浜田政彦『神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘』を読む
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今日は2.26事件のおこった日である
浜田政彦『神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘』を読む
2000年12月に三五館から刊行された『神々の軍隊』の文庫版である
徳間書店から題名を『神々の軍隊VS国際金融資本の超暗闘ー国体=天皇を護る人々の聖なる敗戦』と
長く変えて、20008年6月に刊行されている
これは歴史本なのか、小説なのかよく分からない本であるが
よく調べて書いてあり、面白い
2.26事件を中心に神風連の乱、大本教出口ナオ、2,26事件、
三島由紀夫と盾の会会員による市ヶ谷自衛隊乱入、自決と
筆者のいう「神々の軍隊」としてつながっている精神の系譜を描いた作品である
金の世の中、無機質、無感動、無表情、偽善と詐術の世の中を良しとせず、
現人神、天皇を中心とした日本を復権させたいという「狂気」の姿を描く
2.26事件の皇道派将校たちの背後には、
彼等を焚き付けた皇道派の将軍たち、将校たちは知らなかったが、利権を求める新興財閥がいた
しかし「神々の軍隊」が求めた変革は天皇自身によって否定され、
激怒され、反乱軍とされ、自決を求められる
裁判で主張しようとした将校たちの願いはかなわず
秘密裁判の結果ほとんどは銃殺刑となり、殺された
「神々の軍隊」を利用し、潰す勢力は皇道派にせよ統制派にせよ
「神々の軍隊」の持つ精神性を本気では持っていない大人たちであるという
皇道派は青年将校を焚き付けたが統制派も暴発を待っていたような節がある
2.26事件の後、統制派とその背後にいる大財閥による
いわばカウンタークーデターによって
その後の日本は、新興財閥も大財閥も一つになって、ひたすら戦争への道を歩んでゆく
国際金融資本が利権を持つ華北への日本軍侵攻は、その逆鱗に触れ日本の敗北をもたらす
ロックフェラーとセオドアルーズベルト大統領は日本との対立は避けられないと
対日戦争計画を1906年から14年の段階でつくりはじめており
日米戦争が始まる頃には「オレンジプラン」という名で呼ばれるようになっていた
このプランどおりに戦争が推移したことに驚かされた p415
敗戦となっても統制派軍部に責任を負わせて、大財閥は戦後も生き延びてゆく
国際金融資本は冷戦の中で、大財閥資本を使いながら、日本を利用してゆく
「神々の軍隊」が求めているのは精神なので、
捨て石となることでいいと、死を厭わず、結果を求めず、潔い
2.26事件の皇道派将校たちも三島由紀夫と盾の会会員たちの行動も
その「狂気」から発していることをこの本が指摘していることで
やっと、かろうじて、理解できるようになった
神風連の乱、大本教出口ナオ、2,26事件、三島由紀夫と盾の会と
「狂気」が「狂気」として、
日本の歴史の中に残ってきたことの意味をあらためて考えさせられた
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