそれが功を奏している。大ヒット曲を出した後、役者の色が濃くなった男である。
原作を超える映画は創れないと言われる中、この『半落ち』は原作を越えているという。
アルツハイマーという病気の人はまだ私の周りにはいない。もし家族にいたら、私は看護できるだろうか。出来ないかもしれない。病気の度合いにもよるとは思うけれど、お互いに心が通じるとかコミュニケーションを計るとか、言っていられるのは脳で物事の判断が出来ている間のこと。それが出来なくなったら・・・
しかしそばにいる健康な者が思いやることは出来るはず。だが『半落ち』は骨髄移植が出来ずに息子を亡くして、悲しみを持った妻を思いやったがために、愛しすぎたがために、妻を殺した男の話である。男は息子の死後骨髄バンクに登録をして骨髄移植をある少年にする。その少年の存在が夫婦にとっての大切な心の支えとなり、また男が妻を殺す原因ともなる。男の刑は4年の実刑。判決文を作成したのは、同じアルツハイマーの父を持った裁判官。彼は父親が息子の顔がわからなくとも、生活を共にしている。共に生活することが苦しみであっても、その絆を断ち切ることは出来ない。命はかけがえのないもので粗末には出来ない。実刑の判決を下すことで妻を殺した男に対して怒りをぶっつけた様な気がした。夫婦の絆、親子の絆というものについて考えさせられた。
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