北海道大雪山系トムラウシ山 2009/07/21の日記 |
07月21日 (火) |
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大雪山系トムラウシ山遭難事故に思う
たいへん痛ましい遭難事故が起こてしまった
亡くなられた方のご冥福を祈りたい
北海道の山は侮れない
高さは低いようでも厳しい
(最近利尻島の利尻岳に登った時は風雨はあったものの、幸いなことに、
激しくはなく、気温もあまり下がらずという状況だったので、
山頂まで行くことができた)
しかしこの遭難は人為的な遭難事故であったと思える
ガイドの適切な判断や指示、早い救助要請があれば
かなりの方が助かったと思えるからだ
18名(内3名がガイド)の空港集合ツアーのパーティである
遭難事故で亡くなられた8人の死因はいずれも凍死
59歳から69歳までの山歩き愛好家
山歩きはしていたが冬山の経験はない方たちであった
大雪山系は標高2000メートル級の山が続く
1500メートルを超えると大きな木は生えないため、強風が吹くと遮るものがない
今回のツアー客も強い風雨にさらされ、体感温度が一気に低下したとみられる
大雪山周辺の16日の気温は8~10度で、雨が降り、
風速は台風並みの20~25メートルとみられている
当時の体感気温は氷点下との見方もある
高齢者にとって低体温症は危険だ
若い人よりも寒さや暑さへの感度が鈍いため、
今回のように「寒い」と気づいた時には手遅れで、動けない状態に陥ってしまうことがある
体温が35度以下になると、低体温症となり、震えが始まる
33~32度になると動けなくなり、30度以下で意識がなくなるとされる
低体温症について
低体温症 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BD%8E%E4%BD%93%E6%B8%A9%E7%97%87
低体温症について
http://www5.ocn.ne.jp/~yoshi515/teitaion.html
2002年7月トムラウシで二人、9月に黒岳、十勝岳で一人ずつ低体温症による死亡事故があった
つまりこの山では7月であっても起こりうる事故であった
今回の遭難ではリーダーの責任は免れない
遭難したパーティーは連日8~10時間縦走する日程で、
15日には雨の中を約10時間行動していた
13日北海道入り
14日旭岳温泉出発 雨の中白雲岳避難小屋まで歩く
15日曇りヒサゴ沼避難小屋まで歩く
16日午前5時30分頃に宿泊先のヒサゴ沼避難小屋をスタート
▲かなりの風雨なのにあえて出発している
出発から約5時間後
10:30-11:00最初に倒れたメンバーの回復を待ったのか
▲他のメンバーを風雨の中に長時間待機させて体力を消耗させている
▲倒れた人にガイド一名をつけて残した
このガイドを含めて2名は山頂付近のテントで亡くなられた
▲この時点で救助依頼をまったくしていない
他のメンバーは先にすすんだ
山頂手前の北沼、晴天なら3時間くらいだが、一行は5時間以上かかっている
3日目の疲労に加え悪天候で、体力を消耗する人と、そうでない人に差が出た
11:30-12:30
▲歩けないものが4名出たため、ガイド1名をつけて残した
テントを張ってビバーグしたものの、この中の2名が亡くなられた
▲1名が意識不明になっているのにこの時点でも
まったく救助依頼をしていない
(夜8時半ごろ男性2人、女性3人のグループから新得署に携帯電話で連絡
女性1人が意識不明で、近くに別に倒れている生死不明の男性を目撃したとの内容
その後交信できなくなる)
先へ進んだメンバー11名が、ガイドのスピードについて行けず
脱落してゆく この中から4名が亡くなられている
15:55ガイドがやっと救助依頼を発した
▲この時点では引率しているメンバーが2名のみ
パーティを掌握していない
ガイド同士交信するための無線も所持していない
▲救助依頼が遅すぎる
▲まとまった行動で助け合うことをを何故しなかったのか
▲このガイドは最後に自分自身も倒れているところを発見されている
深夜になって自力で登山口に達したメンバーが救助された
(朝4時 道警航空隊、自衛隊ヘリコプターなど計3機が順次上空からの捜索を開始)
ヘリコプタで救助されたメンバー、
病院に送られたが亡くなられたメンバー
(朝5時30分 自衛隊地上部隊が北沼付近で3人の生存者と4人が倒れているのを発見)
自力でたどり着いた者5名、救助されたもの5名(内4名が亡くなられた)
▲ガイドの内2名はこの山に登っていない 下見もしていない
早い手当が必要だった最初の一名を助けることをせず先へすすみ
(低体温症のことを知らなかったのか)
さらに意識不明で倒れたもの、歩けなくなった者を助けることをせず
残ったメンバー(道を知らないツアー客です)をきちんと掌握せず
指示せず、バラバラになってしまい、自分も倒れている
厳しいようだが
責任がガイドと募集した旅行会社にあることは明白だと思われる
参考
山行記録 地図、コースタイム
http://www.enjoyhike.com/hiking_records/200808taisetsu3.htm
北海道大雪山系 トムラウシ山 大量遭難を考える
http://subeight.wordpress.com/2009/07/18/tomuraushi-2/
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Re:北海道大雪山系トムラウシ山 2009/07/21の日記(07月21日)
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アスベルさん (2009年07月21日 19時52分)
私ならどうしたろうかと考えてみました
私ならまずリーダーを引き受けません
一緒に行くガイドが下見もしていない、コースを知らないのですから
また何かおこった時の装備もなく、カバーするマニュアル、体制がない
参加者の装備、靴、防寒具、健康管理などのチェックが不十分にしかで
きない仕組みであり
北海道の羊蹄山近くのこどもたちのキャンプの下見に
予定コースを歩いた時イワオヌプリで、濃い霧の中に入ったことがある
まるでミルクの中に入ったように、そばにいる同行者が見えなくなるく
らいであった
このような時どうするか
引率者がコースを知っていなければどうにもならない
参加メンバーがバラバラにならないようにまとめておく
動くにせよ、そこに留まるにせよ
全体の掌握は絶対不可欠の事項です
最初の犠牲者が出た時点で
救援を呼ぶ
携帯が通じなければ ガイドの一人を救援を呼びに出す
この場合でもガイドが道を知らなければ、出すのも不安になるではあり
ませんか・・・
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北海道大雪山系トムラウシ山続報 2009/07/21の日記(07月21日)
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アスベルさん (2009年07月23日 17時05分)
朝日新聞7/23朝刊 大雪山系遭難 凍死の7人は軽装、生存者は防寒上着
「凍死したツアー客7人全員が、防寒、防水機能が低いウインドブレー
カーなどの軽装だったことが道警への取材でわかった
他方、助かった10人は全員が、強い雨に長時間打たれても雨を通しに
くく、防寒機能もある上着を着ていたという」
「 体温低下を防ぐにはニット帽やフードなどで頭部から首筋を冷やさ
ないようにする必要もあるが、死亡した7人は機能性が低いフードしか
かぶっておらず、雨が首筋などを冷やし、短時間で低体温症に陥った可
能性があるという。
ただし、死亡したガイド1人は防寒機能がある上着だったという。」
装備については装備レベルの周知、チェックも含めて引率者の責任であ
ることは言うまでもない
夏山でもセーター、厚い靴下、替えの衣服、
新聞紙(寒い時には衣服の間に入れる)など必須である
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