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フランシスとケーキ |
04月01日 (水) |
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こどものころ、「はやくねなさい」といわれると、全然眠れなかった。 天井の模様、何気なく置かれたコート、すこし開いた窓から
吹いてくる風にゆれるカーテン。
創造力豊かなこどもの目には、何にだって見えてくる。
閉めたドアの向こうからきこえるテレビの音と話し声。
もし食器がカチャカチャいうような音が聞こえようものなら、
さらに目はらんらんと冴えてくる。
むかし大切にしていた絵本、「おやすみなさいフランシス」
子供部屋でひとりで眠れないフランシスが階下に降りていって
どうしてもちょうだい、と、
お父さんとお母さんの食べていたケーキをおねだりして
ひとくちもらうシーンがある。
絵は白黒だけど、そのイチゴののったケーキが なんともおいしそうで、うらやましくて
ケーキが食べたくなると、いつも「フランシス」を読んだ。
おとなは、よるにないしょでおいしいものをたべてるんだ、
そんなふうにも思っていた。
そういえば私は、子供が小さいとき、口にさせたくなかった「ポテチ」などのジャンクフードを 隠しておいてはこっそり夜中に食べていた。
でも、このフランシスのケーキは、そういうものとはちがう。
もっと夢がある。
食べ物に限らず、最近は子供と大人の愉しむ物に差がなくなって、
なんだかつまらなく感じる。
「これはおとなのだから、だめよ」
そう言えるおとなも、少なくなった。
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