『裸のダルシン』
この間 C.W.ニコルさんの話をお聞きしたばかりなので
主人公ダルシンは若かりしころのニコルさんに、
出てくる男たちの姿がニコルさん自身の容姿や人柄に重なってきました
ケルトの文化を背景に、C.W.ニコルさん自身の体験を
折り込んだ冒険の物語
父王はウ゛ァイキングとの乾坤一擲の闘いへと船団を率いて出かけてゆく
王子ダルシンは叔父やいとこの暗殺の手を逃れ、
オオカミやカラス、黒馬を友にして
過酷な自然から学びながら、成長してゆく
男の子が男に生まれ変わってゆく、イニシエーション(通過儀礼)の物語である
暗殺から助けるためでもあり、王になるための試練として
宗教上の追放という罰が与えられる
ダルシンは裸で追放され、人間のことばを話してはならない
弓矢を使ってはならない、馬に乗ってはいけないなど
さまざまな制限事項を守って生き延びなければならない
サバイバルの物語
食べられる植物、薬になる植物に助けられ、
黒曜石の石で短剣や槍をつくり、火打石で火を起こし、料理をし
スリングという投石の道具をつくって、投石の腕を磨き
投げやりの道具もつくって、30mの距離から獲物を仕留められるようにもなる
ウサギやシカを狩り、食料として冬に備える
毛皮をつなげて衣服もつくる
ヤスをつくって、魚を獲る
大地と海、動物たちから学んで
たくましく、強く、男らしい男へと成長するダルシン
ニコルさん自身の体験をもとにその描写はとても詳しい
男の子にとって、わくわくする物語、
きっと一気に読み終わってしまう
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