『ニューシネマパラダイス』2009/04/03の日記 |
04月03日 (金) |
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BSの放送で2時間の劇場版ではなく、
50分追加された完全版が放映されたのを見た
監督29歳の時の作品
舞台はシチリアの村の映画館
ロシア戦線から帰ってこない父を待つ、母と妹との暮らしをしている少年トト
映写技師アルフレードとの「友情」
事故にあったアルフレードに替わって少年映写技師となり、
青年に成長してゆくトト
転勤してきた銀行の支店長の娘エレナへの恋、愛情
思わぬ義務兵役
エレナと連絡が取れなくなる
傷心のトトに村を出るように勧めるアルフレード
「決して帰ってくるな」「手紙もだすな」と
トトは映画監督として成功する
しかし独身のままで、私生活では満たされていない
村には30年間帰ってきていない
アルフレードの葬儀に帰ってくるトト
初恋と別れの部分を削って、映画への愛、映画館への愛を描いた劇場版 1989年
初恋と別れの部分のフイルムを戻した完全版
2002年
評価の高かった劇場版と賛否両論が生まれた完全版
完全版では
エレナと会えなくなったことの裏に
アルフレードがトトを映画技師として終わらせたくない
貧しいシチリアの村から出して
才能を開花させてやりたいとの想いが働いていたことがわかってくる
エレナとの再会
アルフレードがトトに残した遺品のフィルム
観客としては、トトとエレナの恋が実ってほしいという気持ちになり
アルフレードの気持ちを理解しにくい
私を含めて今の観客は、
シチリアの貧しさ、閉塞感
そこからの脱出、
「才能開花」、「成功」という物語から遠く離れてしまっている
アルフレードの「勝手な」「ひとりよがりの」決断は
トトを不幸にもしているのだが
アルフレードは死ぬまでそこには想い至らず
トトの映画監督としての成功だけを喜んでいる
トトとしてはアルフレードを「怒り」「憎む」が
今となっては受け入れるしかない
アルフレードもトトの母親も、
トトの成功を喜んで30年を暮らしながら
自分たちはひっそりと生きてきた
思いのほか苦い映画であった
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Re:『ニューシネマパラダイス』2009/04/03の日記(04月03日)
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リジータさん (2009年04月07日 20時37分)
アスベルさんご無沙汰しております。
私も『桜酔い』してみたいものです。
さて、ニューシネマパラダイス、今回完全版を初めて観ました。
劇場版と完全版、まったく違った映画のようですね。
完全版は確かにほろ苦かったです。
何をもって幸せというのかなと考えてしまいました。
でも、最後のシーン、アルフレードが遺したフィルムを見るサルヴァト
ーレを見てずいぶん救われました。
KISS酔いしてしまいそうでしたが・・・
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Re:Re:『ニューシネマパラダイス』2009/04/03の日記(04月03日)
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アスベルさん (2009年04月07日 23時14分)
リジータさん
こんにちは
>私も『桜酔い』してみたいものです。
東北もあともう少しで春ですね
>さて、ニューシネマパラダイス、今回完全版を初めて観ました。
>完全版は確かにほろ苦かったです。
何をもって幸せというのかなと考えてしまいました。
閉鎖性や将来性がなかったことなど
シチリアの特殊な歴史や環境を背景として
トトをこの村で終わらせたくないという強い想いを考えないと
アルフレードの行動はとても納得できないなと思いました
トトもアルフレードも可哀想です
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