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映画『スラムドッグ$ミリオネア Slumdog Millionaire』2009/05/08の日記 |
05月08日 (金) |
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『スラムドッグ$ミリオネア Slumdog Millionaire』
『ネタばれあり』これから御覧になる方は読まれませんように・・・
本年度米アカデミー賞主要8部門を制覇し、他にも数々の賞を得ている話題作
インドの外交官が、イギリス駐在中に書いてイギリスで出版された『ぼくと1ルピーの神様』が原作
この外交官は近く大阪領事館に着任するそうです
1900万人が住むムンバイ、観光地タージマハールが舞台
インドの貧窮や急激な発展の現実を背景に置いて
そこでたくましく生き抜くストリートチルドレン兄弟を描くドキュメンタリー仕立ての物語
スラムの描写やストリートチルドレンの生き様はいきいきとしている
物語の中心はテレビのクイズ番組ミリオネアで正解を続ける主人公の物語
コールセンターのお茶汲みで教育も受けてきていない
彼は何故正解を続けてこれているのか、何故番組に出たのか
囚われた仲間の娘を捜しにムンバイへ戻る兄弟、娘の救出、
後半に強く浮かび上がる物語は、主人公である弟と娘のラブストーリーである
イギリス人映画監督ダニー・ボイルによる
暴力と純愛のインド映画風ハリウッド映画!
警察による拷問シーンから映画が始まる
テレビのクイズ番組ミリオネアで正解を続ける主人公に対して、不正があるのではないかと尋問している
何かトリックがあるのではないかと最後の質問の前に突然拘束されてしまう
インド政府はこのような拷問の描写に抗議しないのかな
何故その答えを知っていたのか、その話が語られてゆくなかで
生い立ちが明らかになってゆく この語り口は面白い
主人公の語る生い立ちの中では
ヒンズー教徒によるイスラム教徒襲撃で死んだ母の事
親のない子供を集め身体を欠損させてまで物乞いをさせる集団(ボスはママン)からの必死の逃走など
凄まじい暴力シーンがある
縦軸に純愛物語を置いているため、見終わった後味はそれほど悪くないが・・・・
タージマハールで観光客相手の商売で暮らしていた兄弟は囚われた少女を捜しにムンバイへ戻る
兄はママンを射殺、別の組織へ自分を売り込み、参加を許され、構成員と成ってゆく
娘は助けられたが兄が連れ去ってしまう
弟と娘の再会、逃走、娘は再度捕まってしまう
どこにいるかもわからなくなる
弟は娘を捜し続け、クイズ番組ミリオネアに出演する事で娘を見つけようとする
組織に囚われ踊り子にされていたヒロインを兄が助け弟の所へと送り出す
弟と娘の再再会、ハッピーエンド!
・・・例えば
組織から逃げ出し、追われて走る中、深夜の駅へ
ちょうど!駅から列車がでて行く
兄弟はやっと飛び乗れたが仲間の娘が取り残され、捕まってしまう
ここはハリウッド映画的ハラハラドキドキ
再会した時、娘は踊り子だが、原作では売春婦らしい
娘は兄によって献上されボスの愛人とされたらしいがはっきりとは描かない
このへんにも純愛にして置きたいハリウッド映画の思惑が見える
駅で待ち合わせた娘と弟、兄とボスの手下が走り込んで来て娘を連れ去る
弟は遠くにいて止められない
何故駅とわかったのか
混雑していて追い付けないヒーロー!このシーンの作り方もハリウッド映画
ボスのところから逃げ出したヒロインが
ボスの車を運転できるのはおかしくないか
ボスは金持ちだから運転などしない
このようにハリウッド映画のようなご都合主義的展開は多い
今のインドが背景という事の新鮮さ
ストーリーの展開の面白さはあるが
内容はハラハラドキドキプラス相思相愛の愛が実るというハリウッド映画でした
面白いという意味ではよくできているが
インドの今という異国趣味をマイナスするとそこに残るのは
典型的なハリウッド映画、とても古い内容、中身の映画でした
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